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タイトル未設定 - Magic1:異世界

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Magic1:異世界

第1章 ウェルテクス一族
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深夜。

とある廃墟の一室で、メデューサとフェニックスはカーテン越しにワイズマンと謁見していた。

その際、メデューサから出てきたのは、“あるファントム”の話だ。




「……ところでワイズマン、【オリジン】は何処へ?」

『――奴なら、数ヶ月ほど前から私の命令に沿って動いてもらっている。……別の世界にな』


“別の世界”と聞いて、メデューサは難しい顔をする。

オリジン…

その力はメデューサやフェニックスと言う幹部にも引けを取らず、別の世界に自由に移動できる力を持つ。

ただし、移動できるのは『世界と世界の空間』であって…『過去の時間に遡り指輪の魔法使いを消す』ことや、『未来の時間に移動しその“結果”を見た上で、確実にゲートを絶望させるための策を練る』ことには使えない。

フェニックスはオリジンを気に入っていなかったのか、不満そうな顔を隠すこともなく、喧嘩腰ぎみに呟く。


「あぁ?あのいけ好かない野郎、最近見ないと思ったら…そんな所に行ってたのか」

「それで、何をしに?」

『指輪の魔法使いによって、ファントムは増えるどころか減っている。それならば、魔法使いのいない別の世界に向かい、ファントムを増やし…この世界に送り込むのもいいだろう』

「流石ワイズマン、別の世界なら指輪の魔法使いも手出しできねぇな!」

「だけど…万が一オリジンが裏切った場合は?」



メデューサの言葉に、フェニックスは「あ」と声を上げる。

…彼女の言うように、万が一にでもオリジンが大量のファントムを率いて裏切ろうものなら…逆に自分達が危険に晒される。

しかし…

既にそれに対する策は持っていたのか、ワイズマンはこう答えていた。


『オリジンには、裏切れないよう少々特殊な改良をしている。つまり、奴の命は私の手の中にあるも同然だ』

「成程。それなら、妙な気を起こすことはないわね」

「まぁ、逆らったら一番怖いのは…俺の隣の奴だけどな」


フェニックスの発言に反応したメデューサは、怪人態となり蛇でフェニックスを威嚇する。

「冗談だよ」とフェニックスは弁解をし、メデューサの怒りが収まったのか、牙を向ける蛇達は大人しくなる。

…本当に、恐っろしい女だぜ…

心の中でそんな毒を吐き捨てながら、フェニックスは頭を掻いていた。






〜〜〜






翌日…“面影堂”。

そこでは、店主の輪島が新しい指輪を完成させ、晴人に渡していた。


「おぉい、晴人。新しい指輪だぞー」

「おっ、そうか。…っていうかおっちゃん、今、どこかのアンパンみたいな何かが頭を過ぎったんだけど。投げて渡しちゃってるから尚更」

「えっ、新しい指輪!?」

「どんな指輪なんですか!?」


『新しい指輪』と聞いて、凛子や瞬平が一斉に群がる。

コヨミも、そんな二人の隙間に割って入り、晴人に渡された指輪を眺めていた…

指輪の模様は、二つの輪をくぐる竜。

一体どんな魔法なのだろうか。晴人はそう思いつつ、バックル部分にある黒い手の部分に指輪をかざしていた。


「ちょうどいい、実験(ため)してみるか」

「「…」」

「えっ、ちょっと凛子さんにコヨミちゃん…なんでそんな素早く後退して!?しかも笑顔だし!」

<ワールドムーブ、プリーズ>


瞬平がそんなツッコミを入れている間に、バックルから音声が聞こえてくる。

…またスメルの時みたいに、強烈な臭いが!?

…いいや、それともスリープのように眠らせるとか!?

瞬平はそんなことを警戒(当然、コヨミも凛子も彼より数秒早く察知したため、退避した)し、逃げようとするが……



「……あれ?」

「何も…」

「…起こらない、わね」

「えっ、もしかして輪島さん…あの指輪、失敗作なんじゃ」

「そんなことはないよ。魔宝石に耳を傾けて作った、完成された指輪なんだから…それにしても、不発って言うのもおかしいなぁ…?」


魔法は発動されたのに、晴人の身には何も起こらず。

当然、他の誰かが被害に遭ったわけでもない。

瞬平はすかさず「失敗じゃないのか」と言うも、輪島は「失敗じゃない」と言い張り…

晴人も、スペシャルリングと同じように『今はまだ使える状況じゃない指輪かもしれない』と結論付け、ファントムがいないかどうか探そうと面影堂を出ようとしていた。


「ま、スペシャルと同じで使う状況が限られているって事だろ。…それじゃ、俺見回りに行くから」

「あ、晴人さん、俺も行きます!」

「私も!…そうだ、今日はコヨミちゃんも一緒に行かない?そのほうが、早くファントムも見つかりそうだし」

「……分かった。でも、瞬平は晴人の邪魔をしないように気をつけてね」

「何で僕だけ注意するの、コヨミちゃん!?」


コヨミにはっきり「邪魔するな」と釘を刺され、瞬平はテンションが下がってしまうが…

どうせ数秒後には復活するだろう、ということで3人+輪島からは超スルー。

晴人を先頭に、面影堂から一歩踏み出すと




―――目の前に写っていた光景は、いつもの街の風景とは違っていた。

遠くには大きな城や、近代的な形状をした会社のビルのような建物があり…

更には、教会があったり…空には海のような綺麗な膜が存在していたりなど、明らかに晴人達の住む街とは違う。

まるで、面影堂ごと自分達が別の世界に移動したかのように。

凛子は慌てて携帯電話をかけようとするが、携帯電話の復旧していない場所なのか、圏外で使い物にならない。

晴人も流石にこの状況は理解できず、呆然と立ち尽くすのみ。


「……うっそー?」

「え、何で!?どうして圏外なの!!?」

「こここここここここ、これは…いったい…」

「…もしかして、私達…別の世界に飛ばされた?」


自分の理解を超えた状況に呆然となる晴人・パニックに陥る凛子と瞬平をよそに、コヨミは至って冷静に呟く。

彼女の意見は…普通なら到底信じられない話だが、“魔法”を知っている彼らは原因がすぐに分かる。

――先程の、ワールドムーブリングだ。

ワールドは「世界」、ムーブは「移動」…つまり、自分達のいる世界とは別の世界に移動できるリングなのだ。

となれば、さっきの魔法は不発だったのではなく…面影堂ごと異世界に移動したのだと考えれば、この状況にも納得がいく。


「それなら、もう一度さっきのリングを使ってみればいいんじゃ!」

「そうよ!そしたら、元の世界に戻れるかも!!」

「いや…俺もそう思って、試してるんだけど…」

<エラー、エラー>

「……魔力はまだあるのに反応しない、んだよな…」

「「ええーっ!?」」



晴人の言葉と連続する『エラー』音声に、凛子と瞬平は大声で叫ぶ。

ワールドムーブリングが機能しない、と言うことは、=元の世界に戻れない。

一体どうしたら、と4人が困っていると…遠くに見える教会の鐘が鳴り響く。

街の人々もどうやら教会に向かっているようで、何かあるのだと晴人は理解する。

この世界のことを知らない以上は、何もしないでここで突っ立っているよりは何かをしたほうがいいと思ったのだろう。

次の瞬間、教会に行くことを提案していた。


「教会で何かあるみたいだな」

「そうみたい」

「教会と言えば…きっと、ミサでもあるんじゃないかしら?」

「へえー。じゃあ、この人達皆…ミサに行くんですね!」

「随分と熱心だな。俺達としても、この世界のことは知っておきたいし…行ってみるか」


晴人の言葉には、コヨミ達も賛成。

一瞬、輪島のことを思い出し、彼も一緒に連れて行くべきか迷っていたが…

まあそんなに時間は掛からないだろうと誰もが思い、輪島を面影堂に残して4人だけでミサに向かっていたのは。

しかし…

――この時晴人達は、まさか自分達がこの世界の運命を揺るがす旅に出ることになるとは、思いもしなかったことだろう。






〜〜〜






この教会の名前は、ラディス大聖堂というらしく…

信仰の対象であるラディス教を崇める場で、教会の壁には『シンボルストーン』と呼ばれるものが掛けられていた。

どうやらこの街の名前は、“リーリエリヒト帝国”というもので…ラディス教を国教とする、政教一体の帝国のようだ。

この国を治めているイシュトヴァーン?世は、この国の皇帝であると同時に教皇でもある…ということだ。

教壇の上には、既に皇帝イシュトヴァーンや教服を纏った男達、赤いフードつきのローブを身に纏った者、背後に控える騎士…

流石“帝国”だけあってか、部下の顔ぶれもかなりのもの。


「な、なんか、おっかない人達ばかりですね…」

「それもそうだけど…教団関係の人に、女性がいないのはどうしてかしら?」

「凛子の言う通りね。一人二人ぐらい、いてもいいと思うのに…」

「あんた達、知らないのかい?ラディス教は女神崇拝が禁止されているから、ラディス教関係の者…例えば教会の人間だったり、特務機関G…ミッドノクス…聖海騎士団…そういった所は全部、女性が入ることは許されないんだよ」


瞬平や凛子、コヨミの話を聞いて…

ちょうど瞬平の隣に座っていた、恰幅のいいおばちゃんが丁寧に教えてくれた。

見た感じ人がよさそうなことから、瞬平達はそのおばちゃんに色々とこの世界の事を聞く。

『この世界はどんなところなのか』

『空にある海のような膜は何なのか』

『特務機関Gとか、ミッドノクスとか、聖海騎士団とかどういうものなのか』

ラディス教どころか、この世界のことにすら疎すぎる瞬平達に、おばちゃんは顔をしかめていたが…

そこは晴人が


「いや、実は俺達…ラディス教に入信しようと、遠路はるばるこの国に来て」

「ってことは、何かい?あんた達、ツァールハイトかダティーバの出身かい?」

「いいや。そこより、もっと遠くだ。……とにかく、こっちのことには疎くて…特にこのコヨミって女の子は記憶喪失で、この世界がどんな世界なのかも分からないみたいなんだ」

「あぁー、そういうことかい。記憶がなくて分からないなら、しょうがないねぇ…」


…という具合に誤魔化してくれて、おばちゃんも納得していた。

利用されたコヨミ本人は、納得いかない面持ちで晴人を見ていたが…

晴人は慌てて両手を合わせて頭を下げ、凛子もフォローに入ってくれたためか、コヨミの機嫌はある程度直っていた。



「まず、この世界は【ルキナ】…空にある海の膜は、【アムニスフィールド】っていうのさ」

「「「アムニスフィールド?」」」

「そう。ラディス教では、ラディス神によって授けられたもので…万能のエネルギー物質とも言われてるねぇ。ウェルテクス社ではこれをエネルギー利用できないかって考えているみたいだけど……正直な話、神様からの贈り物を不用意に突いたりしたらいけないと思うんだよ」


おばちゃんはコヨミが知らないことを気遣ってか、ウェルテクス社についても教えてくれた。

ウェルテクス社とは、“ウェルテクス一族”という者達が代々経営しており…世界各国にその技術を広めてきていた。

しかし、創業者一族は11年前の事故で幼い子供を含め死んでしまったそうだ。

それからというもの…ウェルテクス社は宰相のシラスが実権を握り、その技術も帝国内でしか供給されなくなっているそうだ。


「次に特務機関G。…何をやってるのか詳しくは分からないけど、あそこにいる赤いフードの人…帝国審問官のユディーヌ様が指揮を取る特殊部隊さ」

「…なんだか、不気味な感じ」

「その横にいるのは、帝国最強の精鋭部隊・ミッドノクスのリーダーであるヴィルギニア。帝国軍元帥だね」

「うわぁ、おっかない感じの人だなぁ…」

「あ…それとついでに、シラスの横にいるのはギリオン…11年前から宰相の補佐をしているって聞くけど、何をしているのかは特務機関G以上に分からないねぇ」


簡潔な説明を受け、晴人達はふーんと相槌を打つ。

その一方で、コヨミはなにやら不穏なものを…この教会に入った瞬間から、感じている。

しかし…

この世界にいるはずのないファントムの気配や、それとは違う別の何かの気配も入り混じり、彼女でも特定はできないようだ。

コヨミの表情に気付いた晴人は「大丈夫か」と声を掛けるが、ちょうどイシュトヴァーンからラディス教徒に対する言葉を告げていた。




「我々は…!!ラディスの神から与えられたアムニスフィールドがあるからこそ、今日の生活を維持できている」


「しかし近頃、他国の異教徒達がアムニスフィールドの研究に乗り出している。アムニスフィールドはラディス教の我々のみ、研究を許されているのだ」


「それを、異教徒達が勝手に研究を始めた事でアムニスフィールドは汚されつつある」


「ラディス教徒ではない彼らが教徒になる事を拒否し、さらに研究をやめない場合…我々は軍事力を持ってでも、アムニスフィールドの汚す行為を阻止しなければならない!!」


「これは、ラディスの神が我々に与えてくださった、アムニスフィールドを守るための戦いなのだ!」


「戦いになれば…沢山の犠牲が出るだろう。しかし、我々はそれに屈してはならない!」


「世界の人々が皆、ラディス教徒となれば自然と争いもなくなり、アムニスフィールドを汚す物もいなくなる」


「私は、ラディス教による世界統一を目指し、ラディス教の予言を実現する事をここに宣言する!予言が実行されれば、神の国への扉は開かれる」


「――――皆の望む平和が、この世に訪れる事を約束しよう」



教皇からの言葉を賜った信者達は、盛大な拍手を送る。

中には、「皇帝猊下(げいか)万歳」という声を出すものまで…

凛子達には、信者の熱狂振りは分からない。だが、ここまで信頼されているということは、凄い皇帝なのだろう。

そして、次に教壇に立ったのは…

先程おばちゃんの説明に出てきた、宰相シラスだった。


「ウェルテクス社が国営化してから11年が経ちました。ウェルテクス一族の国葬の際、その技術が必ず陛下のお役に立つようにと、私は研究を続ける事を誓いました」

「「「…」」」

「今こそ!陛下が目指すラディス教の予言実現の為にウェルテクス社の技術を役立てる時なのです」

「そうだ、そうだー!」

「ラディスの予言を実現させてくれー!」

「それが、事故で亡くなったウェルテクス一族の願いでもあるだろうと、私は思うのです」


わああ、とシラスの言葉に拍手が鳴り渡る。

しかし…イシュトヴァーンやシラスの言葉には、晴人も疑問を感じていた。

イシュトヴァーンの宣言は、平たく言えばラディス教を広めるため“だけ”に戦争を起こそうとしている。

それにシラスの言葉は、その戦争にウェルテクス社の技術を使うということ…

果たしてそれは、本当に死んだ一族が願っていることなのだろうか?

そもそも、戦争を起こしてまで辿り着きたい…『ラディス神の予言の実現』とは何なのだろうか?

そう疑問に思っていると、突然席を立ち上がったピンクの髪に海のような綺麗な蒼の瞳を持った少女が、大声を張り上げて叫んでいた。




「――嘘だッ!あんた達がその…ウェルテクス一族を、私の家族を殺したくせに!!」




少女の言葉に、その場にいた全員の視線が…少女に集まる。

隣に座っていた栗色の髪の少年は、「ミカちょっと落ち着いて」と彼女を止めようとするが…次の瞬間、右ストレートのパンチを浴びせられる。

しかし、ラディス教を崇拝する信者達や皇帝に従う騎士達の居る中で、皇帝が人殺しだと叫べばどんなことになるか…

当然周囲は騒然となり、その発言をした少女を非難し、更には不敬罪を訴える。


「でたらめを言うな!」

「不敬、不敬だ!」

「貴様…異教徒だな!?」

「ミカッ、やばいよ!早く逃げよう!!」

「離してよユーテキ!……11年前、あんた達は事故に見せかけて…お父さんやお母さん、お爺ちゃん…それにお兄ちゃんを!!」


尚も訴え続けようとするミカの腕を引っ張りながら、ユーテキと呼ばれた少年は大聖堂から抜け出そうとしていた。

それを見た晴人は、ミカの言葉に何かを感じたのか、その後を追うように立ち上がる。

後にはコヨミや凛子、瞬平が続き…彼らと話していたおばちゃんも、「あんた達何処に行くんだい」と叫ぶが、その頃には既に晴人達はいなくなった後。

聖海騎士団のリーダーでもあるバーガーも、何人かの騎士を率いて追いかけ始め…

ギリオンも近くに控えていたミッドノクスのメンバーの一人に目で指示を出し、その者は小さく頷くと誰にも気付かれないよう動き始めていた。


「……まったく!君ってば、何処まで無鉄砲なのさ!?」

「だって…しょうがないじゃない!あいつらは…お父さん達の思いを踏み躙ったんだよ、許せるはず……ないじゃない…!!」

「それは確かに、僕だって同じ立場だったら分からなくはないけど……うわあっ!?」

「ユーテキ!」



大聖堂から逃げ出したミカとユーテキであったが、ユーテキが地面から伸びた手に捕まり、転倒してしまう。

何なの、と叫ぶミカであったが、そうしている間に聖海騎士団が追いつく。

隊長であるバーガーは剣の柄に手を掛けながら、部下の話を聞いていた。


「バーガー隊長。…恐らくあの二人、昨夜、ウェルテクス社に侵入した者達かという情報が…」

「成程、猊下の言葉を汚しただけでなく、侵入事件にまで関わっていたとは。懺悔の時間ですよ」

「くうっ…!」

「まずいよ、聖海騎士団を相手に戦うなんて、いくらなんでも…!っていうか、この手は何なんだよ!?」

『お呼びになりましたか〜?』


暢気な声を上げながら、地中から出てくるのは…ノーム。

以前晴人達が倒したものと姿は一緒だが、それとは違う別個体のようだ。

見たこともない化け物が飛び出したのを見て、聖海騎士団の者達は「魔物が街に!?」と大騒ぎし、ユーテキは女の子のような叫び声を挙げてしまうが…

ノームは見た目にそぐわない素早い動きでミカを捕まえると、片手で彼女を軽く持ち上げる。


「うぐっ…!?」

「ミカ!」

『さあて、あなたの絶望はどんな味でしょうか〜?』

「何なの、こいつっ…今まで戦ってきた魔物より、強い…!」

『ファントムとそこいらの雑魚を、一緒にしてはいけませんよ〜。それにファントムといっても、幽霊みたいな形をした奴らじゃないですからね〜?』



だが…

そんなノームの腕を狙って、銀の銃弾が放たれる。

攻撃をまともに食らったノームはミカを手放し、その場にいた全員が一斉に攻撃の方向を見る。

そこにいたのは、ウィザーソードガンを構える晴人。


「まったく、異世界にもファントムがいるとは思わなかったぜ。そのうえ、前に見たことのある奴と同じとは」

「あなたは…?」

「じゅ、銃使いって…僕のアイデンティティがなくなるじゃないか…!いやっ、僕は二丁拳銃だから…まだ望みはある!!……かもしれない…」

『銀の銃弾…まさか、お前が指輪の魔法使い!?』

「世界を超えても有名とは、有名人は辛いねぇ」


晴人は右手の指輪をかざし、ウィザードライバーを出現させる。

更に、そのまま左手の赤い指輪のバイザーを下ろし、静かにこう言い放つ。

…でもいくら晴人が静かでも、ベルトは煩い。自重しないぐらい煩い。



<ドライバーオン、プリーズ>

<シャバドゥビタッチヘンシーン、シャバドゥビタッチヘンシーン♪>

「…変身!」

<フレイム、プリーズ ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!>


晴人の左側から魔方陣が現れ、それはゆっくりと晴人に向かっていく。

そして、彼の肉体が完全に魔方陣を通過したと同時に…

さっきまでの姿とは一転、赤く輝く宝石のボディ・黒のマント付きの衣装。

――仮面ライダーウィザード・フレイムスタイル

まるで、魔法のように姿が変わった彼を見て、聖海騎士団やミカ・ユーテキは呆然としていた。

ウィザードFSは軽くその場で一回転しながら、ファントムを手で指し、言い放つ。


「さあ、ショータイムだ」






***




テイルズ×ウィザード。

タイトル名は【仮面ライダー×テイルズ Wizard of Breaker】。

英語の意味なんて特に考えちゃいません。

それを言ったら、【仮面ライダーディケイド スマブラの世界】なんてド直球じゃないですかw


クロス作品は【テイルズオブブレイカー】。

たぶん、知っている人は少ないこと確実のモバイルアプリゲーです。

しかも…その後のコモンズ・ヴァールハイトは発展型であるせいか、スキットやら2周目ダンジョンがあるというね…!

でもいいです。

ブレイカーは安定のいのまたむつみさんですから…!←

何でブレイカーにしたかと言いますと、

・ずっと前からディケイドとコラボしたかった(タイトル名が『破壊』なので)けど、なかなかできずこの機会にやりたかった

・魔法使いがいる(しかもお供の小動物つき)

・過去にブレイカーの小説を書こうとしていたため、途中までなら携帯本編の話を追える(でも基本はクロスなので、完全にブレイカー側の話にならないよう文字通りぶっ壊しますが)

・テイルズには四大元素(火、風、水、土)がある。ちなみにアプリゲーはこれに+光と闇。

・↑本編でノームが出てきてくれたので、セルシウスやウンディーネといった敵ファントムのモチーフに困らない上、ブレイカーでは精霊の概念がない

・主人公が(※以降、ネタばれ)



それに、キーワードとして割とよく出てくるのが…

ラディス教・シンボルストーンもそうですが、なんといっても「紅(あか)」と「蒼(あお)」。

ウィザードリングにもフレイム・ウォーターがありますし、味方キャラの中にそういうオッドアイの人も出てきますし、とにかく色んな場所で紅や蒼は出てきます。

今回は語りませんでしたが、ラディスの予言にもそういう感じの内容がありますしね。

で、冒頭のワイズマンサイドは…

これ以降出てこない可能性が極めて高いので、説明のほうに徹してもらいました。

とりあえずメデューサさん落ち着いてw

輪島のおっちゃんの作ったリングと、晴人の実験根性のせいで…

まるで光写真館のごとく移動する、面影堂w

しかも…輪島のおっちゃん、この時点じゃまだ状況分かってないんだぜ…?

チチンプイこと瞬平は……ドンマイw


おばちゃんw

都合のいいことに、凄い説明してくれてるよww

そしてコヨミの記憶喪失設定に感謝。

皇帝の演説、長いですけど…これ公式なんです。公式の長さなんです。

漫画だと色々端折ってる(というか、むしろこれより長い可能性も…?)どころか、ラディスの予言に関して語ってくれてますけどね。

まあ、予言に関しては追々。

そしてサラッと地の文に「ベルトは煩い」とか言われるウィザードライバーw

ここはライ街じゃないんだぞww




ウィザードのバトルに関しては、次回に続けられたら続くって感じです。

続けばの話ですが!(ぁ