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タイトル未設定 - 1話:指輪の魔法使い

📚 目次

1話:指輪の魔法使い

Episode1 魔法使いとファントム
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この世界は、時間の止まっていた世界だった。

世界全体の時が停止し、太陽も昇ることのない、色が失われた世界だった。

しかし、“こうなる前の過去の世界”に向かい、世界全体の時間が停止してしまう未来を防ぐことによって、時は止まることなく変わらぬ刻みを続けていた…

過去を変えることによって、未来の世界に住まうもの達も…改変された世界と共に消えてしまう宿命だったのだが、『何者か』の力が働き消滅を免れていたのだ。


そうして平和になった、かつての暗黒の未来世界は…3年もの歳月を経ていた。




ポケモン達の住まう集落、【ポケモンタウン】。

力のあるポケモン達が土地を切り開き、旅館や道具屋のような、旅をするもの…生活をするもののために必須の施設が立ち並ぶ場所だ。

その中の一つでもある、“探検隊立ち寄り所”…

立ち寄り所にある二つの看板には、大量に張られた依頼の手紙があった。


「おーっ、掲示板に新しい依頼が届いてるぞ!」

「へへっ。俺達はお尋ね者のほうを見てくるか」


過去の世界にあった“探検隊制度”はヨノワールによって広められ、ポケモン達の生活の糧の一部となっていた。

探検隊…

それは、不思議なダンジョンと呼ばれる場所を探索し、金銀財宝を求めたり…時には迷子になってしまったものの救助・人騒がせなお尋ね者を捕まえる仕事をする者達のことだ。

過去の世界と違うのは、この世界の探検隊制度には、依頼の掲示板や探検隊を希望するもののための受付は存在していても…ギルドというものは存在しない。

大きな理由としては、探検隊制度は発足したばかりで実力のある探検隊が育っておらず、依頼をこなすうちに実力をつけてきた者達によって少しずつ作られていけばいい…というヨノワールの案によるものだ。


「はいはーい。最新の依頼、スバッと届けに来たよー!」


翼で『ちーっす』的なポーズをしながら言うのは、依頼の手紙を随時配達している【スピード・デリバリー】のオオスバメ。

彼は持ってきた依頼の手紙を掲示板に素早く張り、立ち寄り所を後にしていた…

それを見ていた探検隊達は、相変わらずの速さに呆然としつつも、掲示板に群がる。


「お、今日はかなり依頼が多いな」

「どれどれ…なんだ、EやDばっかりじゃねぇか」

「ぼ…僕達みたいな新人探検隊には、助かりますけどね…」



一方で受付のほうでは、受付嬢でもあるメガニウムから探検隊セットを受け取っている、一匹のポケモンがいた。


「はい、どうぞ。これであなたも探検隊よ」

「あ、ありがとうございます!」

「でも…大丈夫?女の子にはちょっと厳しいと思うんだけど…せめてあと一匹いたほうが、いいんじゃないかしら」

「だ…大丈夫です!私、頑張りますから!!」


そういって張り切っているのは、♀のピカチュウ。

そうお?と首を傾げながらも、メガニウムは笑顔でピカチュウを送り出していた。

受付から少し離れた場所で救助隊セットの中身を開け、まるで卵に翼が生えたようなデザインのバッジを取り出しながら、ピカチュウは目を輝かせていた。


「私、探検隊になれたんだ…!よおし、これからたくさん頑張ってたくさん依頼をこなして…自分のギルドを作るぞー!!」


感極まっているのか、大声で宣言するピカチュウ。

そんな彼女のほうに、なんだなんだと視線が集まり、ピカチュウは顔を赤くして後ろ歩きで素早く後退していた。

しかし…

彼女の「自分のギルドを作る」と言う言葉に反応して、ドクケイル・アーボ・ドガースで構成された探検隊【ドクドーク】がやって来て彼女に絡んでいた。



「よぉ、お前さっき、『自分だけのギルドを作る』って言ってたな?」

「やめとけ、やめとけ。お前みたいな弱そうな奴に、ギルドを作ってその長になるどころか…探検隊なんて無理だからさぁ」

「それよりも…俺達といいことしねえか〜?ちゃんと、ポケ(=この世界で言うお金のこと)は払ってやるからよぉ」

「ううっ、そんなことないもの!それに、弱そうだからって馬鹿にしてると…痛い目見るんだからっ!!」


ピカチュウはそう言うと、自分に触ろうとしていたドガースに電気ショックを放つ。

油断していたのかドガースはそれをまともに食らい、びりびりと痺れている。

だが、それを『自分達への攻撃』と見なしたドクケイルとアーボは、ピカチュウを左右から取り囲む。

他の探検隊達はそれを遠巻きに見ているのみで、誰も助けようとはしない。

【ドクドーク】は毒の専門家である上に気性は荒く、態度も難あり…よくもまぁこんな奴らが探検隊になれたと思うぐらい。


「おいお嬢ちゃん…俺達が誰か、分かっててやってんのか?」

「俺たちゃ、泣く子も黙る【ドクドーク】だぜ?」

「う、ううっ!」

「くっそ…こいつ、もうただじゃ済まさねぇ!俺様自慢の毒で、ゆっくり甚振ってやる!!」


更にはドガースもピカチュウを追い詰め、後退するピカチュウの背には壁が。

――逃げられない

――どうしよう、神様仏様…じゃなくてもいいから、誰か助けて!

とピカチュウが神に祈っていた、その時だった。




『おおっと、そいつを絶望させるのは…俺の仕事だ』



そう言って現れたのは、…見たことも無い…明らかにポケモンとは言えない別の何か。

巨大な角を持つその姿は、ミノタウロスファントム。

ピカチュウが“?”マークを頭に浮かべていると、ミノタウロスは種のような欠片を撒き散らし、劣兵グールを呼び出す。

それを見た他の探検隊達はパニックに陥り、【ドクドーク】の三匹も流石に未知の敵相手には逃げることしかできず、その場にいた全員がピカチュウを置いて逃げていた。


「ば…化け物!?」

「何だアレ、見たことねぇよ!」

「きゃー!お助けー!!」

「「「うわああああああああ!?」」」

「あ、あうう…」

『さあて…どうやってお前を絶望に叩き落してやろうか、ククク』


ピカチュウは見慣れない生物を見てすっかり腰を抜かし、動くことができない。

ミノタウロスにとっては、格好の得物だったかゆっくりピカチュウに詰め寄り、襲いかかろうとする。

…殺される!

ピカチュウは死を覚悟した。だが、ミノタウロスはピカチュウをすぐに殺すわけでもなく、何故か彼女の持っていた鞄を蹴り飛ばす。

その際、鞄の中から探検隊セットだけでなく写真のようなものを見つけ、拾い上げようとしていた。


『何だ、この写真は?』

「あ…!待って、それはやめて!!」

『成程。これをお前の目の前で破いて、絶望させるのもアリか』


ミノタウロスはそう言いながら、写真を拾い上げ、破り捨てようとしていた…





―――しかし、ミノタウロスはそうすることができないまま、背後から銃弾をまともに食らっていた。


『…があっ!?』

「え…?」

「成程、今回のお前達の狙いは…そのピカチュウということか」


そう言いながら、銃と剣が一体となった“ウィザーソードガン”を持っていたのは…ジュプトル。

ミノタウロスは突然のことに動揺しながらも、グールにジュプトルを襲わせる。

「危ない」とピカチュウは叫ぶが、彼は素早い動きでグールの攻撃を掻い潜ると、ベルトを素早く腰に巻くと特殊な音声と共に変身を開始する。

その際には、左手につけた緑の宝石の指輪をベルトのバックル部分にある手のようなものにかざし…頭上には緑色の魔方陣が現れていた。


<シャバドゥビタッチヘンシーン、シャバドゥビタッチヘンシーン♪>

『その指輪…まさか貴様、……指輪の魔法使い!?』

「…変身!」

<ハリケーン、プリーズ フー、フー、フーフーフー!>


ジュプトルは頭上の魔方陣を突っ切るかのように跳躍すると、次の瞬間には、その姿はまったく別の姿になる。

黒のコートに身を包み、顔は左手の指輪と同じ顔が存在し、胸には緑の宝石のようなボディが煌く…

指輪の魔法使いこと…仮面ライダーウィザード・ハリケーンスタイル。

ウィザードHSはウィザーソードガンを逆手持ちにすると、その場で一回転しながら群がるグールを一閃する。

更に、高い機動能力を生かし、ミノタウロスに空中からの飛び蹴りを放っていた。


「…おおおッ!」

『ぐううっ!?……まさか、こんな場所に指輪の魔法使いがいるとは…!』

「お前達ファントムを一掃するためなら、どこにだって現れるつもりだ。……それが…俺の使命だからな!」

<ビッグ、プリーズ>



ウィザードHSは右手に魔法リングを填めると、ウィザードライバーに再びかざす。

すると目の前に魔方陣が再び現れ、ウィザードHSはその中に手を突き出すと…

魔方陣から巨大化した手が飛び出し、ミノタウロスを殴りつけていた。

巨大な手によって建物の壁ごと殴り飛ばされ、ミノタウロスはその衝撃で左の角がへし折られてしまう。

ウィザードHSはウィザーソードガンを構え、ドライバーのバックルと同じ手の部分に魔法リングをかざし止めを刺そうとする。

…今ここで死ぬわけには!

そう思ったミノタウロスはグール達を集め、姿を消す。


『ぐう…ここは退くか。お前達、俺が逃げる時間は稼げよ!』

『『『ガギギ…』』』

「――逃がすかッ!」

<キャモナスラッシュシェイクハンズ、キャモナスラッシュシェイクハンズ!>

<ハリケーン、スラッシュストライク フーフーフー!フーフーフー!!>


ウィザードHSはウィザーソードガンを高速で振るい、風の刃がグール達を一気に切り裂いていく。

最大の攻撃をまともに食らったグール達は爆散し、後には何も残っていない。

ウィザードHSは周囲を見渡すが、ミノタウロスは既に取り逃がした後…

それどころか、ピカチュウまでもがいつの間にか姿を消していたのだ。

「しまった」と声を上げるウィザードHSだが、騒ぎの声が大きくなってきたせいか、素早く立ち寄り所を後にしていた。


「くそっ、ファントムどころか…“ゲート”までいなくなったか!……しかし、一体どこに…」

「――おい、何の騒ぎだ?」

「――化け物が出たって聞いたぞ?」

「――はあ?何だよそれ」

「…まずい、人が集まってきたか。……仕方が無い」

<スモール、プリーズ>


ウィザードHSは“スモール”の指輪を使うと、見る見るうちにその体はポケモンの中でも一番小さいといわれる…ディグダよりも小さくなってしまう。

更に、その状態で風の力を使い、空を飛んで立ち寄り所から逃げ出していた。




…そして…

ウィザードHSが完全にいなくなった後、ピカチュウは受付席から顔を出し、ほっと一息ついていた。


「はあ…なんか知らないけど、助かった〜…。……でも、さっきの怪物は一体何なの?それに、あのジュプトルも突然……煩くて変なベルトのせいで、おかしな姿になっちゃうし…」


ピカチュウはそんなことを思いながらも、先程奪い取られたはずの写真を見ていた。

…実はさっきのウィザードHSとミノタウロスの交戦の最中、ミノタウロスの手から写真が離れ…ピカチュウはそれをこっそり回収して逃げていたのだ。

そうしていると、ポケモンタウンの治安を守るべく結成された保安官チームが到着。

メタグロス保安官を中心に、補佐でもあるダンバル3匹も集まり、ピカチュウに話を聞いていた。


「君、大丈夫か!」

「ナニカアッタノデスカ!」

「サッサトオシエヤガレデス!」

「えっ、ええっ…と…っていうか、なんか乱暴な言葉遣いのダンバルいなかった!?」

「ソコハオキニナサラズ。ソレデ…サッキノサワギハイッタイ?」

「あ、あの…それが…。言っても、信じてもらえるか分からないけど……」


ピカチュウはさっきまであったことを、メタグロス保安官達に正直に話していた。

しかし…

見たことも無い怪物が襲ってきただの、シャバドゥビ煩いベルトだの、そのベルトでジュプトルがこれまた見たことも無い姿に変身しただの……

そんな話をして、信じてくれというほうが無理だった。

きっとピカチュウが錯乱してまともな精神状態ではないのかもしれない、と思ったメタグロス保安官は、ハピナス診療所に連れて行くよう手配していたが…

「待ってください」と、一匹のミズゴロウが待ったをかけていた。



「か、彼女の言ってることは…本当なんです。僕もさっき、変な怪物が襲ってきたのを見たんです」

「君は?この辺りでは、見かけない顔だが」

「ミズゴロウです。あの、ここには…探検隊になるために来たんですが、どうしても勇気が出せなくて。それで…どうしようか迷っていたら、さっきの騒ぎが……」

「――私達も見たわ、変な怪物!」

「確かに…あんなポケモン、見たことも無いよな…」

「俺も依頼をこなして色んな場所に行ったけど、あんな奴見たこと無いよ…」


様子を見に戻ってきたメガニウムを中心に、その現場にいた探検隊の殆どがピカチュウとミズゴロウの話は間違いではないと説得する。

メタグロス保安官も、ううむと頭を悩ませるが…

最近この世界中で、おかしな事件が頻発しているという話は耳にしている。

――半年前の月食の日に、突如大量のポケモンが姿を消し…

――それから少し経ち、“ポケモンとも言えない怪物”が目撃され…

半信半疑ではあったものの、ここまで多くの目撃者が出ている以上、メタグロス保安官は否定し続けることもできなかった。


「…分かった。とりあえず、今日のところは家まで送ろう。場所はどこかあるのかな?」

「あ…いえ、実は私、すっごく遠くから来て…住んでいた場所も、ここに来るまでの費用のために売っちゃって」

「僕も、ここには一日ほどかけて来たんです。だから、その…」

「……ふむ…しょうがない。そういうことなら、今日のところは我々が【雪花屋】の部屋を手配しておこう。ゆっくり休んで、気を落ち着かせてほしい」


住む場所もない以上、ピカチュウとミズゴロウはメタグロス保安官の好意を素直に受け取っていた。

メタグロス保安官は、早速部下のダンバル一匹に旅館宿【雪花屋】の空き部屋が無いか手配するよう頼んでいた。






〜〜〜






旅館宿【雪花屋】。

ここは旅のポケモンの疲れを癒すために作られた宿で、ここに部屋を借りて暮らす探検隊もいる。

基本的に北棟は旅館・南棟は部屋を借りている探検隊達のためにあるようなもの。

しかし…探検隊とはいえ誰でも住めるわけではなく、ここの旅館の主が認めた者しか部屋を借りることはできない。

今回のピカチュウとミズゴロウは、メタグロス保安官が部屋の料金を払ってくれた特別な例で…しかし空き部屋は一つしかなかったことから、二人で寝泊りすることになっていた。

最初は同じ部屋に男女が寝泊りするなど、ピカチュウにとっては抵抗があったのだが…

ミズゴロウも探検隊になるためポケモンタウンに来たと知り、会話は自然と弾む。


「へぇ、それじゃあ君も?」

「うん。…私ね、実は前にある探検家の人に命を助けられて…その人みたいに誰かを助けられる、素敵な探険家になりたいって思ったの」

「…そう…」

「そして、いつかギルドを造って…その人のような立派な探検家を育てて生きたい。それが私の夢なの」

「へえ、凄く素敵な夢だね。だけど…一人で大丈夫なの?」

「…あー…うん、ちょっと不安な部分はあるかも。さっきみたいに、おかしな怪物に襲われたときが怖いし…」


あはは、と笑いながらピカチュウは下を向く。

…先程、【ドクドーク】やミノタウロスに襲われたとき、正直言ってピカチュウは怖かった。

“あの人”みたいな立派な探検隊になりたいのに、怖がってどうするの

そう自分を奮い立たせようとしても、やっぱり、怖いものは怖い。

それが、未知のものなら尚更だ。

写真を見ながら考え事をするピカチュウを見て、ミズゴロウは「ねえ」と提案を出してきた。



「だったらさ…僕と君で、探検隊を作らない?」

「私達で?」

「僕…実はまだ、探検隊キットを貰っていないから…君の探検隊の仲間として、登録してもらうこともできるんだ」

「だけど、ミズゴロウはそれでいいの?」

「うん。実は、僕も臆病で…探検隊になったらきっと度胸がつくんじゃないかって思ったんだ。それで、さっき襲われている君を見ても…何もできない自分が嫌になった。でも、だからこそ変わらなきゃいけないって思ったんだ!」


ミズゴロウの言葉に、ピカチュウは感動する。

理由は違えど、自分と同じ探検隊を志すもの同士。

それに…『弱い自分を変えたい』というミズゴロウの思いには、共感していたのだ。

ピカチュウはミズゴロウの手を取り、目を輝かせながら同じ探検隊のチームとして頑張ろうと励ましあっていた。


「うん…そうだよね、ミズゴロウ!私も、私もあなたと一緒なら…頑張れる気がする!!」

「ピカチュウ…!」

「明日から、一緒に頑張ろう!ミズゴロウ!!」

「ありがとう…僕、君と出会えてよかった!君となら、最高の探検隊になれる気がするよ!!」




一方で…

ポケモンタウンにある、【ヤミラミ宝石店】。

ここでは、ヤミラミというポケモンが…不思議のダンジョンから発掘された鉱石や宝石などを、アクセサリーや指輪にしてくれる。

その戸を叩いたのは、……先程のジュプトルだ。


「おい、ヤミラミ」

「ウイーッ、ジュプトルじゃないか。ちょうど今、新しい指輪ができたぞ」


そう言って、ヤミラミはジュプトルにある指輪を投げ渡す。

それを見たジュプトルは、暫く眺めた後それを懐に戻していた。

相変わらず考えも表情も読めない相手ではあったが、ヤミラミももはやすっかり慣れたのか、話をしていた。


「しかしお前も大変だなー。時の停止を食い止めたと思ったら、今度は【指輪の魔法使い】としてファンガイアとか言う敵と戦うなんて」

「…ファントムだ、ファンガイアだとまったく別の何かになるぞ。そんなことより、いい加減ハリケーン以外の変身リングも欲しいんだが、どうにかならないのか」

「ウイィー…そんなこと言ったって、魔力の強い宝石…所謂【魔宝石】じゃないとそういう指輪は作れないんだよ」

「……俺もファントム探しと平行して探してはいるが、…確かに見つけにくい。他の誰かが持っているなら、奪い取ったほうが早いんだが…」


気が逸るばかりのジュプトルの言葉に、ヤミラミはがっくり肩を落としていた。

ジュプトルは一見クールに見えて、かなりせっかちで少し抜けている部分がある。いや、どちらかと言えば『鈍感』と言うべきか…

しかし、無いものを強請ってもしょうがないと言うのは分かっているのか、ジュプトルはミノタウロスのほうに考えを向けていた。



「まあいい。――それよりも、目の前のファントムだ」

「ウイッ、もう見つけたのか?お前、このポケモンタウンには1ヶ月ぶりに帰ってきたんじゃないか」

「長いことやってると、何となくだが分かるものだ。……狙いは分かっているが、あの後あいつがどこに行ったのかが…」

「ピカチュウ?珍しいな、ピカチュウの生息する“イカズチ山”はここからかなり遠いのに」

「だからこそ、住処が分からなくて困っているんだ。…行きそうな場所さえ分かれば、何とかなるんだが」


そう呟きながら、ジュプトルはふと、戦っていた時のことを思い出す。

ピカチュウが襲われたのは、“探検隊立ち寄り所”…

そして、彼女の近くには探検隊に渡される探検隊バッジ…

――そのことからジュプトルは、ピカチュウは探検隊になったのだと言う考えに至る。

しかしあの怯えようから言って、まだペーペーの新人なのだろう。

更に遠路はるばるやって来たことも考えると……住処にしそうな場所は限られる。


「とりあえず、探すしかないか」

「ウイッ!?あ、ちょ、ジュプトル…もう日が落ちてるぞ!」

「心配するな、夜道を探すぐらい慣れている」

「いやそうじゃなくて、簡単にファントムが見つかるはずもないし、ゲートにしても日が落ちて出かけるような奴なんて…遠方に向かって帰ってきた探検隊ぐらいだ………って人の話を聞いていないしイィィィィーッ!?」


ヤミラミがジュプトルを説得しようとするも、…そのジュプトルは既に音もなく消えた後。

……あぁ、やっぱり月日が経ってもあいつは苦手だ!

そんなことを思いながらも、ヤミラミは深い溜息をつき…店の奥に戻っていった。






***




ポケダン×ウィザード1話目。

とりあえず…タイトル名についてですね。

【仮面ライダー×ポケダン 希望と魔法の探検隊】…

結構無難なタイトルですw


今回の舞台は、【ポケモン不思議なダンジョン 空の探検隊】。

基本的には、サイドストーリーその5“暗黒の未来で”の後…ということになっています。

主人公は皆の兄貴・ジュプトルさん。

なんとなーく、ですが、新キャラ立ててそいつをウィザードにするよりは、ジュプトルをそのまま使ったほうがいい気がしたので。

それに日の光も無い、時間は止まったまま、大地は荒れ果てそこにある色と言えば白・黒・灰…

そんな世界で絶望することなく、闇のディアルガに屈することなく、更には過去を変えれば未来ごと自分も消滅する覚悟で過去を変えようとしたジュプ兄貴にはちょうどいいと思います。

本家主人公?

…でも良かったんですけどねー…

元人間で未来からやってきて、時の回廊を渡る途中で事故にあってポケモンになり…そういう凄い超人にこれ以上超人さを+するわけには行きませんでしたw

それにジュプトルは、タマゴグループが「ドラゴン」でもありますので、本当に…ちょうど良かったんです……



スバッと参上オオスバメw

【スピード・デリバリー】は…過去の世界で言う、ダグトリオお父さんの掲示板更新みたいなお仕事。

ちなみに、「そうお?」とか「よおし」とかありますけど、そこら辺は原作基準で。

ドクドーク…

何という雑魚臭w

まあ実際、エスパータイプ出されたら終わりの雑魚ですが。


ちなみにジュプ兄貴…

現在持っているリングは、これです↓

・ハリケーン

・スモール

・ビッグ

・キックストライク

・エクステンド

・スリープ

・コネクト

・コピー

・ドラゴンライズ

ドライバーオンは…そもそも人間と違ってあのバックルがつけっぱなしとかありえないですので、ウィザード来バーがシス・コムセ風の装着式になっているせいで存在しません。

スタイルチェンジ用リングがハリケーンしかないのも、多分初期でフレイム・ランド・ウォーターが無かったからなんでしょうね。

まあ、晴人と違いジュプトルのメインカラーといえば緑ですので(一応青以外は使ってますけど!赤もありますけど!!)ハリケーンに。

…それに、草タイプが火の魔法使いっていうのも…ねw




次回…

まあ、うん。そういうことだよ、うん←