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タイトル未設定 - 14話:追われるアイドル

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14話:追われるアイドル

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『ドックン、ドックンこの鼓動止まらないよ あなたの後姿、見てるだけで』


『ぎゅっと、ぎゅっと抱きしめてよ私ごと そっけなくするぐらいならいっそ、冷たく突き放して』




ラジオの奥から聞こえてくる歌声。

最近、人気急上昇中の歌手…【ピクシー・ノート】だ。

最初の頃は無名の歌手だったのが、ここ最近になって知名度を上げ、一躍人気スターになるほど。

今日は朝からピクシー・ノートがラジオに出ると言う話で、珍しくあのピカチュウが起きている。

「天変地異でも起こるのか」とジュプトルが思っていると、ピカチュウははぁぁ…と深い溜息をつきながら話していた。


「すっっっごくいいよね、ピクシー・ノート…もう私のハートがキュンキュンしちゃってるよぉ…」

「お前の中の人はいつから生天目さんになったんだ。それより、」

「それより?」

「……ピクシー・ノートって…何なんだ?」

「――えーっ、ジュプトル知らないのーッ!?現代に生きる若者としてそれはどうなの!!?」


ピクシー・ノートを知らないとはっきり言ってのけたジュプトルに、ピカチュウは驚愕。

すると…

彼女のファンらしき他の探検隊が部屋に押しかけ、ピクシー・ノートの良さを全力でジュプトルに語っていた。

正直、逃げ出したくなるぐらいの数で。……しかもニドキングとかガバイトといった強面も混じってるし。



「「「ピクシーちゃんを知らないだってぇぇぇ!?」」」

「どわっ!?お前らいつからそこに…っていうか多ッ!!?」

「いいか、ピクシー・ノートは…疲れた俺達の心を癒す、天使の歌声!まさしくエンジェル!!」

「ああ…あの清純そうな笑顔を見ているだけで、胸の鼓動が〜…」

「おっ、おい!ガバイト!!…駄目だ気絶してる」

「でも、分かる気もするよ〜。女の子も、ピクシー・ノートのファンは多いんだから」

「だよねー。清純派で癒しの歌が得意そうに見えて、時々出る小悪魔的ソングもまた……しーびーれーるー!!」

「そうだよね、そうだよねっ!……ああ、私も一目でいいから、ピクシー・ノートを見たいなぁ…」


更にはミミロルやパチリスといった、女の子の探検隊達も集まり…

ピカチュウも彼女達に同意する形で、また溜息を漏らしていた。

普段音楽を聴かないジュプトルは、何のことやらさっぱりで首を傾げることしかできなかったが

…そんな彼の両脇を、オコリザルやヘラクロスといった力自慢が持ち上げ、ピクシー・ノートを布教すべく彼女のCDを多く所持しているというカクレオンの家まで直行していた。


「おい、お前ら…何をしているんだ?」

「何をしている?」

「そんなの、決まってるさっ☆」

「「「――お前にピクシーちゃんの良さを布教してやるんだあああああああああああ!」」」

「えっ、ちょ、待…ピカt……駄目だ今日こいつ絶対頼れない!――ヘイガニ、館長、…コータスゥゥゥー!!?」




ドタドタと相変わらず騒がしい、雪花屋。

…あいつら、旅館のほうに仮住まいしていること忘れてんじゃないだろうな…

オニゴーリがそんなことを考えながら溜息をついていると、ヘイガニが牛乳を飲みつつ、彼に尋ねる。


「でも、館長ってあんまアイドルとかそういう浮ついたの好きじゃないよな。年齢とか関係なく」

「年齢って…俺まだ25だぞ。まあ、興味ないのも事実だし、それに」

「それに?」

「……歌ならコータスのほうが上手い」


あぁさいでっか、とヘイガニは目を細めながら牛乳を茶を啜るようにして飲んでいる。

しかし、ヘイガニも一度コータスの歌を聴いたことはあったが…

彼女の歌は心から引き付けられるようで、アレならあの館長が太鼓判を押しても当然だと、ヘイガニは考えていた。

一方で、照れくさそうにお茶菓子を持ってきながら、コータスが言う。


「……そんなことありませんよ。私の歌なんて、本職の方に比べれば全然」

「でも、上手いのは事実じゃん。俺なんて、どうしても音が外れがちになるからさー」

「例えば、どんな風に?」

「…。……はっきりさせーる、白っとー黒、つーみーとばっつー♪」

「うわホントだ」

「館長が言うのかよ!?」



どハッキリと意見を出すオニゴーリに、ヘイガニはかなりのダメージ。

むしろ、外れがちと言うレベルではなかった。元の音より半音近く高かった。

まあ…ヘイガニよりももっと酷い音痴は、――『オ』で始まり『チ』で終わるマイペースな茶色がいるのだが……

そういう館長はどうなんだよ、とヘイガニが文句を垂れるが


「俺は歌うの専門じゃない。――聴くの専門だ」


…という、意味の分からない自信に満ち溢れた発言をする始末。

「そういえば館長の歌って聴いたことねぇ」と思いながらも、この鬼館長がそう簡単に歌うはずもなく。

とりあえず、今日はあの調子だとピカチュウもジュプトルも探検隊どころではないだろう。

そう思ったヘイガニは、大工の仕事もなかったことから、今日はここでのんびりしようと思っていた。

その際、次に流れてきたラジオの歌に、「あー」と声を漏らす。


『私はワガママロンリー☆ガール、自分の道を突き進む…』

「あ、これって、【PURIN-ces】の新曲じゃね?」

「それもアイドルの一種なのか?」

「一種っつーか、アイドルだよ館長…。前まではトップアイドルといっても過言じゃなかったけど、ピクシー・ノートが急激に知名度を上げてきて、今じゃナンバー2ってところかな」

「アイドルってどれも似たようなもんだろ…心底どうでもいいわ…」

「あんたどんだけコータス押しなんすか館長。まあそれはともかく、ピクシー・ノートみたいに人を引き付ける魅力っつーか、歌唱力っつーか…そういうのがないからさ。引退するって噂も聞くし」




アイドルに一切興味のないオニゴーリと、そんな彼に呆れるヘイガニ。

一方で…

コータスは“あるもの”に何かしらの違和感を覚え始めていた。


(さっきの歌声…何か、嫌なものを感じるような……)





その頃…

廃墟では、フェニックスが次のゲートを絶望させるべく張り切っていた。

しかし、それを諌めたのはメデューサだ。

そして彼女の話では、今回のゲートは……


『はぁ?ベルゼバブに任せるだぁ!?』

『正確には、ベルゼバブの指揮で動くことになる…エキドナに任せる。それがワイズマンの意思よ』

『っつてもよぉ…何だってあのベルゼバブの指示出しが出るんだ。それこそ、あいつが行けばいいじゃねーか』

『エキドナの力を存分に生かしつつ、ゲートを絶望させられるのは自分だと……ワイズマンに自分から言ったらしいのよ。まあ、彼にも何か策があるみたいだし…ゲートを増やせれば私はそれでいいわ』


チッ、とフェニックスが盛大な舌打ちをする。

そうしていると、紫のカーテンの奥からワイズマンが現れ…

彼はふっと笑いながら、フェニックスとメデューサに話していた。


『何、いい余興にはなるだろう』

『『ワイズマン』』

『ただ、――今回の件に関してはセイレーンが一番なのだが…奴は半年前のあの儀式から、姿を消していた。今頃何処にいるのか』

『セイレーン?』



聞き慣れないファントムの名前に、フェニックスは首を傾げる。

だが…

メデューサは腕組みをしながら、ワイズマンに尋ねる。


『耳にしたことはあります。……その歌声でゲートを強制的に絶望させられるという、噂の』

『ああ、そうだ』

『…それほどの力を持ったファントムがいるならば、ファントムを一気に増やすことも可能なのでは?』

『先程も言ったように、奴は半年前のあの儀式の日から姿を消している。“奴”に消されたか、或いは…とにかくいない者に縋っても仕方がないだろう。我々の手で、儀式を…サバトを開くのだ』






〜〜〜






――ジュプトルは逃走していた。




カクレオンの家でピクシー・ノートの歌をヘビーローテーションで聴かされ、もはや頭痛しかしない。

そして、彼やピカチュウを含めたファン達が目を放した隙に、開いていた窓から逃げ出し…

今、必死で自分を匿ってくれそうな場所を探していた。


「誰でもいい、俺を悪夢から救ってくれ…っていうか今日自体が夢であってくれー!!」

「…きゃーっ!」

「きゃーって俺が叫びたいんだが俺が……ん?」


ジュプトルが叫び声の方向を向くと、そこにいたのはサングラスをかけたピクシーがグールに囲まれている姿。

更にそのグールを使って彼女を追い詰めていたのは、“ベルゼバブ”と呼ばれるファントム…

――まさか、こんなに堂々とゲートを狙うファントムがいたとは

ジュプトルはそう思いながらベルトと指輪を取り出し、変身を行う。


「…変身!」

<フレイム、プリーズ ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!>

<コネクト、プリーズ>

「……はっ!」



コネクトで取り出したウィザーソードガンの銃弾で、ピクシーの近くにいた3体のグールを打ち貫く。

更にウィザード・フレイムスタイルは“コピー”でウィザーソードガンを2つに増やすと、華麗な動きでグール達を切り払っていく。

…正直ジュプトルは、あまり数の差がない場合は2本の剣で戦うスタイルのほうが、種族的にも合っている。

リーフブレードをする時に、大抵の場合は両腕についた葉で切り裂くからだろうか。


『『『ギャアアッ!?』』』

「…白昼堂々現れるとはな」

『ほう、指輪の魔法使いか…私の名はベルゼバブ。以後、お見知りおきを』

「礼儀正しいことは結構だが、これからやられるのに随分と暢気じゃないか?」

『今日の所は、君への顔見せも兼ねて来たまでだからな。……それでは、御機嫌よう』


ベルゼバブはそう言うと、追加の種をばら撒き、グールが合計12体となる。

その間に彼はその場から消え、グール達はウィザードFSのほうに群がっていく。

面倒だな、と思いつつも、ウィザードFSは一気に殲滅するべく“ビッグ”の指輪を取り出す。

そして、ビッグの魔法を発動させた瞬間

…魔方陣に通した腕が巨大化し、一気にグール達を薙ぎ払っていた。

そんなファントムとの戦いの様子を、写真に収める者…

――バンギラスだ。


「随分と派手にやったな、あの魔法使い。……しかし、あのピクシー…まさか」




その時、バンギラスは慌ててやってくるフーディンの存在に気付き、そちらにカメラを向ける。

ジュプトルも変身を解除し、ピクシーも怯えた様子でフーディンに声を掛けていた。

どうやら腰を抜かしてしまって立てないらしく、近くにいたジュプトルが立たせてやる。


「ピクシー!大丈夫か」

「フーディンさん…じ、実は、変な化け物に…襲われて。それを……この方が、助けてくれて」

「どうもすまない。……あぁ、申し遅れた…私はフーディン。【ポケモン・プロデュース・カンパニー】に勤めている」

「ポケモン…何だって?」

「ポケモン・プロデュース・カンパニー…通称PPC。まあ、簡単に説明すれば…よりよい若手の育成に力を注いでいる」


PPC、と聞いてあまりよく分かってない様子のジュプトル。

そもそもPPCは、3ヶ月前に設立された会社。

太陽が戻ってから3年間、探検隊だけでなく、様々な分野で働くポケモンの数が出てきた…

しかし、人材の育成が伴っていなければ、その道のプロとして食べていくのも難しい。それは探検隊も同じだろう。

そこでPPCは、「プロとして通用するほどの人材を育てる」ことをモットーに、フーディンを始めとした“プロデューサー”が若手にプロとしてのノウハウを教えると共に、例えばアイドルならば「どうすればもっと売れるのか、歌を聴いてもらえるのか」などのプロデュースをしてくれる。

そのためマネージャーとして常に一緒にいることも少なくなく、フーディンもその一人なのだ。


「しかし、よかった。怪我がなくて…怪我をしていたら、次の撮影に支障が出るからな」

「はい…あの、どうもありがとうございます」

「君さえよければ、またあの化け物が来た時のために…彼女の護衛をして欲しいのだが。都合は大丈夫かね」

「あいつはゲートだからな、そのほうがいいんだが……うちのリーダーが大丈夫かどうか」



「――あ、ああああああ…あそこにいるのって…まさか、」

「「「…ピクシー・ノート!?」」」

「うわーっ、本物だ!本物だー!!」

「きゃー!」

「あああああ、握手してくださいっ!」

「俺のサインが先だー!」


ピカチュウを始めとしたジュプトル追跡部隊…もとい、ピクシー・ノートのファン一同。

そんな彼女達が、自分達の憧れているアイドルが目の前にいると知り、大騒ぎしないはずがない。

ジュプトルは逃げようとするが、またもオコリザルとヘラクロスに捕まえられ、逃げられない…

……彼らも、ピクシー・ノートのサインを欲しがっているのか、血涙を流していたが。


「…無理すんな、行ってこい…」

「「いやっほぅ!俺達にもサインくださーい!!」」

「ジュプトル…逃げないよね……?<●><●>」

「ピカチュウ目ェ怖ッ!?――いや、逃げれるはずないだろ…あいつ、どうやらゲートらしくて。さっきもファントムに襲われてたんだ」

「えっ、そうなの!?……だったら、ピクシー・ノートであることを除いても、守ってあげないと…あっ。べ、別にサインが欲しいとかじゃないからね!」


欲しいんだな、と諦めた様子で溜息をつくジュプトル。

…まあ、ピクシー・ノートであろうがなかろうが、ピカチュウがゲートを守ることに異論を出さないのは分かっていたのだが。

問題は他のファン達による、パニックにも近い騒ぎ。

【雪花屋】にいた探検隊達ならまだしも、通りがかった住人やスピード・デリバリーの配達員などもやってきて、もはや騒がしい以外の何者でもない。むしろ、怪我人すら出かねないのだ。




そうしていると、見かねたバンギラスがやって来て押しかけるファン達を止めていた。


「――あー、はいはい、ストップストーップ。お仕事行く前のアイドル邪魔したら駄目だろー、お前らー」

「「「あんた誰?」」」

「ファンなら相手の都合も考えな。……さ、後で写真現像してやるから今日の所は戻りな。つか、探検隊やスピデリの仕事行けよお前ら」

「…なんだあのバンギラス?」

「さあ…」


ジュプトルとピカチュウは首を傾げるが、暴動を治めてくれたのは確かなようだ。

とにかく、今のうちにとばかりにフーディンはピクシー・ノートを撮影所に連れて行く。

ピカチュウとジュプトルも、護衛のためにその後を追いかけ、そんな彼女達にファンは希望を託していた。


「「「お前ら、後でサイン貰っといてくれよー!」」」

「「「あ、私達もー!」」」

「――いいから帰らんかボケ!」

「ぎゃー!“ストーンエッジ”やめてー!?」

「痛い、痛いからー!?」

「……元気だな、あいつら。ところで、こいつの護衛をしている間は探検隊の仕事が無理だと思うんだが、その辺どうするんだ」

「…。……ヘイガニに相談する…?」






〜〜〜






ジュプトルとピカチュウから連絡を貰ったヘイガニによれば、


『探検隊の依頼の内容って、その時々に合わせて臨機応変にできるように変わってきてるんだってよ』

『だから、PPCから“【ブレイブス】にピクシー・ノートの護衛をして欲しい”という依頼をポケモン探検隊協会のほうにすれば、それでOKってなると思う』

『ちなみに、スピデリや俺らのところも…人材が足りなかったり、素材を捕って来てもらいたい時は探検隊に依頼することもあるんだぜ』


…ということだったので、暫く探検隊活動ができなくても問題はなくなった。

というより、既にフーディンが手続きを済ませてくれたので、ヘイガニに聞いた意味がなかったと言うべきか…

いや、意味はあった。読者への説明係として。

撮影所では早速、CDジャケットの写真撮影が行われている。


「アイドルって、歌以外の仕事もやるんだな」

「ジュプトルどんだけ俗世から離れて生きてきたの!?」

「いや、…3年間でまさかここまで発展しているとは思ってなかったんだ…」

「太陽が戻って、皆生きる活力を取り戻したからね。何かを生み出そう、形にしようって気持ちが強かったんじゃないかな」



そういうものか、とジュプトルはピカチュウの話に耳を傾けながら呟く。

そうしていると…

ヘイガニやコータス、オニゴーリが撮影所のほうに遊びに来ていた

――というよりも、【オニゴーリ館長の社会科見学】と銘打って、ヘイガニが連れてきたらしい。


「よ、ジュプトル…ピカチュウ」

「ヘイガニ…お前、何でここに?」

「俺だって一応【ブレイブス】の一員じゃねーか!?……館長が、館長があまりにも…アイドルとか、そういった俗世的なものに疎いから…この際、社会科見学させようと思って……!」

「…ヘイガニも苦労してるんだね…」

「ツッコミはイコール苦労人だぜコンニャロー!!」


わああ、と両手の鋏で顔を覆いながら泣くヘイガニ。

…とりあえず、撮影の邪魔にならない程度の声で…だが。

コータスもこういった場所に来るのは初めてなのか、興味深げに周囲を見ていた。

むしろジュプトルにとっては、『館長とコータスは部外者なんじゃ…』と思いつつあったが、そこら辺はヘイガニが頑張ったのだろうと思うと、……後で背中でも揉んでやろうと思っていた。

甲羅は硬いけど。


「…で、あれ何してんだ?」

「「「館長そこから始まるの!?」」」




「あっ、ちょっと困りますって…今撮影中ですよ!【PURIN-ces】さん!!」

「――いいじゃない、別に!……ちょっと、ピクシー・ノート!!」




わあわあと騒ぎながら、スタッフのワタッコと偉そうなプリンがやってくる。

「誰だあれ」とジュプトルとオニゴーリが真顔で言うと、ピカチュウとヘイガニが必死で説明。

…PURIN-ces

小悪魔系で、高飛車で我侭というアイドルで…ピクシー・ノートが知名度を上げてトップアイドルになるまでは、彼女がその座に就いていたのだという。

ヘイガニ曰く、現在ナンバー2。

PURIN-cesは撮影中のピクシー・ノートの元にやってくると、こう言い放っていた。


「あんた、変な怪物に襲われたんですって?最近トップアイドルになったからって、調子に乗ってるからこうなるのよ」

「…はあ…」

「あんたのその、猫被ってるような態度…全然気に入らないっ。見てなさいよ、どうせあんたの人気は今のうちだけ…私がもう一度トップの座に上り詰めてやるんだから!」

「……」

「ファンに見放されて絶望したくなかったら、さっさとこの業界から足を洗うのねっ」


何あの言い分、とピカチュウが文句を言おうとするが…それをヘイガニが宥め。

何だあの生意気なの、とオニゴーリが説教しに行こうとするが…ジュプトルヘイガニ、ピカチュウが必死になって抑え。

ただ一人フリーだったコータスが、「あのー」とPURIN-cesに尋ねていた。


「……ちょっと、宜しいですか?」

「「「しまったコータスがフリーだった!?」」」

「何よあんた?サインなら後にしてよね」

「少し、言いすぎだと思います。ピクシーさんに謝ってください」

「……はあ?」



小悪魔で高飛車、で売っている彼女に正論をぶつけに来るコータス。

…しまった、こいつ館長より火に油注ぐ気がする

ジュプトルとヘイガニが内心冷や汗を掻いていると、予想通りPURIN-cesが文句を言ってきた。


「あんた、あたしに説教するつもり?」

「化け物…と言いますか、ファントムに襲われて傷付いている人にその言い方はないと思います。それに、撮影の邪魔をしてまで言いに来ることなんですか?」

「ちょっとあんた、いきなり失礼なんじゃないの!?」

「失礼なのは、プリンさんのほうだと思いますが」


こういう時、生真面目学級委員長タイプほど怖いものはない。

相手がナンバー2のアイドルと知っても、物怖じせず悪いことは「悪い」とはっきり言う。

そして正論をぶつける。

だからなのか、それを生意気に感じたプリンは、“はたく”でコータスの顔を叩いていた。

――その瞬間、『ブチィッ』と盛大に何かが切れる音が…オニゴーリのほうから聞こえてくる。

…あれは堪忍袋の音だ、堪忍袋の緒がフルスロットルブレイクしたんだ…!

ジュプトルとヘイガニとピカチュウは必死でオニゴーリを抑え、フーディンも万が一に備えて避難経路の確認をしていた。


「……何なのよあんたっ!ムカつく、すっごいムカつく!!」

「ぷ、PURIN-ces…」

「あんたは黙ってなさいよ!…このっ!」





「――スバッと!」

「さーしいーれでーすよー!!」




一触即発の空気を、盛大にブレイクした…オオスバメとオオタチ。

彼らは差し入れのオレンジュースを持ってきたのはいいが、……険悪な空気に「あれ?」と首を傾げる。

仕方なく、近くにいたピカチュウに事情を聞き…

オオタチは適当に「へー」と相槌を打ち、オオスバメはオレンジュースをPURIN-cesに渡そうとしていた。


「まあまあ、カリカリしない。怒ってるとそれだけ幸せが逃げてくからねー、はいジュース」

「…あんたも叩かれたいの?」

「おい無理だ…えーと、プリンアラモード。そのオオスバメは……質量を持った残像を残せるから物理攻撃は意味がないぞ、たぶん」

「ジュプトル適当すぎない!?」

「そして名前違うっての!PURIN-cesだから!?」

「――ちょっと何なのこいつらっ!?部外者はさっさと出しなさいよ!」

「…まあまあ、落ち着くんだ」


騒ぎ立てるPURIN-cesに落ち着くように言ったのは、フーディンだ。

いくらPPCとはいえ、ピクシー・ノートのマネージャーとしてついている彼に、PURIN-cesは嫌悪感を持っているのだろう。

「意見しないで」と怒り散らすが、フーディンから、こんな提案が出ていた。



「…私が言うのもどうかと思うのだが、この際、実力をはっきりと分からせたほうがいいと思うのでな。……1週間後にどちらも新曲を出すのだ、その売り上げで勝負しようじゃないか」

「ふ、フーディンさん。そんな…無意味に争うようなことは」

「勝てる自信がないからそんなこと言うんでしょ?…あたしはその勝負、受けるわ。どっちが真のトップアイドルか、分からせてやろうじゃない!」

「……決まったな。大丈夫だピクシー、君の歌は私がとやかく言わずとも、必ず勝てると信じている。…君はいつもどおり、歌えばいいんだ」


フーディンの提案から始まった、ピクシー・ノートとPURIN-cesの売り上げ勝負。

……俺達関係なくね?

ヘイガニがそうぼやくが、それ以上に納得言ってないのが約一名いる。

鬼館長だ。またの名をオニゴーリだ。

まずコータスに謝れよ、と思っているのであろう彼を、ピカチュウ・ジュプトル・ヘイガニ・オオタチ・フーディン・オオスバメが必死に抑える。

フリーダム2匹(ジュプトルを足せば3匹)どころか、フーディンまで慌てて止めに入るとは何事だ、館長。

それはさておき、コータスも彼らのほうに戻り…オニゴーリは彼女に声を掛けていた。


「……大丈夫か?」

「はい、生まれつき頑丈なので」

「…ったく、何なんだあの高飛車娘。アイドルに興味ない俺が言うのもなんだが、人気落ちて当然だろ」

「そう…なんでしょうか」

「?」

「私には、無理しているようにも見えますが。……よくは分からないんですけど」

「…お前は優しすぎるんだよ」

「……そうですね」




「やーもうね、イチャつくなら外でやってねお二方」

「「「オオタチ空気ブレイカーすぎ!!?」」」


いちゃつく空気を、盛大にサゴーゾインパクトしていくオオタチ…

そんな彼女にツッコミを入れる、ピカチュウ・ヘイガニ・ジュプトル。怒って帰ってしまったPURIN-cesの分のオレンジュースを平然と飲むオオスバメ。

そんな彼らを見て、ピクシー・ノートは苦笑し…

フーディンは何かを考えるような仕草で、彼らを眺めていた。






***




バンギラス、フーディンと来たら…

次はリザードンですね!←

ちなみに、リザードンをウィザードンと打ちかけてしまったのは秘密←

まあリザードン出しますけどね。サトシの手持ちですし。

(※なお、バンギラスを出したのはヨーギラスが一時期サトシに同行していたため。フーディンのほうが実はFLB繋がりで出したに過ぎない)


ニドキングwガバイトwwオコリザルにヘラクロスwww

なんかもう、色々と末期ですねこいつら…一番やばいのはカクレオンだけどな!w

セイレーンに関しては…

強制的に絶望させる、と言うより、正しくは「歌で相手を誘惑する」のであって…

その誘惑の歌による聞いた者の身に待ち受けている破滅が、=絶望ってだけです。



あれ、バンギラスが第二の館長w

「ファンなら相手の都合も〜」と言うのは、結構いい言葉ですよね。

よく暴走しがちなファンも見受けられるので、人によっては耳が痛いのでは?

まあ、ちゃんとその忠告を聞いて散ってくれる分、ピクシー・ノートのファンってまともなんですね。

ツッコミ=苦労人…

うん、うん……ごめんヘイガニ。

バンギラス(今回でツッコミ確定)がレギュラーになるのを祈ってくれ←


PURIN-ces打ちにくいw

でも2〜3話しか出ない人にオートコレクト登録するのもあれなんで、打ちます。

DCDRWにおけるBLACKもそうでした。

…まあ、晴人とか翔太郎とかすっごく面倒なのはやってますが…

そして館長の目の前でコータスはたくなプリンw

ちなみにこれを見ていたヘイガニ曰く、「月夜ばかりと思うなよ…ってこういう時に言うんだろうな」。




コータス回…だったんでしょう、かね……?

むしろオオスバメとオオタチが掻っ攫っていった気がw