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タイトル未設定 - 28話:遺跡の宝、友との約束

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28話:遺跡の宝、友との約束

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「「――どわああああああああああ!!?」」




…ドスーン!!

穴から落ちたリザードンとバンギラスは、派手な音を上げて地面に激突していた。

その際、リザードンはバンギラスの下敷きになる悲惨な目に。

一方のバンギラスは、背中に背負っていた板のようなものが壊れていないか暗闇の中で確認し、それが壊れていないと知るとほっと一息。


「……よかった、壊れていないみたいだな」

「俺はあまりよくねーけどな…。……つか、ここ、何処だよ?」


リザードンは何とか起き上がりながら、周囲を見る。

尻尾の炎で照らしながらではあるが、それでも心もとないほど暗い。

それに…

落ちてきた穴は、リザードンだけなら空を飛んで戻れなくもないが、バンギラスも一緒となると少し面倒くさい。

しかも、ギギギ…とゆっくりと穴が閉じるような音が聞こえ、これでは出られそうにもないだろう。

こうなると、やはり歩いて出口を探すしかない。

僅かな明かりを頼りに、二人はギリギリ通れる大きさの道を進み始めていた。


「…しっかし、こんな場所があるんだな」

「ああ。相当な重さが掛からないと開かない仕組みだとすると、ここを作ったのは相当大型のポケモンだったみたいだな」

「なんでそう思うんだよ?」

「大型のポケモンがこの場所を作ったと考えれば、その重さに吊り合うかそれ以上の重さじゃないと開かないようにしたあの仕掛けに説明がつかない。……まあ、そんなポケモンなのかは俺も知らないけどな」



だって、遺跡に興味ねぇし。

そんなことを言いながらバンギラスは歩き、相変わらずな彼にリザードンは失笑していた。

そうしていると…

広い空間に出たようで、リザードンは最初に、周囲を照らすための松明がないか探す。

すると、部屋の四隅と中央に松明が存在し、それら総てに尻尾で炎をつけると、部屋の中が明るくなる。


「おぉ、こりゃまた随分と立派な部屋だな」

「ここで行き止まり…なはずは、ないと思うんだが」

「ん?――おい、あそこ見てみろよ!」


リザードンが何かを見つけたようで、バンギラスも一緒にその場所に向かう。

すると…

そこにあったのは、巨大な壁画。

獅子を象ったそれと、壁画の四隅に散らばる4つの穴。

よく見れば獅子の口にも、穴が1つある。

それを見たリザードンは、暫く考えた後、バンギラスと話していた。


「……よくあるRPGじゃ、この穴に何かを填めるんだよな」

「何かと言っても、何なんだ?」

「…それは俺にも…」

「しかし、この獅子のレリーフ…どこかで……」

「ん?待てよ…そういえば、こいつに似てないか?」


そう言ってリザードンが取り出したのは、――ビーストドライバー。

確かに、ビーストドライバーのバックルが開けば…獅子の顔が現れる。

それに5つの穴も、ビーストが使うリングならばちょうど填まるほどの大きさ。

それを見たリザードンは、適当にビーストリングを穴の中に填め始めていた。


「もしかしたら、こいつを中に入れれば開くんじゃないか!?」

「確かに、それはありえるな。だが、中央はビーストリングでいいとしても……残りの4つは」

「適当に入れれば何とかなるだろ!」

「って、――コラーッ!?」




慎重になるバンギラスとは逆に、適当に指輪を穴に入れ始めるリザードン。

そして総ての指輪を穴に入れた後、…ゴゴゴゴと重い音が鳴り響く。

「もしかして正解か?」とリザードンが喜んでいると

――二人の真上から、超巨大なタライが思いっきり落ちてきていた。


「あるはもねっ!?…いだだだだだ……な、なんでタライが…」

「…タライでよかったと思おう、これが大岩だった日には……俺達下敷きだぞ」

「……あぁ…トゲ付きの壁が迫ってくるよりは、マシだな……」

「とにかく、ヒントを探すぞ。……と言っても、もう丸分かりだがな」

「えっ、マジで?」

「この部屋の松明の配置、――どうもそれっぽくないか?」


バンギラスはそう言って、その部屋全体の松明を指差す。

…よく見れば、松明にはレリーフのようなものがあり、リザードンはそれを確認しにいく。

中央の松明には、獅子のレリーフ。

そこから右上の松明には鳥のレリーフ、右下には爬虫類のレリーフ、左下は魚のレリーフ…

となれば、扉を開けるための指輪の順番も明らか。

リザードンの説明を元にバンギラスは指輪を入れ替え、最後のドルフィリングを填めると

――その瞬間壁画は横にずれ始め、そこから新たな道が現れていた。


「やっぱりな」

「おーっ、なんだか、探検隊してるって感じだな!」

「…お前、探検隊だっただろ…?」

「ま、まあそれは置いておいて。――さっさと先に行こうぜ」



適当に誤魔化しつつ、指輪を回収するリザードン。

やれやれとバンギラスは呆れた様子で彼を見ており、後からついてくる…

次の部屋も一見すると行き止まりだが、先程と同じような扉がある。

さっきと同じ順番で填めようとしたリザードンだが、それをバンギラスが止める。


「待て!…今度の穴の配置は横一列だ、さっきと同じ順番と言うわけには行かない」

「そうか。でも、さっきの松明と違って…今度はレリーフみたいなのがなかったんだよなぁ。配置もさっきと同じだし」

「何処かにヒントがあるんだろう。探すぞ」

「おー!」


次の扉を開くためのヒントを探すべく、二人は手分けして探し始める。

しかし、何処を探してもそれらしきものは見つからない…

進むことができなければ、地上に戻ることはできない。

何としても外に出たいリザードンは、…扉の近くにレバーのようなものを見つけた。

だが、それを動かすためのレバーはなく…丸い穴が開いているのみ。

何かで代行できれば動きそうなものなのだが。

そう思っていると、何を思いついたのかリザードンは…穴の中にダイスサーベルの先端を突き刺していた。

そして、そのままレバーを横に倒し…

その瞬間、穴の中から5つの光が漏れ出ていた。


「おっ!?何か光ったぞ!」

「本当か!」

「って…あぁぁ、すぐ消えたー!!」

「大丈夫だ、さっきの一瞬で大体の順番は覚えた。――赤、緑、黄、橙、青の順で指輪を填めるんだ!」


言われたとおりの順番で指輪を填めるリザードン。

そして…

今度も無事に扉が開き、リザードンはダイスサーベルを、バンギラスはビーストリングを回収しながら次の道に進んでいた。

だが、バンギラスは少し、疑問に思い始めている。


(さっきといい、今といい…どうして仕掛けが、ビーストの持つ装備で開くようになっているんだ……?)






〜〜〜






バンギラスとリザードンが地下を進んでいる、その頃…

地上の遺跡は、既にゴルダック率いる発掘隊が調査を始めていた。

ドダイトスやケンタロス、ワカシャモにエイパムといった探検隊達も、この事態に首を傾げるばかり。

一方で、それを見たサンドパンは、「何故」と呟きながら、ゆっくり歩く。

その先にいたのは…ゴルダックだ。


「あぁ、サンドパン先生。こんな所まで何を?」

「それは…それはこっちのセリフだ!……どうして、どうしてここにお前が…!?」

「どうして…って、この遺跡を最初に見つけたのは俺なんですよ?俺が調べるのは当然じゃないですか」

「何!?…ポケモン通信の話じゃあ、探検隊が見つけたという話だったのに……」

「そうそう、オイラもそう聞いてるだよ」

「だよ…なあ」

「じゃあ、ポケモン通信の内容に嘘の記述があったってこと?」

「でも、そんなはずはないんじゃ…あの記事を書いたのは、ペラップっていう敏腕記者で、間違いを書くような人じゃないわ」


探検隊達も、『ポケモン通信局側のミスか』と思っていたが…

記事を書いていたのは、ベテランの記者であるペラップ。

新人が書いたのなら分かるのだが、「真実を皆様に伝えるのがモットー」である彼が嘘の記事を書くはずがない。

サンドパンもそれを信用したからこそ、発掘隊を率いてこの遺跡を調査しに来たのだ。

…誰も、既にゴルダックの発掘隊が調査を始めていたなど、聞いた覚えがない。


「そ、それじゃあ…入口を塞いだのも、お前達なのか!?」

「入口?塞いだ?そんなわけないじゃないですか、貴重な遺跡ですよ?」

「いいや、ありえる!お前のような泥棒のやることだ、どうせポケモン通信のことも嘘で…手柄を横取りしようとここに来たに決まっている!!」

「泥棒って…人聞きが悪いですねぇ、俺はあなたに頼まれたとおり発掘調査結果を纏めて、――それを世に出しただけですよ」

「私はそんなこと頼んでいない、世間ではそれを泥棒と言うんだ!…ええい、お前のような奴と話していても埒が明かない…誰かこいつを捕まえろ!!」



「――見苦しいですよ、サンドパンさん」



そう言いながら、ゆっくりと現れたのは…

姿が見えなくなっていた、ゴローニャ。

「どういうことだ」とサンドパンが訊ねると、ゴローニャが総ての真相を話していた。


「ゴルダックさんに例の遺跡の発掘調査を渡したのは…俺です。あぁ、後ついでに、『それを自分の者にして発表すれば、一躍有名になれる』って唆したのも……俺だったかな」

「ゴローニャ、どういう…」

「そうそう。ポケモン通信のあの記事ですけど…仕事のできる俺の上司が、発行される前に文章を書き直したみたいです。ゴルダックさんが見つけたという部分を、ある探検隊が見つけたと書き換えて」

「…な、何故、そんなことを……どうして…!」

「どうして?それは……あんたを絶望させるためですよぉ!」


ゴローニャの姿は羽根に包まれ…

現れていたのは、コカトリスと呼ばれるファントム。

それを見たサンドパンは腰を抜かし、ゴルダックを含めた他のポケモン達は絶叫する。


「な、…な…!」

「「「ひいいいいいいっ!?」」」

「「「ば、化け物おおおおおお!?」」」

「どっ、どうしますアニキ…」

「俺達で倒せます、かね?」

「馬鹿野郎、あんなの倒すなんて無理だろ!ここは逃げるに限る!!」

「「そうっすね!」」


意見が一致し、遺跡から逃げ出そうとする【ドクドーク】…

しかし、その瞬間コカトリスの目が光り、ドクケイル・アーボ・ドガースの3匹は石のように固まったまま動けなくなる。

それを見た他のポケモン達の混乱は加速。

コカトリスはそれらを鼻で笑いながら、ゆっくりとサンドパンのほうに向かっていた。




『――あんたが遺跡の発掘に拘っていた理由。それって確か、死んだ親友のマグマラシとの約束でしたっけ?』

「な、何でそれを…」

『そりゃあそうですよ。あんたがゲートだと知った上司の一人が、あんたを絶望させるためにその情報を聞き出して……その後で殺したんですから!』

「!!」


コカトリスの話では…

当時、ゴルダックに研究成果を渡して発表させれば、それでサンドパンが絶望できると踏んでいた。

しかし、サンドパンは絶望することなく、むしろ次こそは先に前人未到の遺跡を発掘しようと躍起になる始末。

仕方なく、怒られること覚悟でベルゼバブに相談すると…

ベルゼバブはゲートを絶望できないコカトリスを怒るどころか、苦笑しながら話していた。

『ああいう血気盛んなタイプは、私の見立てでは絶望を怒りや恨みに変えやすい』

『じゃあどうすればいいのか?』

『かなりベターな手法だが…効果的な方法がある。奴の友人を、殺すのだ』


『俺はベルゼバブ様に言われたとおり、あんたの親友だったマグマラシを呼び出して…半殺しにした。その際、「言うとおりにしなければサンドパンやお前の家族も殺す」って脅したっけ』


マグマラシは怯えながらもそれに合意し、それを見たコカトリスは彼の肋骨を……踏み潰した。

そうなれば当然、マグマラシは重体となり…

ゴローニャに戻ったコカトリスは“第一発見者”としてマグマラシを病院に連れて行き、危篤状態の彼の元へサンドパンを呼んでいた。

そして…

マグマラシは朦朧とした意識の中で、サンドパンがいることに気付き、彼にゴローニャのことを話そうとした

――が、そのすぐ横でゴローニャが目を光らせていることを知り、彼は真実を言えず、ゴローニャによって頼まれたとおりの内容を話し始めていた。

『俺、サンドパンと…もっとずっと、一緒に調査したかった』

『俺は…この怪我じゃ、もう無理だ』

『だからサンドパン、――俺の代わりに…夢を叶えてくれ。絶対、今度こそ…誰も行ったことのない遺跡を調査して、……俺達の夢を奪ったゴルダックを見返してくれ…』



「そんな、じゃあ、マグマラシは」

『あんたのせいで死んだってことになりますかね。大雑把に言えば』

「あの時の…言葉は」

『あんたや家族を殺さないための方便ですよ。健気ですよねぇ、最後まで自分の大事な人を守ろうとしたんです……親友だったサンドパンさんのせいで死んだって言うのに!』


その瞬間、サンドパンの中にあったアンダーワールドに……亀裂が走る。

それを見たコカトリスは、勝利を確信していた。

…今、この場には魔法使いがいない

…ビーストが来た時は焦ったが、どうやらはぐれたらしい

このまま何の邪魔も入らなければ、サンドパンからファントムが生まれ…自分の苦労も報われる。

しかし、それには周囲の煩いポケモン達が邪魔だったのか、彼らの動きをも問答無用で止め始めていた。


『さて、古の魔法使いを呼びに行かれても困りますし…あんた達も、止まっていてもらいましょうか!特にゴルダックさん、あんた、もう用済みですし』

「「「ひいいっ…!」」」





バンギラスとリザードンが辿り着いたのは、今までよりも大きな広間。

ここは既に松明が点っており、上に上がるための階段もある。

だが…

これまでの部屋とは違い、大きな祭壇があり、その上には石のような何かと指輪が置かれていた。

石は見ただけで言えば、ジュプトルの使うウィザーソードガンのガンモードに近い。

指輪はと言うと、縁が青く、見ただけでビーストの更に上の姿になるためのものだというのが分かる。


「指輪はともかく、…この石は何に使うんだ?」

「さあ…何かの武器にしても、使い方が分からないことには。しかし、ペガサスが言っていたのは……本当だったのか」

「ペガサス?」

「ジュプトル達から聞いていただろう、変なファントムがいると。……そいつが俺に、ここにビーストに関わる何かがあると言っていたんだ。だが、どうしてこんなものが…」

『――ビーストドライバーはそもそも、ある人が“来るべき時”のために作ったと言われているモノだからねぇ』


そう言いながら現れたのは、…ペガサス。

リザードンは変身準備を整えるが、ペガサスは両手を横に振りながら、リザードンを止めていた。


『自分は敵じゃないよ。味方でもないけど』

「うるせぇ!…お前か、発掘隊を襲ったファントムは!?」

『それは違う。コカトリスってファントムらしいよ、確か…そうそう。ゴローニャだったかな?』

「あのゴローニャが!?」

「…だから姿が見えなくなったのか。そんなことより、ビーストドライバーを作ったのは…一体誰だ?」

『――神様』



“神様”

その言葉に、リザードンとバンギラスは開いた口が塞がらない様子だったが…

ペガサスはある古文書をバンギラスに投げ渡し、彼はそれを捲る。

そこにあったのは、3つの感情を生み出し、時と空間を司る神を生み、この世に“命”を与えたとされる……神。

アルセウス、と呼ばれるポケモンだ。


『作ったと言っても、つい最近…3年前ぐらいだけどね。神様はファントムに対抗するための力を作り、更に、そのベルトにキマイラファントムを封印し……この遺跡に力を隠した』

「…神様スゲーな」

「しかし、俺にベルトを渡したのは白い魔法使いだぞ」

『自分も詳しいことは知らないけど…恐らく白い魔法使いは、ビーストドライバーを何らかの形で手に入れて…遺跡の最初の仕掛けを解除できるバンギラスにそれを渡した』

「「…」」

『まあ、それをリザードンに使われるとは思っていなかったけれど…結果的に、ビーストにするはずだったバンギラスがセットで付いて来てくれるから無問題(モウマンタイ)だったわけ』


ペガサスの話では…

ここにビーストを強化するための力があることは分かっていたが、それをどうやって使えるようにするのかは分からないと言う。

「じゃあどうすんだよ」とリザードンが文句を漏らすと、上の騒ぎが激しくなる。

ペガサスはここで戦うつもりはないらしく、リザードンとバンギラスを通していた。

…なお、ペガサスの話では、階段の先の扉は先程手に入れた指輪でしか開けない上に少ししたら扉も閉まるため、この空間のことは誰も分からないとのこと。


『それじゃあ、頑張ってね〜。尤も、コカトリスの術を防げればの話だけど』

「それなら心配は要らないな。……俺に秘策がある、構わず行け!」

「おう!」

<セット、オープン! L・I・O・N、ライオーン!!>






〜〜〜






地上にいた殆どのポケモン達は、コカトリスによって動きを止められていた。

後はサンドパンがファントムを生み出すのを、黙って見ていればいい。

余裕めいた表情を見せるコカトリスだが、――背後からの一撃をまともに浴びてしまう。


『ぐあっ!?…だ、誰だ!』

「だ、誰だ…と聞かれたら、答えてあげるが世の情け」

『何!?』

「――仮面ライダー…メイジ、堂々見参!」


コカトリスと対峙するは…

右手には万能の指輪“コモン”リングを、左手には鋭い鉤爪を装備した、橙の魔法使い。

――仮面ライダー・メイジ。

メイジはコモンリングを使い、“コネクト”を発動させると…何もない空間から箒と槍が一体になったような武器・ライドスクレイパーを呼び出す。

そして、そのままコカトリスと接近戦を繰り広げ…予期せぬ魔法使いの登場に、コカトリスは動揺していた。


『う、うぐ…こうなったら!』

「!しまっ…」


コカトリスの目が光り、メイジの動きが制止する。

…意識はある

…だが、体が石になったかのように動かない

動きが止まれば魔法使いなど怖くはない。そう思ったコカトリスは、メイジに羽根爆弾を投げつけようとしていたが



<ファルコ、ゴーッ! ファ、ファ、ファ、ファルコ!!>

「――その辺で拾った石アターック!」

『まんじゅしゃげっ!?』


ファルコマントを装備したビーストが、先程手に入れたばかりの石で…コカトリスを殴りつけていた。

しかも頭なので、結構痛い。

「何やってるんだお前は」とバンギラスが呆れたように到着し、4人目の魔法使いの登場にビースト共々驚くばかり。

メイジも、まさかビーストがここにいるとは思わず、声を上げていた。


「…古の魔法使い!?それに、その武器は…」

「何か新しい魔法使いがいる!…つか、これ、このままでも鈍器として使えるな」

「やめろよ、鈍器は絶対魔法使いらしからぬ装備だから」

『う、うぐぐ…古の魔法使いまで!ええい、これでも食らえ!!』

「危ない、あの目が光ったら…!」


メイジがそう言い切る前に、コカトリスの目が光る。

だが、次の瞬間バンギラスは背負っていた荷物の風呂敷を解き…

コカトリスの目の前に、大きな鏡が現れていた。

当然目の光線はコカトリス自身に跳ね返ってしまい、逆に自分が動けなくなってしまう。


『し、しまった…!』

「お前、何で鏡なんて持ってんだよ」

「カビゴン爺さんのところで調べてきたからな。石化のメカニズムはファントムによっても違うだろうが…この鏡で跳ね返せるパターンで助かった」

「それじゃあ、このまま…倒すとするか!」

<シックス! ファルコ、セイバーストラーイク!!>

『そ、そんな、…ぎゃああああああああっ!?』




バンギラスの下調べと、それによる対策で自爆する結果になったコカトリス。

結果として、6の目を出したビーストのセイバーストライクが決まり、6体の隼がコカトリスを撃破していた。

その瞬間、コカトリスの術中に嵌っていたメイジや他のポケモン達が解放され、ビーストは急いでサンドパンにエンゲージを施そうとする。


「よし、今から助けるぞ!」

「…もう、いいんだ……この遺跡はゴルダックが既に見つけて調べていた、それに…マグマラシのあの遺言が嘘だったと分かった以上…もう……」

「――諦めてんじゃねぇよ!そのマグマラシ、ファントムに殺されたのか?……だったら俺も一緒だ、俺も大事な親友をファントムに奪われた!!」

「…君、も…?」

「ああ、そうだ。そしてそいつは…あんたと同じように絶望して、ファントムを生み出した。――俺はゴウカザルを殺したフェニックスが許せない、そして、ゴウカザルを冒涜するグレムリンも…止めたい。だから俺は魔法使いになった!」


ビーストの過去に、サンドパンとメイジは目を見開く。

それに、とバンギラスも溜息交じりにサンドパンに近寄りながら、話をしていた。



「…先を越されたなら、今度こそ頑張ればいいじゃないか。あんたの夢、その程度で諦められるものなのか?」

「だけど…マグマラシは、本当にそう思っていたのか……もう、分からなくなった。…あの言葉は…あの化け物に脅されて言わされていた、偽りの……」

「本当に全部そうだと言い切れるのか?――思い出してみろよ、あんたとマグマラシの純粋な…夢。その遺言を残した時の……マグマラシの顔」


その言葉に、サンドパンは過去のことを思い出す。

“この世界には、知らない場所がまだまだたくさんある”

“それを、俺達で見つけよう”

…世界に光が戻って、毎日のようにマグマラシが言っていた言葉。

そして、彼が死ぬ間際に残した…遺言。それを話していたときの表情は、

――「ゴルダックを見返せ」と言う部分以外はすべて、昔からサンドパンと夢を語っていた時に見せていた笑顔そのもの。

それを思い出したサンドパンは涙を流し、ビーストも改めてエンゲージの体勢に入る。

その際メイジにも手伝ってもらうよう頼もうとしていたが、…メイジはいつの間にか姿を消していた。


「あれっ、あいつ何処行った!?」

「いつの間に…まあいい、リザードン!」

「分かってるての!」

<エンゲージ>




エンゲージリングの力で入ったアンダーワールドは、サンドパンとマグマラシが約束を交わしていたときの記憶。

…それを見ていたビーストは、ゴウカザルのことを思い出す。

探検隊になって、困っているポケモンを助けたい。

そんな願いで、彼は探検隊になった…そして、その願いを利用してファントムは生み出された。

そうしていると、地面から紫の亀裂が入ったかと思えば、出てきたのはカプリコーンと呼ばれる…羊の胴体と魚のような下半身を持つ巨大ファントム。


『ドォォォォーン!』

「早速お出ましか!…お前も来い、キマイラ!!」

<キマイライズ!>


アンダーワールドを、まるで海を泳ぐようにして移動するカプリコーン。

ビーストも相手に対抗するべく、ビーストキマイラを呼び出し…

そのキマイラに跨りながら、ペガサスの言葉を思い出す。


(――そう言えばあのファントム、アルセウスって神様がキマイラを封印したって言っていたな…じゃあこいつは、元々誰かが生み出したファントムだったのか?)

(…なんて、難しいことを考えている暇なんてねぇか!)



今は目の前の戦いに集中するべき、と思ったビースト。

ビーストキマイラとカプリコーンの執拗な追いかけっこが始まり、ビーストキマイラが上を取る。

そして、そのまま大きな翼でカプリコーンを攻撃し…

その際ビーストはカプリコーンに飛び乗ると、急降下しながらのキックストライクをお見舞いする。


<キックストラーイク!>

「うおりゃあああああああああ!!」

『アローッ!?』

「よっしゃ、今だキマイラ!」

『グオオオオオオン!』

『ア…アロォォォォォォ!!?』


キックストライクをまともに浴びたカプリコーンは、その場で悶え始め、それを好機と見たビーストキマイラは…容赦なくカプリコーンを食べ始める。

ビチビチと魚の尾ひれ部分が動くが、暫くすると動かなくなり、ビーストキマイラによって総て食べられていた。

そして…

それを見ていたビーストは、「ごっそさん!」と手を合わせる。






〜〜〜






あのまま、あの遺跡はゴルダックが調査することになり…

サンドパンはまた新たに、別の遺跡を発掘しようと奮闘することになった。

…その際、今回の件で怒らせてしまったオニゴーリやコータスに、ちゃんと謝罪をして。

やれやれとジュプトル達が思っていると、満足そうに変な壷を眺めるオオタチが目に入る。

彼女はちゃっかり発掘隊に参加しただけでなく、ちゃっかり遺跡の中の物を拝借したらしい…しかし咎める気力があるものは、誰もいない。

あったとしても、オニゴーリが「出かけるなら一言言ってからにしろよ…」とぼやくだけであったが。

そして…

能天気なオオタチをスルーして、ジュプトルはリザードンと話をしていた。


「しかし、…4人目の魔法使い…か」

「一体何者だったんだろうな。いつの間にかいなくなってるし」

「だが、これで確認されている魔法使いは…白い魔法使いを足して、4人。ファントムに対しても、充分な牽制になるといいんだが」

「それにしても……何者だったんだといえば、あのブイゼルだな。誰にも、何も言わずにどっか行ったみたいだし」


あの後、リザードンとバンギラスは遺跡の中をくまなく探したが…

満足そうに遺跡の中にあった宝に頬ずりしていたオオタチ以外は、誰も残っていなかったそうだ。

その際オオタチに、メイジやペガサスについて訊ねるも…彼女はずっと宝部屋で何を持って帰ろうか考えていて、あの騒ぎのことは何も知らなかったと言う。


「…つか、あいつ、マジでお宝探しのために来たんだな……」

「オオタチだからな。しかし、気がかりと言えば……お前達が遺跡に行っていた間、セレビィも急に休みを取っていたらしいんだ」

「何だって?…何かあったのか」

「本人の話では、軽い風邪だと言っていたが。……昼にでも、【彩りの森】に行って様子を見てくるか」





その頃…

遠く離れた場所にある山の上で、ブイゼルは溜息混じりに話していた。



「――はあ。あの遺跡も、俺の探していた場所じゃなかったな」


「どこにあるんだか、…【神の頂】は」






***




まさかのメイジ登場。

…本当は出す気がなかったんだけどなぁ…

でも、メイジのお陰で、この遺跡編の執筆がテンション続いたのも事実。

ちなみにコモンってマジで何でもできるみたいです。

まだコモンリングに関して充分な情報は集まってないんですが、多分真由ちゃんが使った「コネクト」もコモンの能力なんでしょう。

メイジ用のコネクトリングって感じもしませんし、ウィザードリングをつけていたわけでもなさそうですし…

第一、ネタバレの激しさで有名なてれびくんやテレビマガジンなんかでは、コモンリングとメイジリングしか話されてませんでしたし。


前半のリザードンとバンギラスに尺を取られすぎたw

でも、楽しかったのも事実。

…本当は、大岩を落とそうとしたんですよ…?

タライに変わってよかったな、ビースト組w←

それにしても「だっただろ」ってバンギラス…容赦ねぇな……いや、実際そうなんだけど。



コカトリスの正体は…ゴローニャでした!

……というのが霞むレベルの、メイジ乱入w

ちなみにライドスクレイパーって、それに跨って空も飛べるみたいですよ。

しかしメイジの口上…それ、ロケット団やww

そして…

ミラージュマグナム(まだ石の状態)を鈍器として扱うなwww

更に、ただの鏡で跳ね返されたコカトリスェ…


カプリコーンは明らかに、首領ヴァレンティーノですねw

と言うか、意識して遊びました。

だから、ドーンとかアローとか言ってたんですよ……元ネタ知らない人が多数だと思うけどな!

オオタチは…相変わらず自由や……

自由の化身や…

それにしてもメイジといい、ペガサスといい、容疑者が多いなぁ。




次回は…

オオスバメはどうしてこう、危険に首を突っ込みたがるんだ。