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タイトル未設定 - 15話:不穏な空気

📚 目次

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フーディンの案で始まった、PURIN-cesとピクシー・ノートのCD売り上げ対決。

どちらも新曲の発売を1週間後に控え、その情報はポケモンタウンの住人達にも広まっていた。

中にはどちらが勝つのか予想している者もおり、ポケモン通信の記者達も挙って取材をしに来ている。

――バンギラスも、その一人だった。

前にファンによる混乱から救ったこともあってか、フーディンからバンギラスによる取材を要望していたのだ。

今日はピクシー・ノートの取材を任されることになり、彼はメモ帳を取り出しながら、ピクシー・ノートとフーディンに話を聞いている。

なお、取材中はジュプトルとピカチュウは部屋の外のほうで待っている状態。


「…PURIN-cesとのCD対決があるわけだが…レコーディングの調子は?」

「ええ…でも、こんな大きな話になるとは思わなかったので…正直、今でも。だけど私は……私の歌を待ってくれているファンのために、頑張るだけです」

「まあ、俺も買い手を巻き込んだ大掛かりな話になるなんて思いもしなかったよ…でもまぁ、そのお陰であんたに接触する機会ができたのは、嬉しい限りだ」

「……どういうことですか?」


ピクシー・ノートは、緊張した面持ちで尋ねる。

フーディンも、バンギラスの言葉に警戒心を見せ始めていたが…

バンギラスは個人用のメモ帳を取り出すと、ピクシー・ノートに尋ねていた。



「2日前に出たという、化け物。それについて…覚えていることなら何でもいい、教えてくれないか」

「化け物…ですか?」

「…それを聞いてどうするのだ?」

「いや、俺個人…あの化け物は色々と知りたいって思っていてね。だから、どんな情報でも欲しいんだ。……怖いことを思い出させるようで悪いけど、いいかな」


バンギラスの言葉に、ピクシー・ノートは困った様子でフーディンを見ていたが…

フーディンが静かに頷くのを見て、話し始めていた。


「……最初は、ポケモンタウンで…買い物に行く予定だったんです」

「買い物?」

「はい。フーディンさんも一緒に。……その途中で、突然変な怪物に襲われて…彼とはぐれて、必死で逃げていた所を……あのジュプトルさんに助けられて」

「…その中で、一番偉そうなファントムはいなかったか?」

「え?あ、確か…ベルゼバブ、と言っていたような…」


ベルゼバブねぇ、とバンギラスはメモ帳に書き止めながら考える。

――彼自身、ピクシー・ノートがファントムに襲われた現場を最初から見ているわけではない。

偶然ポケモンタウンを歩いていたら、グールに襲われている彼女を見つけ…ウィザードが来るのではと思い、張っていたまでだ。

しかし納得できないのは、何故ベルゼバブはウィザードが現れた瞬間、すぐに退いたのか…

引き際を弁えているといえばそれまでだが、何かがおかしい。




一方、その頃…

ピカチュウとジュプトルは、待っているのが暇なので適当に遊んでいた。

こういう時使えるのが、そう…亜種ゲーム。


「タカジャバ!」

「…タカキリーター」

「ガタトラタ!」

「…ラウタ」

「サゴーゾ!」

「…サゴリドル」

「サジャバ!」

「…タカキリドル」

「ガタジャーター!」

「…シャウタ」

「シャウバ!」

「…シャキリタ」

「ガタウタ!」

「…シャウゾ」

「シャゴリバ!」

「…サキリーター」

「ガタトラバ!」

「…ラキリタ」

「ガタウゾ!」

「…シャゴリーター」

「サトラドル!」

「…ラジャバ」

「タジャドル!」

「…タカジャーター」

「タカトラゾ!」

「…ラゴリゾ」

「サゴリタ!」

「…サウバ」

「シャキリーター!」

「…ガタトラドル」

「ラジャーター!」

「…タトバ」

「ラキリタ……うぐっ!?」



33種類中、29亜種3コンボ+タトバ。

勝ったジュプトルは余裕の表情で、ピカチュウは悔しそうに泣きのもう一回…

そうしていると、何処かに向かおうとするPURIN-cesの姿を見つけ、ジュプトルが声を上げる。


「…あいつ確か、えーっと……プッチンプリン?」

「ジュプトル、PURIN-cesね?そういえば、あの子も今日ここでCDの録音するんだ」

「……館長、不機嫌だったな…」

「うん、恐ろしいぐらいにね…」


PURIN-cesがコータスをはたいた後、オニゴーリの機嫌は斜め右下急降下…

激おこプンプン丸(数年後ならぬ1年後には死語)とか、気軽に言える状況ではないぐらい。

それを宥めるコータスがかなり必死だったことを思い出し、今頃どうなっているのかが不安だ。

ただでさえ、朝食の席でも会話がなかったのに…

しかし気持ちは分からなくないのか、ピカチュウは文句を言っていた。


「でも、館長の気持ちも分かるな。だってあの子、ちょっと生意気っていうか…うーん、どう言えばいいんだろう」

「自意識過剰?」

「そう!……あんなんじゃファンが離れて当然だし、何より、コータスさん可哀想だよ」

「はたかれた本人は特に何も思っていないがな」



そうしていると、控え室から取材を終えたピクシー・ノートが出てくる。

どうやら、そろそろ録音の時間らしく、フーディンやバンギラスも部屋から出ている。


「…君達、そろそろ録音の時間だ。音響スタジオのほうに来るかね」

「えっ、いいの!?」

「騒がしくしないのなら、な。……そこのバンギラスは…」

「録音風景を取材できる機会は滅多にないんでね、乗らせてもらうよ」

「そうか。では行こう」


フーディンが案内し、その後にピカチュウが意気揚々とついていく。

そんな彼女にピクシー・ノートは苦笑し…ジュプトルも、呆れ気味に歩く。

だが…

バンギラスは少し考えるような様子で、後をついて来ていた。


(それに、――もしかしたら間近でウィザードやファントムの戦いを見れるチャンスでもあるしな)






〜〜〜






録音スタジオと音響スタジオは、ガラスで分けられている。

ピクシー・ノートは録音スタジオの前にあるマイクの前に立ち、曲を流すヘッドフォンを耳につけていた。

そして…



「『きらりきらきら☆流れる流れ星 私の願いを届けて』♪」


「『いつもの放課後、走ってくあなたの姿 目で追ってばかりいる夕暮れ』♪」

「『胸に秘めた思い、伝えたい だけど勇気が出せなくて』♪」


「『あの流れ星に願いを込めたら きっと叶うかな』♪」


「『きらりきらきら☆流れる流れ星 私の想いを伝えて欲しいの』♪」

「『できないならせめて、私に小さな 勇気を与えて、お願い』♪」



新曲の【きらきら☆願い星】を歌うピクシー・ノート…

生の録音現場を見れた感激で、ピカチュウは目を輝かせている。

一方ジュプトルは感心した様子で、それを見ていた。

バンギラスから聞いたが、ピクシー・ノートは音を外すことなく正確に、しかも感情を込めて歌うのが得意で…レコーディングも一発で終わるほどだとか。


「…凄いな、俺は歌がそんなに得意じゃないからあまり何処がどう凄いとは言い切れないが……とにかく」

「それは俺もだよ。……こういうトレーニングって、PPCのほうが知ってるんじゃないか?」

「ああ、プロの世界で通用する人材を育てるのが…PPCだ。しかし彼女は、天賦の才を秘めていた…今までどうして無名なのか、謎なぐらいに」

「でもでもっ。……その才能を見出して、フーディンさんが支援してくれたから…ピクシー・ノートはこんなに有名になったんでしょ?PPCって凄いなぁ〜…!」


ピカチュウは憧れの眼差しで、フーディンを見る。

そんな彼女を見て、フーディンは少し照れくさそう髭を撫でていたが…

――突如レコーディングの邪魔をする、無粋な輩が現れていた。




『『『ギギッ!』』』


…グールだ。

突如録音スタジオのほうに押しかけたかと思えば、スタジオを破壊し始める。

ピクシー・ノートは慌てて隅のほうに逃げ、ジュプトルとフーディンは慌てて録音スタジオのほうに向かう。


「ピクシー!大丈夫か!!」

「フーディンさん!」

「…あんた達は下がっていろ、変身!」

<ランド、プリーズ ドッドッドドドドン、ドッドッドドン!>


ジュプトルはすぐにドライバーをつけ、ランドスタイルに変身。

そのまま“コネクト”でウィザーソードガンを取り出すと、グールに向かって乱射。

その間に、音響スタジオのスタッフであるポポッコやグランブルは逃げ、ピカチュウとバンギラスは避難を手伝った後、録音スタジオに向かう。

フーディンはピクシー・ノートを安全な場所に避難させるべく、彼女に“テレポート”を使い自分は残る。


「ピクシー、君を安全な場所に飛ばす!」

「フーディンさんは!?」

「私は大丈夫だ。いいか、騒ぎが収まるまで絶対に動くな!」

「は…はい!」



残ったフーディンは、ウィザードRSの戦いを補佐するべく“サイコキネシス”で援護。

動きを止められたグールを蹴散らすのは、ウィザードRSにとって容易いこと…

しかし、

――突如追加のファントムが現れ、頭の蛇でフーディンに牙を向ける。

ウィザードRSは咄嗟の判断で“ディフェンド”を使い防御すると、攻撃の放たれた場所を見る。

頭には蛇、胴体は蛇のような尾。

……エキドナ、と呼ばれるファントムだ。


『ハァイ!指輪の魔法使い、随分と楽しそうじゃない』

「お前は…!」

『あたしはエキドナ。あんたを私の魅惑の歌で、虜にしてア・ゲ・ル!』

「何!?」

『――欲しいもの全部ぜんぶ手に入れたいの、だからあなたのハート私に頂戴よ♪』


その歌は、とフーディンが驚いているその一方で

…バンギラスとピカチュウが突然、ウィザードRSを取り押さえ始める。

何とか逃れようとするウィザードRSだが、バンギラスの力が強すぎて振りほどけない上に…ピカチュウを乱暴に扱うこともできない。

エキドナはウィザードRSに接近すると、彼の眼前で歌い始めていた。


『どんなことをしたって、いいの だって私はお姫様♪』

「や…やめろ……ぐうっ!?」

『我侭だって、気にしない 私中心に世界は動いてる♪』

「…やはり、この歌……PURIN-cesの…!」

「なん、だと…じゃあ……あいつが…ぐっ!?」




ウィザードRSが窮地に立たされていた、その時だった。

突然、エキドナ目掛けて“氷の礫”が飛ぶ。

そのせいで歌は中断され、操られていたピカチュウとバンギラスも正気に返る。

――そこにいたのは、オニゴーリとコータスだった。

ちなみに、本日ヘイガニは大工の仕事で不在。


「騒がしいから来てみれば…ファントムかっ!」

「あなたは一体…」

『あら?あたしの歌を聴いて平気なの、あんた達』

「コータスの歌以外に興味はないんでな」

「私は…分かりません」

「それを言い出したら私もだが…歌による洗脳には、個体差があるのかもしれないな」

『ふーん…なんだかシラケちゃった。帰る』


そう言って、エキドナは長い尾を引きずり戻っていく。

「待て」とウィザードRSは叫ぶが、相手は既に立ち去った後…

一方のピカチュウとバンギラスは何をしていたのか覚えていないらしく、それに関しては変身を解除したジュプトルが説明。

…ついでに、ファントムの正体も明かしながら。



「……えーっ、PURIN-cesがエキドナ!?」

「だと、俺は思っている。……しかし、厄介だな…歌で操るファントムなんて」

「それでも、先程も言ったように…個体差というものがあるのだろう。私やコータス、それから…あそこのオニゴーリに効き目が薄かったのも、それだろうな」

「だけど、…こんな風にスタジオをメチャクチャにして…何をしたいんだろう」

「そりゃあ、CDを出す妨害じゃないのか。それで勝負に負けさせて、ピクシー・ノートを絶望させる…という風にな」


ピカチュウはボロボロになったスタジオを見ながら、ジュプトルと話す。

そうしていると、ピクシー・ノートが録音スタジオに戻り…

ボロボロになったスタジオに、声を失っていた。

しかも戦闘は激しく、被害は音響スタジオにも及んでいる。

これでは、CDが間に合うかどうかも分からないという、絶望的な状況。

スタッフも戻ってきて、「これは酷い」と嘆くばかりだ。


「…そう、PURIN-cesが……私を絶望させようとする、ファントム」

「確か彼女の録音は、ピクシー・ノートの取材中に終わっているという。…考えたくはないが、そうなのだろう」

「ピクシー・ノート…」

「……それなら、尚更…負けられない。待っている、ファン皆のためだもの。こんなことで挫けていたら、皆の期待を…希望を裏切ることになる。それだけはしたくない」


こんなことになっても、なお凛としているピクシー・ノート。

そんな彼女に、ピカチュウもスタッフ達も彼女への高感度を爆上げしていた。

ジュプトルも、気持ちは分からなくはないのか何度も頷く。

…その一方で、PURIN-cesを……エキドナを許せないという気持ちも、湧き上がってくる。






〜〜〜






「――はぁ?あたしがファントムっていう化け物ですって!?」




PURIN-cesが大声で叫んだ相手は…ジュプトルとピカチュウ。

そして、彼らに無理を言って同行した、コータスだ。

オニゴーリは控え室の外のほうで待っており、ピクシー・ノート達は別の録音スタジオで歌を録音していた。


「ああ。――エキドナというファントムは、お前の歌を歌っていたそうだな……確か歌の始まりは、『欲しいもの全部ぜんぶ』…だったか」

「それ、今度出すあたしの新曲じゃない!……それを知っているのは、私のマネージャーかここのスタッフのはずよ…なんでそいつらを疑わないの!?」

「そう思って、ここに来る途中…スタッフ全員にアリバイを聞いていた。そうしたら、お前以外全員アリバイが証明されたんだ」

「ピクシー・ノートが襲われていた時…何処に行ってたの?」

「……そんなのあたしの勝手じゃない!もういい、あんた達…茶化すなら出て行ってよッ!!」


ジュプトルとピカチュウの物言いに、PURIN-cesは憤る。

そして、近くにあったクッションを思いっきり投げつけ、2匹を追い出す。

…しかし、コータスは動かない。

苛立つPURIN-cesは彼女にも出て行くよう言い放つが、コータスは首を横に振っていた。


「…何してんのよ、あんたも出て行きなさいよっ!」

「……いえ、私は私で、プリンさんに聞きたいことがあったんです」

「はっ、何よ。どうせあたしがファントムだって疑っているんでしょ?生意気だって言いたいんでしょ!」

「――どうして、そんなに無理をしているんですか?」



『何故無理をしているのか』

その言葉の意味を、PURIN-cesは最初、分からずにいた…

それでもコータスは話を続ける。


「…あなたの歌も、高飛車な性格も、無理をしているように感じるんです。……一体何故なのかは、私にも分からないのですが…」

「あんたに…あたしの何が分かるのよ!」

「分かりません、あなたのこと…まだ知らないですから。教えてください、本当のあなたを」

「本当の、あたし…?……何言ってるのか、さっぱり分かんない。いいから出て行ってよ!」


PURIN-cesはコータスの言葉に戸惑いながらも、平常心を取り戻し、高飛車な態度を取り続ける。

今は落ち着かせたほうがいいと思ったか、コータスは素直に部屋を出ようとしていた

…が、最後にこんなことをPURIN-cesに話していた。


「……だけどあなたの歌は、嫌いじゃないです。――今度新曲を出す時は…本当のあなたの歌を、お願いしますね」


控え室から出て行くコータスの姿を見ながら、PURIN-cesは「何よ」と呟く。

苛立ちをクッションに総てぶつけた後、机に置かれた写真を見る。

そして…

色々と思うところがあったのか、彼女は写真の前に座りながら…俯きがちに、話していた。


「…どうしたらいいのか分からないよ、お母さん……」




コータスが控え室から出ると、ピカチュウが「大丈夫だった?」と心配した様子で声を掛ける。

一方で…

ジュプトルは腕組みをし、オニゴーリは不機嫌レベルを悪化させながら、話していた。


「……あいつがファントムなのは、まず間違いないだろうな。しかし、どうやって化けの皮を剥がしたものか」

「闇討ちすればいいんじゃねーの…?」

「…館長、その方向性は……無しで」

「チッ」

「――私には、そうは思えないんです。……どうしてなのかは、自分でも分かりませんが」


コータスの発言に、その場にいた3匹は驚く。

…一番の被害者であるはずなのに、どうしてそこまで肩入れするのか

本人は「理由は自分でも分からない」というが、それでも、PURIN-cesは何か違うと思うところがあるようだ。

ジュプトルとピカチュウは微妙そうな顔をするが、オニゴーリの機嫌のほうが気になってそっちに目を向ける。


「…お前、理不尽な理由で叩かれてるんだぞ。それでも信じるのか」

「はい。…プリンさんは、ファントムではないと……私は思っています」

「あんな傲慢な態度の奴を信じた所で、特に感謝されるわけでもないのに?」

「私は…感謝されたいとは、思っていません。だけど……信じてみたいんです、本当のプリンさんを」

「…、……お前は一度言い出したら聞かないからな。分かった、信じはしないが…暫く様子を見てやることにするか」



――おい、折れたぞあの鬼館長

――コータスさんの説得で止まるのね、館長…

ジュプトルとピカチュウがアイコンタクトで語り、それが知られているのかいないのか、オニゴーリに睨まれ慌てて前を向く。

しかし、オニゴーリは完全に信じているわけではなく、ジュプトル達がピクシー・ノートの護衛を依頼されているのなら、こちらもPURIN-cesの護衛としてついた方が監視もしやすいとのこと。

その際、コータスも同行するという形で。

…というか、むしろコータスがいたほうが……PURIN-cesが彼女に危害を加えた際、オニゴーリが何をするか分からない…


「……一応、あっちの抑え…ヘイガニに頼んどくか」

「…そうだね…」


そして、こう言うときに一番損をするのが……本日不在のヘイガニだったという。

だってオオスバメとオオタチは期待ができないし、セレビィは探検隊立ち寄り所の受付があるし。






〜〜〜






そして、5日後…




PURIN-cesの新曲【ワガママ☆プリンセスガール】と、ピクシー・ノートの新曲【きらきら☆願い星】の売り上げ対決の日、当日。

勝負の内容は、その日1日で売れた曲の売り上げが一番多いものの勝ちというシンプルなもの。

「どうして3日とか期間を長くしないんだろう」とピカチュウが疑問に思っていると、様子を見に来たセレビィが話していた。


「…日にちを長くしたら、どう考えてもピクシー・ノートのほうに軍配が上がるじゃない。彼女は一定の売り上げを保ちつつ1位を獲得するタイプだから…初日に多く売れるPURIN-cesが不利でしかないのよ」

「あ、そっか。フーディンさんはその辺を考えて、1日の売り上げにしたんだ」

「そういうこと。でもこの勝負…果たして、本当に公平なのかしら」

「どゆこと?」


首を傾げ、クエスチョンマークを浮かべるピカチュウ。

だが…

そんな彼女の元へやって来たのは、バンギラスだ。



「5日前の、ファントムによるスタジオ襲撃事件…ファンのみならず、一般の人間もピクシー・ノートに同情的だ。だが、ファントムに対するピクシー・ノートの凛とした態度は……今までアイドルに興味がなかった層も、高感度を上げている」

「うんうん!凄かったもんね、あの時のピクシー・ノート!!」

「私も彼女に惚れちゃったもの。…それがどうしたの?」

「――そして、……誰が言いふらしたのか分からないが…PURIN-cesがピクシー・ノートを妨害したファントムじゃないのか、という噂が飛び交っている」

「「ええっ!?」」


バンギラスの言葉に、ピカチュウとセレビィは声を上げる。

情報の漏洩…

一体誰がそんなことを、と思いながらも…もしかすればPURIN-cesをよく思わないアンチの仕業ではないのかというバンギラスの意見に、納得。

しかし、そう思われても仕方がない高飛車な態度。

ピカチュウはあまり同情的になれずにおり、一方で、どうしてコータスが肩入れするのか気になっていた。




そして、販売開始から7時間経過し…



1000枚近くあったピクシー・ノートのCDは完売し、一方でPURIN-cesのCDは大量に余っている。

…それどころか、まったく人が来なかったのだ。

様子を見に来ていたPURIN-cesは「一体どうして」と叫ぶが、ピクシー・ノートのファンの目は冷たい。

それだけではない。

熱心なファンでもない一般のポケモンも、皆遠巻きにPURIN-cesを見ていたのだ。


「「「……」」」

「な、何よ。――あたしが何したって言うのよっ!」

「…まだあんなこと言ってるよ…」

「もう辞めちゃえばいいのに…」

「才能ないんだし…」

「…ピクシー・ノートの録音の邪魔をしたのって、彼女の仕業だってよ…」

「えー、やだ、僻み…?」

「…最低…」


口々に噂するポケモン達。

その目は冷たいだけではなく、光がない…

異様な空気にコータスは戸惑っており、疑問に思わないピカチュウとジュプトルに尋ねていた。


「ピカチュウさん、ジュプトルさん!……一体どうしたんですか!?」

「…だってしょうがないよ。PURIN-cesがファントムかも知れないのは、事実なんだし…」

「ああ…流石に、どうすることもできない」

「……そんな、どうして…」



流石にこれは可哀想だ、とコータスは訴えるが…

誰もが彼女の言葉に耳を貸さない。

オニゴーリも流石にこれは放って置けなくなったのか、ジュプトルに氷の礫を飛ばそうとしていた。

そうしていると…

PURIN-cesは憤りながら、ピクシー・ノートに言い放っていた。


「――話にならない!見てなさいよ、ピクシー・ノート……勝負は24時を過ぎるまで分からないんだからっ!!」


そう捨て台詞を吐くと、PURIN-cesはその場から走り出すように去っていく。

その後をコータスが追いかけ、オニゴーリも遅れて追いかける。

しかし、CDの現在の売り上げを見ても、負けは明らか。

なのにどうしてとセレビィやジュプトルが思っていると、今回やっとセリフが出るヘイガニが説明していた。


「……確か、今日の20時から22時までPURIN-cesのライブがあるんだ。その時、新曲のCDも売りに出されるみたいだから…ライブ効果での追い上げを狙ってるんじゃないか?」

「もしそうなったら…ピクシー・ノートが絶望しちゃう!」

「何としても、止めないといけないな…」

「って、そうじゃないだろ!?……お前ら、一体どうしたんだ…?」


PURIN-cesを疑いに掛かるピカチュウとジュプトルの態度に、ヘイガニも戸惑う。

…特にジュプトルは、アイドルに疎かったとは思えないほどの肩入れぶり…

「もしかしてピカチュウやその他ファンの悪影響受けちまったんじゃ」と思いながらも、ヘイガニは今回ばかりはコータスとオニゴーリについていたほうがいいと思い、走り出す。




その一方で…

バンギラスは頭を抱えながら、何処かに向かっていた。

この状況に、一抹の不安を感じながらも。



(――くそ、下手をしたらウィザードも使い物にならない…か)


(しょうがない、あまり派手にしたくはなかったんだが…ファントムが放っておけないのも、事実だし)






***




今回のほうがコータス回っぽいな。

あれか…オオスバメとオオタチがいないからか!←


バンギラスは新聞記者だったみたいですね。

まあ、ファントムを嗅ぎまわる辺り、「ただの」記者じゃないんでしょうが…

そして亜種ゲームw

お前ら楽しそうだなww

フーディンもバンギラスもキャラがだいたい立ってきたところで、FLBのFとBが出た以上、出番が確定したLことリザードンはどうなるんでしょうねwww

まあ、ツッコミはどうせ少ないんでしょうが。 でもリザードンは絶対ボケ。



エキドナキター!

…いや、前回投稿した時、あまりにも問題視されていなかったのでw

そりゃベルゼバブのほうが印象に残りますわ…

名前だけしか出ていないんだから…セイレーンも条件は同じなのに、何故だ。

そして安定の館長w

プリンもなにやら事情持ちみたいですね。そして…コータスいい子すぎる。


最近あまり出番のないセレビィェw

まあ、掘り下げとも言える6話と7話は…オオスバメに乗っ取られましたしね、特に7話。

それ考えると

1話→ジュプトル、ピカチュウ

2話→ピカチュウ、ヘイガニ(この頃のオオタチはまだまともだった)

3話→ジュプトル

4話→ヘイガニ(ここと5話は館長のフラグ期間)

5話→ヘイガニ、オニゴーリ(ジュプトルとピカチュウは不憫が加速w)

6話→ジュプトル、セレビィ

7話→ジュプトル、オオスバメ

8話→コータス、オニゴーリ

9話→オニゴーリ

10話→オオスバメ(というかむしろピジョット)

11、12話→ジュプトル

13話→オオスバメ

14話→コータス

……オオタチのほうが掘り下げ回ないやん……

13話もある意味でオオスバメ回っぽいと言えばそれっぽいんですが。色んな意味で。




次回は…

というか、14〜16話に掛けてのコータスのキャラ立て回って考えると、色々優遇されてるな彼女w

主人公のジュプトルでも2連続が限度だぞ…?

まあ、同時に館長も目立つわけですがw