午後2時30分。
集合してから30分がたったが、まだ皆五郎とは一言も話していない。
・・・それにしても、英一遅いな・・・。
もしかしたら、彼は三つ巴のことを知って、悲しんでいるのではないだろうか?
秀喜は、適当なことを色々と考え、時間を潰した。
そして、それから5分ほどたった頃、秀喜の目の前にある草むらから、黒色のピクミンが現れた。・・・英一だ!何故か俯いている。
「英一、遅いよ。」秀喜はそう言おうとして、俯いている英一に近寄ろうとした。
とその時、近付こうとした秀喜を、誰かが追い越していった。その誰かは、猛スピードで英一へと向かっていく。
・・・五郎だ!
さっきまで、ピクリとも動いていなかった五郎が、紫ピクミンとは思えないほど猛スピードで英一に向かっていく。
五郎は、英一の胸倉をつかみ、止まった。
そして「貴様のせいだ。」と言い、英一の頬をぶん殴った。
英一は真後ろに倒れ、五郎は倒れた英一に乗りかかった。
乗りかかった後、五郎は何度も英一を殴った。
五郎の目が赤い。何故か五郎が怒り狂っている。あんなに冷静な五郎が・・・。
英一も、全く抵抗をしない。いつもの英一なら、殴られたら殴り返すはずだ。
何か変だ・・・。秀喜がそう思っている時、二人の間に通が入った。
しかし、五郎は尚も英一を殴りかかり、
「こいつらの・・・こいつらのせいで、おい達紫ピクミンは死にかけたんだ!」
と叫んだ。
そんな五郎を、通は力ずくで止め、「冷静になれ。」と、何度も言った。それで少し冷静になった五郎は、放心状態になって、英一に乗ったまま、ぼーっと前を向いていた。その目には、少し涙が潤んでいた。
それから時がたち、全員がちゃんと集まった。
五郎も冷静さを取り戻したが、時々英一をギラリと睨む。
「ねえ、五郎。何があったの?」
美咲が心配そうに、五郎に聞いた。
すると五郎は、言葉少なにこう言った。
「おい達紫ピクミンは、こいつら黒ピクミンに襲われ全滅しそうになったんだよ」
そういうことだったのか・・・。だから五郎は何も話していなかったし、英一も俯いていたのか・・・。
「・・・そう。」
美咲が、悲しそうな顔で返答した。
「おいは許さない。英一、お前が責任取れよ。お前ら黒ピクミンが殺したんだ。」
五郎が、英一を睨みつけながら、低い声でそう言ったその時、
「本当にそうかな?」と言ったのは、奈々だった。
「何で黒ピクミンさん達は他のピクミンを襲うの?何故殺し合いをしているの?元をたどれば、全てはホコタテ人のせい。・・・殺したのはホコタテ人なのよ。」
秀喜も奈々の言っている事に賛成だった。全てはホコタテ人の身勝手な計画のせいだ。
これに、五郎は何も言い返す言葉がなく、俯いて黙り込んでしまった。
今この世界はとても深刻だ。このように子供にも影響されている。だが、いつまでも悲しんでいても仕方ない。そう、今日集まって貰ったのは、喧嘩をする為じゃないんだ!
「ねえ、皆。大事な話があるんだけど・・・。」
秀喜がとうとう口を開いた。皆の視線が秀喜に集まる。
「・・・まず聞いてほしいのは、今のこの世界の状況だ。」
秀喜はそう言うと、先ほど奈々、通、美咲、智康に言った話を改めてした。
そしてその後、
「そこで、僕達で出来ることはないのかな?と思ったんだ。・・・僕達は村長の子供だ。だから、僕の言ったことを村長が受け入れれば、そのピクミン全体が僕の命令に従う・・・。つまり、僕達で考えた作戦を、村長が受け入れてくれれば、この世界は平和になるんじゃないかな?」
いまひとつよく分からない話だが、6人はなるほど。と頷いた。
つまり、今日集まってもらったのは、この世界を平和に出来る作戦を考えようということだったのだ。
「・・・でも、どうすればそうなるの?」智康が弱々しく聞くと、
秀喜は少しきつめに、
「だから、その方法を今から皆で話し合っていくんじゃないか。」と言った。
と、その時。
偽者広場の端っこに、なにやら大きな影が現れた。
なんだろうと、上を見てみると、なんと大きなロケットが降りてきていた。......