『あの竜』が、村長の前にゆっくり降りてきた。
口からは、少し、炎が洩れている。
それから、しばらく沈黙が続いた。皆、突然の竜の登場で、驚いているのだろう。聴こえるのは、火山の噴火の音だけ。
最初に動いたのは、赤ピクミンのほうだった。
村長が、
「行けー!」
と叫ぶと、赤ピクミンのほぼ全員が、竜に向かっていった。しかし、竜も負けていなかった。尻尾を振り回し、赤ピクを吹っ飛ばした。だが、赤ピクはまた向かっていく。
今の所、赤ピクの方が有利である。赤ピクは波に乗って、どんどん攻めていった。と、その時、竜が新しい行動をとった。
口から、炎を吐いたのだ。炎に当たった赤ピク達は、干からびて死んでしまった。
「皆戻れー!」
村長が言うと、赤ピクたちが集まってきた。恐らく、体勢を整えるのだろう。
「いいか?奴の炎は、火に強いワシ達赤ピクミンでも火傷するくらいの熱さ。あの炎には絶対に当たるなよ!」
そう言って、村長は赤ピクを、戦場へと行かせた。
それから、戦いは、もっと激しくなった。
竜の尻尾が強く振り回され、火山に傷をつけた。
「皆!前へ回れ!後ろは、尻尾で危ないぞ!」
村長の言うとおりに、赤ピク達は前に回りこんだ。しかし、竜は、前に来た赤ピク達を、蹴り飛ばし、吹っ飛んだ所を、炎で焼いた。
「!!!!!」
さっきの攻撃で、赤ピクは、もうほとんどいなかった。まさに、絶体絶命・・・。
赤ピクは、村長を合わせて35匹となってしまった。この数では、この竜を倒すのは、ほぼ不可能だ。
村長は、呆然としていた。自分の提案で、仲間が半分も死んだのだから・・・。
と、ボーっとしていると、
「危ない!」
という声が聞こえた。
ふっと正気に戻ると、竜が、村長に向かって炎を吐こうとしていた。しかし、村長はあまりの唐突の出来事に、金縛りにあった。
ただ、ずーっと竜を見つめていた。竜が、炎をは・・・・・。
その時であった。火山の上から、大きな岩石が落ちて来た。その岩は、竜にあたり、竜は、岩石とともに奈落の底へと落ちていった。
あまりにも早かった為、赤ピク達は最初、何があったか分からないでいた。
「村長。村へ帰りましょう。」
「ああ・・・。」
村長は、小さな声で言った。
村長は、怖かった。自分の作戦で、どれだけのピクミンが死んか・・・。村へ帰ったら、皆になんて言われるだろう・・・。
35匹の赤ピクは、村へと帰っていった。.......