「1時の方角から磁力岩接近、砲塔転回、撃て!!」
タイタン戦車から放たれた3式砲弾はこちらへ向け猛進する磁力岩を弾道上に捉え、巻末おかずに食らいついた。
「目標撃破。後続に磁力岩に注意するよう通達せよ」
「了解」
あれから程なくして雅之少尉指揮する第3大樹林防衛中隊残存兵力は第1、第2中隊残存とともに原住生物の迎撃に当たるとともに雅之が乗車するタイタン戦車を筆頭とし高速戦車2両、軽装甲車2両、重装甲車1両を含む特務小隊を編制、攻撃を受けているエリア3へ向け急行していた。
「後続応戦開始。どうやら原住生物の大部隊が付近に展開している模様」
「さっきの磁力岩で先頭を挫き部隊の足を止める策だったのか…まさかそこまでの知能があったとは…」
「後続、フタクチ2、タマコキン1、サクレウラメ3撃破確認。ん…4号機から入電。回線回します」
『こちら大樹林防衛航空小隊4号機、応答せよ』
「こちら第3中隊所属特務小隊隊長驫木3尉だ」
『特務小隊?』
「エリア3防衛のための臨時小隊だ」
『了解した。我々もこれからエリア3へ向かう。上空からの援護を要請あるならば致すが』
「それはありがたい。援護を要請する」
『了解。援護を開始する』
無線が切れる前に大きなローターの回転音を周囲に轟かせながらガンシップ…対地戦闘ヘリ「ヴァンプ」が上空に姿を現した。
『前方にフタクチ成虫4確認。撃破する』
その無線が切れると同時に4号機は速度を上げ前方へと消えていった。代わりにミニガンの独特な回転音とロケット弾の爆発音が響いてきた。
『一体取りこぼした、迎撃求』
その報告通り程なくして硝煙に紛れながら一体のフタクチドックリ成体が現れた。
「あれは…ワカレフタクチか、12時の方向…撃て!」
再び放たれた砲弾は音の壁を遥かに越え弾道上のワカレフタクチ成虫を捕らえ、炸裂した。が、強固な装甲は変形までは許したが破壊は許さなかった。
「くそ!反撃が来る。仕方がない、最大戦速!砲塔を6時の方向へ」
「最大戦速ですか!?」
「装填が終わるころには既に岩は迎撃不可能な位置にある。だが、最大戦速でこの車体ごとぶつけてしまえば発射どころかやつも無事では済むまい」
「…了解、最大戦速!砲塔6時へ。危険ですので隊長は座席に着いてください」
「時速90km…100km…110km…最大戦速!」
「目標第二口腔拡大確認」
「ジャストタイミングだ、突っ込め!衝撃に備えよ」
ワカレフタクチが岩を吐く瞬間、時速120kmで猛進する鉄の塊が、金属がぶつかり合う甲高い音を響かせ、衝突した。