あれから救援部隊と思われる駆逐艦と揚陸母艦が樹海のヘソ沖合に現れ地上へ向け艦砲射撃を加えてきた。だが、残存するダマグモキャノンやアストロキャノン、ミヤビフタクチ(図鑑に載っていたものとは違い遠方に岩を飛ばす能力があるため正確にはミヤビフタチクの亜種だと思われる)らの猛攻を受け駆逐艦は艦橋が根元から圧し折れ大破、炎上。揚陸母艦も痛手を被った様子で黒煙を棚引かせながら海域を離脱していった。
こうして地上は勿論のこと空、海からの増援が断たれた樹海のヘソ残存部隊は指揮が崩れ次々に敗走、要塞に残り籠城戦を展開していた一部の勇敢な兵たちもほどなくして討たれた。これによりホコタテ星人軍事拠点の要所であった樹海のヘソは完全に原住生物たちの手に戻った。
「あれだけの大部隊と対等に渡り合うどころかこの土地を奪還してしまうとは…。この星の生物たちはすごい…!」
と、畏敬の念を覚える一方
「こんな光景をおじいさんが見たら…きっとかなしむだろうな…」
眼前に広がる焼け野原と荒廃した要塞。なによりホコタテ星人という外敵の出現により生態系がホコタテ星人を倒すためだけに傾き出しているという事実を考えると自然とそんな言葉が漏れた。
そんな話を聞いているのかいないのかピクミンたちは犠牲となった原住生物やなんと戦死した兵士の亡骸をせっせとオニヨンへと運びいれ死者から命を生み出していた。自然とはこのような生と死の輪廻が永久に渡って巡るもので決して人間が破壊したり強制していいものじゃない。そう思った。
「お、日が出てきたな…やつらの基地でも探索してみるか」
コスモはそう思いその場を離れた。
暗闇の空から漏れる光はまるで地獄に注ぐ浄光のようだった。