三人の気持ちが落ち着き、まだ迷いはあるものの自分が今出来ることをやっている。
一夏は宿敵・レオとの戦いに備え、己を磨いている。
ロックオンは気持ちを切り替え、首魁であるサジタリウスに対抗するための戦術をティアナやシャルと練る。
簪はゾディアーツスイッチ押してピスケスに変化、そのスイッチを持ち来るべき時に押すと心で決めた。
テストも終え、冬が本格的に到来。
各々が訓練したりしているある日のこと、ロックオンに一通の手紙が届いた。
「あ、ロックオンちゃん。お手紙。」
「ありがとうございます。」
管理人さんからそれを受け取り、中の手紙を読む。
(ん?名前無し?イタズラかしら?)
ロックオンが手に取ったのは差出人不明の手紙。
(どう見ても怪しいわね。とりあえずティアの邪魔にならないように・・。)
検証しているティアナの邪魔にならないように手紙を読む。
(すごい、束さんすごいよ。私もフォーゼとメテオの力を一つにできないかと考えていたけど・・これならフォーゼがメテオの力を使える!メテオギャラクシーにフォーゼの○スイッチ以外の各種スイッチの組み合わせで戦いの幅が大きく広がる!)
昏睡状態の束が残したディーンたちも知らない新たなスイッチ・EXと書かれ、地球儀の様に見えるスイッチの設計図を見ていたティアナ。
そのスイッチの効果はメテオの力とフォーゼの力を繋げて一つにするというもの。
だがそれを使うにはリスクが伴う事にも気づいた。
(でもこれは真の意味での切り札になる。このスイッチを使えばロックオンは変身できない。所長さんたちとの決戦には使わない方がいいかな?・・!)
ティアナの背筋が凍りつく様な感覚に陥った。
「ククク・・。」
(ロックオン・・?こ、声が出ない・・。)
絶対零度の微笑み
ロックオンの纏う雰囲気にティアナは手も口も動かせず、辛うじて呼吸ができるがそれだけだった。
ロックオンは愛用のカスタムハンドガン、改造していないノーマルハンドガン、マシンピストル×2の計四つの銃の機構を確認したあと部屋を出る。
少ししてティアナの携帯が鳴り、それに出る。
「もしもし?お兄ちゃんどうしたの?」
『ティアナ、ロックオンはいるか!?』
「え?出て行ったけど・・。」
ガン!
電話の向こうでディーンがテーブルに拳を叩きつけるのが聞こえてくる。
『クソ!遅かったか!』
「どうしたの、何でそんなに焦ってるの?」
『・・お前らには学生を楽しんでほしいとはいえ、仮面ライダーをやっている。その上でこれ以上負担をかけたくなかった。だがそうも言ってられない状況になった。ティアナ、よく聞け。亡国企業が壊滅した。』
ティアナはそれを聞き驚く。
亡国企業と言えば使いこなせていなかったとはいえ、エターナルだったオータムやマドカがいた所でGNドライブを奪いに来た組織。
その最大の特徴は戦時中である半世紀以上から存在しているとはいえ、その痕跡が全くと言っていいほど見つからないということ。
そして一夏を誘拐した組織である。
『狙いは亡国企業が所持していたISだ。あそこはお前らの知ってる範囲でいうとイギリスのゼフィルスやアメリカのアラクネといったISの強奪を繰り返し、そこそこの数のISを持っていた。幹部のスコール・ミューゼルやドライブを奪いに来た一人・オータムを始め多くは行方不明、その機能を失い崩壊、女性利権団体がその場所とかを受け継いだ。』
「でもでも、その事とロックオンとどういう関係があるの、お兄ちゃん?」
そう、ティアナがわからないのはそこだ。
ディーンは一息ついたあとこう言った。
『・・壊滅させたのは、女性利権団体。だが裏で手を貸したのは・・レッドショルダー。最低最悪の戦争屋で・・ロックオンが元いた組織だ。』
それを聞きティアナは全てが繋がった。
そしてロックオンが豹変した理由も。
さらにディーンは最悪の一言を口にする。
『ハッキングをくらっちまった。篠ノ之束でも突破できないセキュリティを破り、俺らが元々持っていた技術とジェノバが作ったスローネシリーズやアルケー、リボーンズのデータが盗まれた。』
「そんな・・レッドショルダーには束さん以上のハッキングができる人材がいると!?」
『篠ノ之束は未だ昏睡状態。さらに翔太郎が見張りについている。そんな状態でハッキングなんか不可能。だとすればあっちにいるドーパントか別の怪人がやったと考えるのが妥当だろう。不幸中の幸いというべきか、マドカ用に製作する予定で初めての擬似ドライブ搭載型ガンダム・ラファエルのデータを盗まれずにすんだ。・・犯人は恐らく電子の記憶を持ったサイバードーパントだろうな。奴らの目的は・・死神時代のロックオン。』
ティアナはそれを聞いて息を飲む。
呪縛はまだ人を引き寄せられるが、出て行った時のロックオンは何者も寄せ付けない何かを感じた。
「・・ねえお兄ちゃん、私ね、一夏くんのクアンタの装備でお蔵入りになった新しいプランを考えてるんだ。」
『・・ダブルオークアンタは一夏の目覚めに伴いISコアと対話を始め、より高度で広範囲の対話を実現するクアンタムシステムを積んでる。夏休みの時、お前が設計してシュミレートしたらそれが使えなくなった代わりに強力な攻撃力を持たせる事に成功した。』
「うん。でも一夏くんの意向に合わないって思ったからデータは一応保存して私が持ってるし、あとは細かい調整だけすれば使える。アレは使わない事を祈りたいけどね・・。」
ティアナの言う新しいプランとは一体何なのか?
電話しながら操作した画面には換装したダブルオークアンタが映っていた。
「夏休みに帰ってもう一機作った貯蔵タンク型ダブルオーガンダムだけど、アレはセブンソード一択にしようと思うの。ライザーも悪くないけど手数が少ないし、あの子のスタイルに合わないと思うから。」
『ダブルオーはお前に任せてるからな。ドライブを作った本当の目的から外れない範囲で好きにすればいいさ。俺らはこれから盗まれたデータの行方とその使用目的を追う。わかったらすぐに連絡を入れる。』
「うん。」
ティアナは一夏が運用したダブルオーガンダム及びダブルオーライザーの性能が良く、数が限られているドライブではなく、エクシアと同じ量子貯蔵タンクタイプのダブルオーガンダムを製作。
夏休みが終わり、ティアナが帰国しても製造を継続、最近完成した。
これに福音戦でしか使っていない手数を重視したセブンソード専用にしようと考えていた。
電話を終えたティアナは早速調整を行うため整備室へと向かう。
(あとはバスターソードの細かい調整と改良、鈴ちゃんとセシリアちゃん用にカスタマイズしたGNソード?の最終チェック。ロックオンが心配だけどこっちも急がないといけないからね・・。)
ティアナは歩きながらソード?の製作プランを組み立てる。
中国とイギリスには話しを通して改造の許可を得ている。
ただしドライブ関連のデータを取る事は許可していない約束で鈴用は接近強化仕様、セシリア用は射撃強化仕様にするつもりだ。
ディーンは気づいていない。
サイバーのガイアメモリは存在しない事を・・。
廃工場
目に強い決意が宿っているロックオン。
装備を示すと・・。
頭部・なし
両手・サブマシンガン
左太腿ホルスター・マグナム
右太腿ホルスター・ハンドガン
「ここに・・!」
扉を開けたロックオン。
少し歩いた所で気配を感じて走り出し、近くの柱に身を隠す。
ドン!
ドン!
柱に隠れたレッドショルダー隊員が数人隠れていて、体を出して銃を撃つ。
「っ!(ガチャ)」
ドン!
ロックオンの放った一発の弾丸は隊員の心臓を撃ち抜く。
「ハッハー!」
「甘い!(バン)」
走りながら心臓を撃ち抜き、素早く撃ち抜かれた隊員の肩を掴んで引きずり出し背中に潜り込む。
すると別の隊員が撃ち抜かれた隊員をさらに撃ち抜き、弾が切れた所でロックオンが背後から姿を見せて撃ち抜く。
「フゥ・・。」
工場にいた隊員を殺し、一息着くロックオン。
すると・・。
ザシュ
「うくっ・・!」
何者かがロックオンの脇腹を斬りつける。
ロックオンは脇腹を押さえつつ斬りつけた人物を見て驚く。
「あ、あたし・・?」
「さっすがお姉さま♪」
そう言って無邪気な笑みを浮かべるのは桜色の髪とロングストレートにしてある以外・・。
「あたしと・・同じ顔・・。」
その言葉を最後にロックオンは気絶した。
そして・・。
「う・・あ。」
背後から腕が貫き、力なく倒れるゼシカ。
そして貫いた存在の手には半透明のスイッチが握られていた。
「コアスイッチ、入手完了。あとはオリジナルのサジタリウスとピスケスの始末だけ。ホロスコープススイッチを12個集め、力を蓄えれば仮面ライダーを始末できる。そしてこのスイッチとメテオの力で・・ククク。」
どこかの施設
多くのISが並んでいる。
その背中にはあの戦いで消去した筈のあの赤い粒子が舞っていた。
「素晴らしいわ!これが擬似ドライブの力!」
「気に入ってもらえましたか?」
「ええ!流石は亡国企業を容易く壊滅させた力!これさえあれば、忌々しいイレギュラーである織斑一夏や他のガンダム、さらにそのガンダムを作ったアイルランドを倒せる!」
「さらに我々はもう一つの忌々しい存在であり、同じ女としての誇りを捨てた仮面ライダーフォーゼを始めとしたIS学園にいる仮面ライダーの弱点も把握した!」
「我々は選ばれし人種!」
「この力を持って、女性主義の楽園を!」
「下等な男共に裁きの鉄槌を!」
多くの女性が声を張り上げ、盛り上がる。
擬似ドライブ技術を齎した女はその笑顔の裏ではほくそ笑んでいた。
(本当におバカばかり。こういう野心を持った人間程操りやすい上に自分たちが操られているという自覚すらない。世界で一番厄介なアイルランドを墜とし、彼女をこちらに引き込ませたら戦争の世の中になる・・。その時が待ち遠しいわ・・♪)
ダブルオーガンダム・粒子貯蔵タンク装備型・・一夏が乗っていたダブルオーガンダム及びダブルオーライザーのデータを基に造られたダブルオーガンダム。
武装は変わらずだが(GNソード?、GNビームサーベル)両肩はエクシアと同じ粒子貯蔵タンクを装備、簪のエクシアと同様トランザムができる時間は大幅に短縮されている。
オーライザーを着ければトランザム延長とトランザムバースト、ライザーソードが可能だがあっという間に粒子が底を着く可能性がある。
ティアナは手数を考え、福音戦でのセブンソードを着ける事を考えているがこれでもトランザム可能時間はノーマルより延びるがそれでも短い。