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IS〜深緑の狙撃姫〜 - 生きてみんなで帰りましょう・・!byロックオン

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生きてみんなで帰りましょう・・!byロックオン

第三章 臨海学校/対話するIS
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三人は超音速飛行を続けていた。

目標が近づいて来たところでロックオンが二人に通信を行う。


『二人とも、ターゲットまであと少しよ。これは今までみたいなスポーツじゃない・・本物の戦場・・。だからこの作戦であたしを含めた三人の命をかける事になる・・。』

「「・・・。」」


ロックオンの話を二人は黙って聞いていた。


『だけど敢えてこう言わせて貰うわ・・。死なないで・・!生きて、みんなで帰りましょう・・!』

「「了解!」」


そう言った所で福音が見えてきた。


「アターック!」


ロックオンの号令と共に箒が突っ込み、一夏はソードロング、ロックオンはスナイパーライフルで動きつつ援護射撃を行う。

箒の斬撃が当たる瞬間、反転して後退の姿となって身構えた。


『敵機確認。迎撃モードへ移行。銀の鐘、稼動開始。』

「二人とも、注意して!」


機械音声が聞こえ、ロックオンは二人に注意を促すと同時に福音は一斉に砲口を開き、光の弾丸を撃ち出した。

向かって来る弾丸を一夏は避け、無理な場合はカタールで弾く。

ロックオンはシールドビットを周囲に展開しつつライフルビットやビームピストルで撃ち落としたり、当たりそうになればその方向にシールドを形成。

箒も弾丸を弾いていく。


「箒、隙を作ってくれ!」

「了解した!」


箒は二刀流で突撃と斬撃を交互に繰り出す。

紅椿の機動力と展開装甲による自在の方向転換、急加速を使って福音との間合いを詰めていく。

この猛攻には、流石の福音も防御を使い始めた。


『La・・♪』


甲高いマシンボイスが響く。

それを聞き、ロックオンは箒に指示を飛ばす。


『箒!例の広範囲兵装が来るわ!気を付けて!』

「わかった!」


福音のウィングスラスターはその砲門全てを開いた。

全方位に向けての一斉射撃。


「やるなっ・・! だが、押し切る!」


箒が光弾の雨を紙一重でかわし、迫撃をする。

隙が出来、ロックオンは光弾の雨をかわしたり、ミサイルやビームピストルで撃ち落としたりしながら一夏に指示を飛ばす。


『一夏、今よ!』

「わかった!オーライザーがないときにあまりやってはいけないけど・・トランザム!」


一夏はトランザムを発動してショートの先端部を射出。

ウィングスラスターにワイヤーが巻き付き、先端部が食い込む。

ショートを持ちつつブーストを吹かしながら周りを飛びながら威力が高まったロングを放つ。


『・・♪』

「あら、あなたがそう動くことは予測済みよ。」


福音はワイヤーを切断しようとするがロックオンはライフルビットを福音の手に向けて展開していた。

なので切断が出来ずにいた。


「相手を利用して射撃を行い、そして最後は・・!」


一夏はワイヤーを利用して福音の周りを飛びながら射撃を繰り返しながら接近。

決めるためにバスターソードを手に取ろうとした瞬間、ロックオンから通信が入る。


『一夏!密漁船が入り込んだわ!攻撃は中止、護衛に回って!』

『ロックオン!?』


ロックオンの指示に箒は驚く。


「了解。攻撃を中止、密漁船の護衛に入る。」


一夏はショートを手放して密漁船の元へ向かう。


「ロックオン!どういうつもりだ!?犯罪者などを庇うなんて!そんな奴等など・・!」


箒はロックオンに文句を言う。

箒の言葉にロックオンはキレた。


「いい加減にして!専用機を持ったら神様気取り?笑わせないで!」

「何だと!?」

「あんたはあそこにいるのが犯罪者だから放っておいてもいいというの!?」

「・・まれ・・!」


ロックオンの正論に箒は顔を下に向けながら憎悪を燃やす。


「犯罪者でも命は一つしかない!そんな簡単なこともわからないなんて・・!あんたは専用機を持つべき器じゃない!力を持ったとたんに弱者を守ろうとしないのは篠ノ乃束と同じよ!」

「黙れぇー!一夏を誘惑した泥棒猫が!」


激情した箒は何とロックオンに襲いかかる。


「キャア!何するのよ!」

「黙れ!お前が・・お前がいるから一夏は・・!」

『緑のIS殲滅を協力。』


箒のまさかの反抗にロックオンはまともに攻撃を受けてしまい、箒の目には光や理性がなかった。

さらに運が悪いことに福音は箒をターゲットから外したらしく、ロックオンに向かって弾幕が張られる。


(く・・シールドビットは今飛ばして密漁船を守っている・・。箒を相手にしながら福音の弾幕を避けられるか・・?)


ロックオンは箒の猛攻、さらには福音の弾幕を避けながら戦うが手を出せずにいた。


「お、おい兄ちゃん、何かヤバい雰囲気だぞ!?」


シールドビットは密漁船に飛ばして守らせている。

一夏も安全域に出るまで護衛しているなか、二人のやり取りを見ていた。


「箒!何をしている!?」

『一夏を誘惑する悪い虫を落とすだけだ・・!何、心配するな。すぐに終わらせるさ・・!』


そう言って箒は強引に通信を切る。


「箒!くそ、通信を切りやがった・・!」

「おい、船を最大速度で急いでここを離れさせろ!」

「やってるさ!だけどこれが精一杯だ!」


船長は指示を出すもこれ以上速度が出ないと言う。

シールドビットが守っているとはいえ、安全域に出るまで一夏は動けない。


(まずいわね・・シールドエネルギーが危なくなってきた・・。)


箒の猛攻と福音の弾幕を立て続けに食らい続け、ロックオンのシールドエネルギーも危うくなってきた。

半永久機関とはいえ、回復が追い付かなくなってきたのだ。


「ふふ、狙撃姫などと大層な二つ名がついているようだが・・お前はここで終わりだ!」

「はぁ、はぁ・・。」


余裕の表情を浮かべる箒に息を切らせるロックオン。

二人の猛攻で装甲のあちこちが破損して火花が上がり、スナイパーライフルとライフルビットも破損、ビームピストルも残り一丁となってしまった。


「ロックオン!大丈夫か!?」


そこへ密漁船を安全域まで逃がした一夏が合流。

一夏は箒を睨む。


「箒、なぜこんなことを・・!」

「ロックオンが悪い。作戦を無視して犯罪者などを庇うから。」

「お前は・・!・・!?」


一夏は箒に詰め寄ろうとするが何かに気付き突き飛ばす。


「え・・?」

「「うあぁぁ!」」


箒は何が起こったのかわからないまま、福音の放った照射ビームが一夏とロックオンを飲み込む。


「い、一夏ぁ!」


一夏とロックオンのISが解除され、重力に従って落下。

箒は一夏の手だけを掴み取り、ロックオンはそのまま海へ落下。


『La・・♪』


脅威を追い払った福音はそのまま飛びさっていった。


「一夏、一夏ぁ・・!」


箒は一夏を抱え、旅館へと帰還する。


「・・・。」


旅館の一室。

壁の時計は四時前を指している。

ベッドで横たわる一夏は、もう三時間以上も目覚めないままで、ロックオンは行方不明である。


「作戦は失敗だ。以降、状況に変化があれば連絡する。それまで各自現状待機しろ。」


旅館に戻った箒を待っていたのはその言葉だった。

千冬は一夏の手当を指示して作戦室へと向かう。

箒は責められないことが辛かった。


「あー、あー、わかりやすいわねぇ。」


突然ドアが開き、遠慮無く入ってきたのは鈴だった。


「・・何の用だ・・。」

「作戦が失敗したのはあんたの責任でしょう?」

「違う・・!ロックオンが密漁船を守ろうとしなければ・・一夏がこんな目に遭うことはなかった・・!」


鈴はため息を吐き、箒に平手打ちを食らわせる。


「あんたねえ、ふざけんじゃないわよ・・!千冬さんや博士の後ろ楯を得たからって浮かれてロックオンのプランを無理矢理変更して出撃、挙げ句の果てにはロックオンのせいで一夏がケガをした・・?あんたは一体何様のつもりよ!?」

「く・・。」


鈴は箒に詰め寄る。

何より許せないのは箒の一夏至上主義な所。

ロックオンは犯罪者とはいえ作戦を無視してまで人命を守ろうとした。

箒は作戦を優先して犯罪者の命を見捨て、あまつさえロックオンを殺そうとした。

さらに自分は悪くないと言い張り失敗の責任をロックオンに押し付けている。


「お前に何がわかる!?」

「わからないわよ!シャルが何で出なかったかわかる!?」

「恐れをなしたから・・。」


鈴はさらに平手打ちを食らわせる。


「シャルは新しい専用機の特性を完全に把握してなかったのよ!だから作戦に参加しなかった!なのにあんたは少し動かした位で満足して作戦に強引に参加、挙げ句の果てには見捨てようとした!ロックオンはね、作戦を確実に成功させるためにあのプランを組んだのよ!」

「・・!?」


箒は一夏やロックオンが自分を作戦に参加させたくなかった理由がやっとわかった。

わかった所で謝るべき相手は海に落ちてしまった。


「・・・。」


海に落ちたロックオンは近くの孤島に流され目を閉じている・・。

首に掛かっている緑のネックレスが輝いていた・・。