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IS〜深緑の狙撃姫〜 - あたしは悪人には容赦しないのbyロックオン

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あたしは悪人には容赦しないのbyロックオン

第六章 キャノンボールファスト/謎の黒いIS
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大原


廃倉庫の扉の前に一夏たちはいた。

なぜここにいるのかというと石柱は破壊されたが観光を再開。

翌日、残り時間を有意義に使って名所を回り、お土産を買った。

夕方、帰るために京都駅へ向かう途中、黒服の男たちに少女が車に押し込まれるのを見たからだ。

怪我をした父親の神谷大樹を病院へ運んだ後説明を聞いた。


キチンと返済期限を守っているのにも関わらず違法な催促に来ていること。


そしてついに痺れを切らして実力行使で娘の火菜(かな)を拐ったこと。


目的はアイドル声優の火菜を人質に取り、お金を貪ること。


それをバッタカン越しに聞いた千冬は・・。


「明日は授業だが今回は特別だ。休みについては大目に見てやる。だから必ず救助すること。できなければ特別メニューを十倍にして行ってもらうからそのつもりでいろ。」


話を聞いて千冬も許せなかった。

ライダー部の顧問として、個人として一夏たちに火菜の救助を指示。


タカカンに捜索を任せ一夏たちは入念な準備を行い、今に至る。


「間違いない。あの車だ。」


役割は一夏、ロックオン、マドカの三人で突入。

ティアナはアストロスイッチカバンからルートを脱出ルート解析。

残りは外で退路の確保。

一夏は裏口の扉を少し開き、中の様子を確認する。


「・・・。(クイッ)」

「「・・・。(コクッ)」」


誰もいないことを確認すると、ロックオンが本気モードを発動、内部を探る。


「・・・。(サラサラ)」


ロックオンは無言でメモ帳に中にいるのはヤクザが三人、女の子が五人程と書いた。

内一人は部屋に連れて行かれ、三人に囲まれているとの事。

残りの女の子は別の部屋に隔離されているらしい。

分かれ道に着いた所でロックオンが下、一夏たちは上へと向かう。


ロックオンサイド


「へへっ、いいねぇ。」

「こんな体をしてるのにあの声を出せるもんな。」

「んんー!」


火菜は腕を塞がれ、猿轡でしゃべれずにいた。

上着は破られて大きな胸がさらけ出されている。

そこへドアを蹴破ってロックオンが入ってくる。


「全く、大の大人が数人係でか弱い女の子をさらうなんてどういう神経してるのかしら?」

「何だてめぇは!」

「その子のお父さんから頼まれてね。その子を返してもらいにきたのよ。」


ヤクザの一人がロックオンの体をなめ回す様に見る。


「こいつもいい体してるな。」

「胸もあるし、脚も長いしいい品物だよな。」


今のロックオンの格好はホットパンツに異世界に行った時に貰ったNEVERのコートを羽織っていた。(レイカみたいな感じ)


「ま、あたしがあなたたちに負けたら好きにしてもいいわ。・・ホアタァ!」


そう言ったと同時にスピードの乗った鋭い矢のようなキックをヤクザに当てる。


「ぐほぉ!」

「こいつ!」


ロックオンが得意としている高速キック・バーニングアローだ。

軽くホコリを払い、ロックオンは構える。


「どうしたの?あたしを倒したら体を好きに出来るのよ?」

「・・ならご希望に添えて行くぞぉ!」


二人が襲い掛かる。


「ふん、オラァ!」

「ぬるいわね。ふたりでこれなんて。」


ロックオンは鮮やかに動きながら二人の攻撃を捌く。


「刃物や銃を持ってるだけで強がるのは間違いよ。はあぁ!」

「ぐふっ、バカな・・!」


ヤクザがキックを繰り出すがロックオンは足を掴んで飛び上がり地面に投げつける技・メテオストライクを受け、ヤクザの肺から空気が漏れる。


「くはっ・・!?」

「ラスト!」

「いつの間に後ろに!」


最後のヤクザの背後に回り込み抱きつく。


「どう?あたしの胸は?柔らかいでしょ?」

「は、離せぇ!」

「あたしの胸を味わいながら倒れなさい!」


そのままバックドロップ技・メテオドライブを決め、背面跳びで起き上がる。


「よっと。さて、もう大丈夫。少し待ってね。」


ロックオンはヤクザが落としたナイフで火菜を縛っていたロープを切り、猿轡を外す。


「ふは、ありがとうございます。」

「いいのいいの。さて・・。」


ロックオンはメテオスイッチを取り出し、ティアナと連絡を取る。


「ティア、火菜ちゃんの救出成功。脱出ルートはどう?」

『ロックオン、その場所なら養豚場を抜けるほうが早いよ。まだ何かいるかもしれないから気をつけてね。』

「わかった。火菜ちゃん、これを着なさい。」

「あ、ありがとう。」


ロックオンは通信を切り、コートを火菜に着せる。<pf>

そして少女たちを救出した一夏たちと合流して養豚場に向かう。

幸い誰にも見つからず、養豚場へ到着。


「俺が先行する。」

「わかった。」


一夏がドアを開けて中へ入って見ると、何故か豚がいない。


「・・?ロックオンたち、着いて来てくれ。」

「養豚場なのに豚がいない・・?」


疑問が次々と浮かぶ中、一行は通路を進んで行く。


「・・おっと。何か踏んだな。」


少し歩くと、一夏は何かを踏んでいるのに気づき、それを拾い上げる。


「・・靴だ。」

「それも女物ね。何でこんなところに脱ぎ捨てられてるのかしら?」

「ここが出口かな?」

「・・待て!迂闊に動くな!」


四人は一夏の呼び掛けを無視してドアを開ける。

風に乗って流れてきた鼻を刺すような鉄の臭い。

ロックオンはこの臭いを知っていた。


「この臭い・・まさか・・!」

「・・ヒッ!」


火菜は白い何かを蹴飛ばし、見てみるとそれは骸骨だった。

すると観客席らしき場所から首謀者の田山が姿を見せる。


「ふはは、まさかここまで来るとはな!」

「・・あんたは悪趣味ね!この臭い、そして養豚場なのにいない豚!落ちている骸骨!全て繋がったわ!あんた・・用済みになった女の子を豚に食べさせていたわね!」

「「「「え・・?」」」」

「そこまで知ってるとはなぁ、大したものだな!」


ロックオンはイヤな顔をしながら仮説を田山に突きつける。

田山はそれを聞いて楽しそうに笑った。

その言葉を聞いて、女の子達は青ざめる。


「どういうこと!?食べさせるって!?」

「どうやら、あいつは連れ込んで用が無くなった女の子をここで家畜の豚に喰わせてたんだ!そこで見ながらな!」

「ふはは、最高だぜ?絶望的な顔しながら豚に喰われていくのを見るのは!自分で喰うのもいいが、見るのはまた格別だからなぁ!!」

「く、喰ったって・・人を・・?」

「う、うえぇ・・。」

「・・・。(バタン」


田山の狂気に触れて女の子たちは気絶したり、嘔吐を催したりしていた。


人が人を食う。

俗にいうカニバリズム。

そんな映画の中の出来事を目の前の男が平然と行っている。

だから嘔吐したり気絶したりするのも無理はない。


「カニバリズムか・・。最悪だな。」

「本当ね。ねえ一夏。名無しモードで行っていいかなぁ?」


ロックオンの目には怒りしか見えず、田山を睨み付けている。

ロックオンが今纏っている雰囲気に一夏はゾッとした。


「まあ仕方がないか。早めに蹴りつけろよ。」

「わかってるって。さて・・。」


ロックオンはナイフと脚のホルスターの銃を手に取り構え目をつぶる。

脳内でスイッチの切り換えが行われ目から光が消える。


「てめぇも同じ様にしてやるよ!」


田山はスイッチを押すと大量の豚が雪崩れ込んでくる。

しかも普通では見ない牙があった。


「・・ふっ!」


ロックオンの姿が消えたかと思ったら近くの人食い豚に一瞬で接近、ナイフで命を刈り取った。


「な・・。」

「・・・。」


目に見えない速さで切り裂いたり、ノールックシュートを使って確実に眉間に撃ち込んだりして人食い豚の死体を築いて行く。


ロックオンの本気モードは五感の強化のみだが名無しモード・・リバレーションは本気モード+戦場で鍛えられた身体能力の限界を越えて引き出す云わば身体能力の全リミッター解除で名無し時代の身体能力を発揮するもの。


欠点は身体の限界を越えて動くので十分を越えると全身が引き裂かれる様な激痛を一週間受けることになる正に諸刃の剣で使用には一夏もしくはディーンやレベッカの許可が必要。


田山は自分が育て上げた人食い豚がこうもあっさり倒されるのが信じられなかった。


「ラスト・・。」


ロックオンは冷たい声でそう告げると人食い豚の最後の一匹の首を刈り取り、顔はおびただしい量の返り血を浴びていた。


「・・・。」


再び脳内で全リミッターを掛けると目に光が戻りナイフと銃を納める。


「さて家畜はいなくなったわよ。どうする?」

「貴様・・野郎共!」


田山の声に隠れていたヤクザがたくさん現れた。

銃やドスなどを持っている。


「ロックオン、手伝う。でもまず顔を拭け。」

「うん、ありがとう。・・まずは逃げよう。」


一夏から渡されたタオルを受け取り、顔を拭く。

そして来た道を戻る。


「邪魔するな!小物が!」

「痛みは一瞬よ。はっ!」


マドカに女の子たちを任せ、二人はヤクザを倒していく。


「っ、数が多すぎる・・!」


しかしなかなか数が減らず、少し疲労が見え始めてきた。


ズドーン!


そこへ壁を破って何かが入ってきた。


「メテオスター!」


ロックオンの愛機・メテオスターの砲撃。

それにより中へ入り込み、ロックオンの前で停車。

ティアナが遠隔操作で送り込んだ。


「早速・・。」


ロックオンは乗り込んで運転を始め、集団に突っ込む。


「ええい!」

「くっ、近寄れねぇ!」


車体を利用したり、滑らせたりしながら動き回ったりしている。

一夏たちはその隙を付き外へ脱出。


「一夏たちは脱出したみたいね。ならあたしも!」

「待ちな、てめぇのせいで俺の楽園がめちゃめちゃだ!きっちり落とし前をつけてもらうぜ!」

「何が楽園よ。狂った精神を持ってか弱い女の子たちやその家族を泣かせ、用済みになったら殺してきたあんたが言えたセリフ?」


田山の怒りにロックオンはメテオスターから降りてやれやれと頭を振る。


「あんたはどっかの彼女がいるのに平然と他の女の子とセックスする男よりも最低ね。」

「殺す!」


田山はナイフ片手に突っ込んでくるがロックオンは最低限の動きで避け・・。


「ホアタァ!」

「ぐふっ・・!」


腹にパンチを叩き込む。

そしてロックオンは田山に背を向ける。


「嘗めやがって・・!この俺に!」


田山が突っ込んでくる。

ロックオンはそれが手に取る様にわかっていた。


「ライダー・・キック・・!はあ!」

「ゲボォ!」


顔面にカウンターキックを叩き込む。

きれいに入ったため田山は気絶、警官隊が駆け込む。


「あたしは悪人には容赦しないの。あ、あとはよろしくお願いします。」

「ご協力感謝します!事情は聞いてますので送り届けて貰ったあと、事情聴取をお願いします。」

「わかりました。」


この場を警官隊に任せロックオンは一夏たちとの合流場所に向かう。


合流地点


「ごめん、みんなは?」

「大丈夫だ、少し震えているがな。」

「・・みんな、今日の事は出来るだけ忘れなさい。」

「・・・。」


少女たちは元気がなかった。

人が人を食う男に会ってしまったのだ。

その衝撃は並大抵のものではない。

友達になることを約束、メールアドレスを交換。

少女たちをそれぞれの家に送り届け、最後に神谷家へとむかう。

一夏とロックオンとマドカは事情聴取のために警察署へと


神谷家


大樹は一夏たちが火菜を連れて帰った事に頭を下げる。


「娘を助けてくれて本当にありがとう・・!」

「いえ、当然ですよ。」

「・・正直言ってあんたらが信用出来なかった。大勢の女を引き連れた男に助けられないと・・。でも火菜を助けてくれた。」


大樹によると離婚の際、母親はIS操者にしたいと言ってきた。


火菜は声優になりたいと言っていた。

大樹は火菜の意思を尊重、離婚になった。

親権を巡る裁判では裁判官は母親の言い分を尊重。

しかし裁判の結果、火菜は母親に引き取られる。

大樹は落ち込んでしまうがいつでも会いに来いとだけ言って家を出た。

しかし火菜にとって地獄の始まりだった。

声優になる夢を諦め、操者になってから母親は働かなくなった。

あまつさえ何かを言うと暴力を振るった。

嫌気が差した火菜は父と会い、再び裁判を起こし親権を勝ち取って今は楽しく過ごしている。

大樹は火菜の夢を全面的に援助。

火菜も努力のかいあって少しずつだが仕事を取れる様になり、学業もしっかりとこなして両立している。

そこへ母親の借金の保証人として大樹の名前が書かれた紙を持って田山が来た。

二人で協力して少しずつ借金を返済。

それが面白くない母親は火菜の情報を田山にリーク。

それで今回の事件が起こった。


「そうなんですか、そんな事が・・。今母親は・・。」

「知らないな。あいつとはもう何年も会ってないからな。」


未来のトップアイドル声優になる火菜のサインを貰って神谷家を後にする。

何とも言えない後味の悪さを残して京都旅行は終了。

ロックオンの部屋に飾られている火菜のサインにはこう書いてあった。


『イヤな事があっても夢を忘れずに努力すれば必ずいい結果がついてくる!』