「元ソルジャーのクラウドだ」
神羅ビルのヘリポートで初めて会った彼は、魔洸に染まった瞳を僕に向けて言った。
「君がソルジャーだって?僕は知らないが」
僕は神羅カンパニーの副社長だ。
大抵の事は知っている。
特にソルジャーに関しては趣味と実益も兼ねているから、新人が入れば必ずチェックしてるんだが。
やはり目の前の彼(クラウドと言っていたな)には覚えがない。
記入漏れか? それとも、父の秘蔵っ子か。
それならば、殺してしまうのも納得がいく。
あの男は―息子の僕が言うのもなんだが―かなりの変態趣味を持っていた。
可哀想に…、我慢の限界の上での犯行だったんだね。
「先に仲間を逃して、君はどうするんだい?」
「お前を倒して、あとから追いかけるさ」
ああ、そんな瞳で僕を見ないでくれ。
僕は君の味方になりたいんだ。
「ちょっと待ちたまえよ。君は僕を誤解している」
「何だって?」
よし、武器を下ろしたぞ。
もう一押し。
「クラウド、君が言うように父は殺されても仕方ない(ほどの変態だ)。僕も父(の趣味)には辟易していてね。どうだろう? この場は僕が治めるから、君はもう一度、ソルジャーとしてやり直さないかい?」
「本当か!?」
よし、食い付いた!
「ああ、本当だ。僕が約束しよう」
「いやしかし、皆が…」
そんな伏し目がちに悩まないでくれ。
僕の理性が持たない。
「安心したまえよ。彼らの身柄も保証しよう」
「頼む」
ふふふ…これで、彼は僕の物だ。
にやける顔を抑えるのに精一杯だよ。
「ではこれから、君が本当にソルジャーかどうか確かめる」
「? この瞳が証じゃ駄目なのか?」
今度は上目使いで来るなんて、誘っていると取ってもいいのかい?
「そういう訳ではないが、いざと言う時の為にソルジャーを見分ける方法は1つではないって事さ」
「そうなのか? 知らなかった…」
その半開きの口から覗く小さな舌にいますぐ吸い付きたいが、ここは我慢だ。
「では気分を楽に…、目を閉じて…?」
彼は言われるがままに大人しくしている。
なんて素直なんだ?
こんなんじゃ、すぐに悪い男に騙されてしまうよ?
そう、この僕のような…。
僕は彼の体に手を這わせた。
「んっ…、」
ああ、ここが感じるんだね。
後で可愛いがってあげよう。
「君は、いい体をしているね…(僕との相性も良さそうだ)」
「そりゃ鍛えているからな」
そういう意味で、呟いたんじゃないんだが。
「君ほどの素材がこんな事で埋もれては、いけない」
「ひゃっ…、」
僕は君の項を舐めた。
あのアバランチとか言う暴漢じゃ君を満足させられないだろう。
「まだっ…、なのか…、」
感じ易い体なんだね。
少し触っただけなのに、もう息が荒くなってきてるよ?
僕としては、嬉しい限りだけど。
「まだだ…」
そうは言ったけど、僕ももう限界だ。
この辺りでいただくとしようか。
「っ…つぅ、」
首筋に歯を立ててやると、膝が崩れ落ちた。
僕は彼の体を優しく支えてあげる。
しかし、どれだけ僕に好都合な展開なんだ?
これは罠かと疑うほどに理想的だった。
僕の腕の中でぐったりする彼を見ていたら、突然、
「クラウド!」
頭に衝撃が走った。
「お前は…っ、さっきの…!」
どうやら、いつまで待っても来ない彼を心配して見にきたらしい。
が、いきなり殴るのは反則だ。
「くそ…っ」
可愛いクラウド…。
僕の意識はそこで一度途絶えた。
次に目が覚めると、ツォンがいた。
話しを聞くと、どうやら展示してあった車とバイクに乗って逃走したらしい。
くそっ、あの女が邪魔しなければ今頃…。
どうせなら僕というバイクに跨って思う存分腰を振って欲しかった。
残念だ。
「ツォン!」
「何ですか、若社長」
「後を頼むぞ」
「御意」
僕は例えツォンが止めても、もう止まらない。
腕の中でぐったりする彼を思い出す度に笑いが込み上げてくる。
クラウド…。
さて、今度会う時はどう可愛いがってあげようか?
考えただけで楽しくなってきた。
END.