ラビが任務から戻ると、廊下のど真ん中でアレンがつっ立っているのが見えた。
アレンはやっぱ、可愛いさぁ。
そうさ! ちょっと驚かせてやるさ。
俺はそっと、アレンの背後に忍び寄り、
「ア−レンッ! 何ぼさっとしてるさ?」
「っ…ラビ! いきなり抱きつかないでくださいよ、」
「いんやぁ? んなとこでぼさっとしてる方が悪いさ」
久しぶりのアレンの顔さ。
口では嫌がってるけど耳がちょっと赤いとこも、上目使いに見てくる照れくさそうな感じも、俺のハートはバッキューン!さぁ。
でも、アレンってこんな華奢だったっけさ?
それに…、
「いつ、戻ったんです?」
「今さっきさぁ。ところでアレン。なんか胸の辺り、変な感触がすん…」
「円舞・斬風」
「どわーーーーーっ!!」
いきなり、巻き起こった突風に飛ばされたさぁ…、って痛いんですけど。
しかし、この技はリナリーの?
なんで俺にかけるんさぁ?
「ラビッ!?」
あぁ、アレンが呼んでる。
驚いた顔が可愛いさ。
「アレン君、大丈夫っ?」
リナリー? 自分でやっといて、なんで俺じゃなくてアレンを心配するんさぁ?
訳わからないさ。
「リナリーッ!? どうしたんですか?」
「ごめんね、アレン君。
守ってあげられなくて…」
「えと…何の話しを、」
「また兄さんのせいで、迷惑かけちゃって…」
「えっ…? コムイさんが、また何かしたんですか?」
おーい、もしもし?
そこの可愛い子ちゃん達?
瓦礫に埋まってる俺のこと完全に無視ですカ?
「アレン君、もしかして聞いてないの?」
「? 何をです?」
どうしよう…、ここって、やっぱ自分から参加しないと、どんどん忘れられちゃうパターン?
「えぇっと…」
「だーーーーーっ! いきなり何するんさっ、リナリー!」
「ラビ! 無事だったんですねっ?」
さっき無視された時はどうしようかと思ったけど、やっぱ、自分から参加してよかったさぁ(泣)。
「おうさっ、次期ブックマンがこれくらいじゃくたばんないさぁ?」
「これくらい…?」
あっ、ヤバいさ。
俺もしかして、リナリーの地雷踏んだ?
「あ、やー…その、結構効いたさぁ。アハハ…、ところで、アレンと何話してたんさ?」
「あっそれ、僕も聞きたいです、リナリー。またコムイさんが何かしたって、何したんですか?」
コムイの野郎、あんだけの騒ぎ起こしといて、まだ懲りないんさぁ?
「うぅ~~ん、ちょっと言いにくいんだけど…、実は、兄さんがアレン君に出した紅茶に女体化の試薬を混ぜたらしいの」
「「えぇーーーっ!!」」
あまりに突拍子のない事に思わずアレンと一緒に叫んじゃったさぁ。
ブックマン失格さ。
「…僕、さっき飲んじゃいました…orz」
「そんな落ち込むなって、アレン。すぐに治るさ」
肩を落とすアレンをそっと慰める、俺。
コムイの野郎はムカツクけど、最高のシチュエーションさぁ!
「大丈夫よ、アレン君。兄さんに吐かせて、既にリーバー班長が解毒薬を作ってくれてるの」
「本当、ですか…?」
落ち込んでた顔をあげたアレンはちょっと涙目になってて、も?可愛いすぎなんさぁ。
襲って欲しいんさぁ?
「ええ、他の人にばれて騒ぎになる前にアレン君に解毒薬を飲まそうって、私がアレン君を迎えに来たのよ」
「そうだったんですか…」
よかったさ、アレン。
でもちょっと待って、リナリー? 事情はわかったさ。
でもこれはこれ、それはそれさ。
「ま、治るんならそれでいいさ。…でも、俺を蹴ったんはなんでさぁ?」
これを聞かないと、納得できないさ。
「ラビにアレン君が襲われてると勘違いしちゃって…、本当ごめんね?」
顔の前で両手を合わせて、小首を傾げて謝るリナリーはアレンに次いで可愛いさぁ。
「別にいいけどさぁ、肝心のアレンはどうなんさ?」
「へっ!? 僕ですか? どうって…、ん~~特に変わったとこはないですよ?」
自分の体をあちこち確認するアレン。
でもおかしいさ? さっきアレンに抱きついた時には…。
もしかして、何か条件があったりするさ?
「えぇ? でも兄さんの予想では既に体が変化(変換)してきてるって…、」
「アレン、ちょっとごめんさ…」
わからない時は実践あるのみ、さぁ。
「うわぁっ! ちょっと…ラビっ!」
さっきと同じで耳赤いさ。
可愛いさぁ、アレン。
この腕の中にすっぽり納まる感じが…、すっぽり?
「アレン君! それっ…」
「えっ?」
俺の腕を跳ね返してくるのは…、胸?
あれ…? アレンって、こんなに小さかったっけさ?
「…? そういえばさっきから服の袖が余って…、!」
気がつくと、いつの間にかアレンは女の子の体になっちゃってたさ。
「……」
呆然とするアレン。
まぁ無理もないけどさ。
「あ?まぁ、なんつーか、じじぃがみたら、泣いて喜ぶさ…」
「そんな訳ないでしょ!? アレン君から離れてっ」
ま~~たリナリーに斬風お見舞いされたさぁ。
「アレン君ッ、大丈夫?」
「リナリー…」
アレンの顔は涙ぐんでいて、ヤバい、股間にズッキュンきたさ。
「すぐにリーバー班長のところへ行きましょう?」
「あ、はい…」
そんな、俺を置いて行くんさ? あんまりさ。
仲良く手ぇなんか繋いじゃって、アレンなんかコケちゃえばいいさ。
「わわっ…! キャンっ」
本当にコケちゃったさ…。
どうやらロングコートの裾を踏んだらしいんだけど、お約束を裏切らないやつさぁ。
「アレン君、大丈夫!?」
「…鼻うっちゃいました」
鼻をさすってるアレンも可愛いさぁ。
ちなみに俺はリナリーのせいで全身打撲で動けないさっ★
「服があってないみたいね…? ねぇ、先に着替えない? 今のアレン君なら、私の服入ると思うんだけど…」
ナイス提案さ!
リナリー最高っ!
「えぇ!? い…いいですよ! すぐ戻れますし…、」
「クスッ、アレン君てば、顔真っ赤になってる。可愛いっ」
「リ、リナリー!」
なんでそこで抱きつくんさリナリーさん!?
俺はダメで自分はいいってどういう了見さっ!
「女の子版アレン君って、結構胸あるのね…。嫉妬しちゃうわ?」
「や…、やめてくださいっ」
「あぁん、逃げちゃダメよ。ちゃんとサイズ計らないと、型くずれしちゃう、」
「僕は男なんで、いいですってばぁっ!」
「そんな事言わないで…」
「リナリーぃぃ!」
うーわー…。
こんな生殺し食らったの、生まれて初めてさ…orz
ああ、早く誰か来てくれねぇさぁ?
ユウなら一発なんだけど、
「うわぁっ…」
あ、アレンがリナリーに押し倒された。
しっかし、リナリーって百合なんさ?
密かに狙ってたのにぃ?
はぁ…、もう誰でもいいから、
「HELP MEーーーーーッ!!」(>_<)
こんな生殺し、もう耐えられないさ!(泣)
END.