今日も今日とて、彼らの喧嘩する声が聞こえる。
「バカってなんですかっ! バカって言った方がバカなんですよっ? バ神田ッ!!」
「バッ…、てめーも人の事言えねーじゃねぇか、バカもやしっ!」
アレンと神田だ。
この二人はいつも会えば喧嘩する犬猿の仲なのだが。
「今日こそ、僕が上ですからねっ!」
「何言ってやがる、てめーは下だろうが!」
黒の教団内では、人目も憚らずいちゃつく事で有名なバカップルだっ…
「そこっ! 勝手な事言わないでくださいっ!」
「? いきなり何だ? バカもやし。頭でも打って、おかしくなったか?」
「いえ、何でもありません。それよりどういう意味ですか? それ」
ゲフンッ…とにかく、喧嘩するほど仲が良い、と黒の教団辞書で引くと彼らの事が出てくるくらいだった。
喧嘩はさらに続く。
「だから頭打って白くなったんだろ? 近い将来ハゲるな」
「訳のわからない事を言わないでくださいっ! 頭も打ってませんし、白いからってハゲませんよ。まだ若いし大丈夫です! 余計な心配しないでください」
「あぁ余計な心配だったな。てめーは寄生型だから、ハゲる前に死ぬか」
「っ!!」
神田は言ってから、言ってはいけない事に気付いた。
「…っ神田は、僕の事そんなふうに思ってたんですか…?」
アレンの目から涙が溢れた。
「あっ…、な、何で泣くんだ! もやし!」
「うぅっ…」
励ましたつもりが逆効果だったようだ。
アレンの涙は止まらない。
「泣くなっ!」
強く言っても変わらず、神田は困り果てた。
(こんな時はどうすりゃいい…?)
神田は考えた。
そして、思い出した。
(そういえば、リナリーがもやしが泣いた時にって言ってたな…)
リナリーは神田の相談相手だった。
だから、彼に色々な助言をしてくれる。
時には、ベッドの上の事までも…。
何故彼女がそんな事を知っているかは、不明だったが。
(とにかく、試してみるか)
嫌々だったが、自分が泣かせてしまったのだ、背に腹はかえられない。
神田は意を決して、
「…悪かった。だからもう泣きやんでくれ、アレン?」
「っ…今、何て?」
「うるさいっ! 聞くんじゃねぇっ」
アレンが神田を見る前に、彼は後ろを向いてしまったが、
「神田…、耳赤いですよ…?」
「…っ! 今日はもう無しだ! 寝るっ」
布団に潜り込んだ神田。完全にふて寝だ。
「あっ…、ちょっと待ってくださいっ! まだ寝るには早いですよ?」
「いいから、てめーももう寝ろっ」
「神田?…、って、まだいたんですか? あなた。これからいい事するんですから、邪魔しないでください!」
バタンッと勢いよく音を立てるドア。
…部屋から閉め出されてしまいました。
これから、このドアの向こうで恋人たちの甘い語らいが始まるのですね。
以上、アホ管理人からの中継を終わります。
END.