元来宗教・教育・芸術・武道・文学等凡百のもの悉く「無」に到るの道ならざるはなし。即ち寸毫も余す所なく「我」を捨て去る手段なり。無に到るの部分は此くの如く多種多様なるも、共通の根本道は唯一つ「人境不二」の道是れなり。換言すれば、境其物に成り切る境に没入一体化する無雑純一となること是れなり。時に日に月に此の訓練を重ねたる時、遂に人境共に無き無一物の境、否、無一物も亦なき絶対無の当体に到達すべし。
真忠は忠を忘る、念々これ忠なるが故に (真忠忘忠念々是忠故)
真孝は孝を忘る、念々これ孝なるが故に (真孝忘孝念々是孝故)
味わふべき此の一句。