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軍神杉本五郎中佐遺著 大義    -

📚 目次

1 序 文 (1ページ)

2 噫軍神杉本中佐 (1ページ)

3 発刊に際して (1ページ)

4 杉本中佐略歴 (1ページ)

5 緒  言 (1ページ)

6 第一章 天 皇 (1ページ)

7 第二章 道 ?コ (1ページ)

8 第三章 「無」の自覚到達の大道 (1ページ)

9 第四章  神國の大理想 (1ページ)

10 第五章  皇  道 (1ページ)

11 第六章  解  党 (1ページ)

12 第七章  生活原則 (1ページ)

13 第八章  七生滅賊 (1ページ)

14 第九章  國  防 (1ページ)

15 第十章 第一等の人物 (1ページ)

16 第十一章 維 新 (1ページ)

17 第十二章 ?~ 勅 (1ページ)

18 第十三章 信 仰 (1ページ)

19 第十四章 大 命 (1ページ)

20 第十五章  神 社 (1ページ)

21 第十六章 高天原 (1ページ)

📍 無題
21

22 第十七章 戦 争 (1ページ)

23 第十八章 皇國民の定義 (1ページ)

24 第十九章 行 (1ページ)

25 第二十章 死生観 (1ページ)

無題

第十六章 高天原
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神皇正統記開巻劈頭に曰く、


 大日本は神国なり。天祖始めて基を開き、 日神長く統を伝え給ふ。

 我国のみ此事あり。異朝には其類無し。


と。古今論じて、高天原の所在に及ぶや、議して決せず、紛々として百出千来、摸索不着なり。脚下を照顧せよ、外に向つて馳求して何の極かあらん。

日神長く統を伝え給ふ 神国を外にして、何の高天原ぞ。


  尽日尋春不見春

  杖藜踏破幾重雲

  帰来試把梅梢看

  春在枝頭已十分


  尽日春を尋ねて春を見ず

  杖藜(じょうれい)(一)踏破す幾重の雲

  帰来試みに梅梢を把(と)りて看る

  春枝頭に在りてすでに十分


如何なるか是れ高天原の実相、神正神純之れなり。 聖天子の大御心を以て心とし、更に私心なき時、神正神純にして、此身は即ち高天原の小なるもの、天地は即ち高天原の大なるもの、長者は長高天原、短者は短高天原なり。 皇國無窮の大使命は、世界の高天原化なり。即ち 天業を恢弘し 皇道を宣布し、八紘一宇の実現にあり。

明治初頭廃仏の喧しき秋、占部神祗官一日独園和尚に問うて曰く、「地獄極楽が真に存在するものならば、我に見せよ」と。和尚答へて、「地獄極楽御覧になりたくば、随意に御縦覧遊ばせ、仏家では地獄極楽を決して隠さず、諸人の面前に洒け出してある、眼を開けば直ぐに見える。然し神道の高天原や下夜国(よもつくに)を見た人でなくば、地獄極楽は見えませぬぞ。貴官は高天原や下夜国へ旅行召されし事ありや」と、迫れば、占部氏一言の返事もなく、?梶Xに退散せり。

枯骨者流は常に概ね此類なり。外に向つて天国を探り、神を求め、極楽を尋ね、仏を問うて寧日なく、脚下を忘却して現実を游離し。国の興廃常なき例証は、限前露堂々、将又青史歴然たり。

皇國亦万邦冠絶といふも名のみに成り果てたるか。外に向つて高天原を論じ、神を古人化し、神域を固定し、天国極楽を他に向つて馳求す、自己本尊者流と共に亡国の大素因、共産主義者の蘇国を祖国となすと同断、共に亡国の大姦なり。

神道は 皇國の大本、忠君殉皇の大節を以て宗とす。然らずんば虚妄なり。神道家真に 「天皇は 天照大御神と同一身に坐しまし、普天の下・率土の浜、皇臣皇土に非ざるなし」と、信念しありしならば、幾百千年、兵政の大権、権武両門に帰せるを、何んぞ洒々平然として眺め去らん。必ずや此等不逞剪除の急先鋒たりしならん。又神道家真実に、「神社の祭神は 皇道翼賛の権化、純忠の大士にして、決して怪力乱神にあらず」と、悟りなば、何んすれぞ三冬無暖気底の暗窟裡に独坐して、自ら潔しとせんや。直ちに進んで自ら祭神の化身となり、滅賊の一途に驀進せん。是れ祭神の大精神に合一する祭祀の大本旨に非ずや。

聖天子は無私絶対に坐しますが故に、時空を超え宇宙に満ち給ひ、「森羅万象悉く 聖姿の顕現ならざるなし。」是れは之れ 聖君先天自然の悟得底(第十二章神勅を徹見すればさらに明かなり)、従ひて「宇宙悉く 聖天子の所有ならざるなし」とは、臣として金剛不壊(ふえ)の信仰にして、「四海の内誰か 朕が赤子にあらざる」とは、 聖天子大悲の 聖信なり。此の正念に安住するもの天孫民族なり。万有をして此の正念に覚醒し、 日神聖天子に帰一安住せしむる、是れ世界 皇化の真実義なり。

さはあれ、 皇化途上に横はれる幾多の大難関は、皇史三千年を一瞥すれば、了々として明白なり。想起せよ、神武天皇御東征、 当時を回顧せば、今後の世界 皇化も比すべき難事にも非ず。難事は寧ろ自己 皇化なり。自己 皇化せば、爆薬に点火したるに等しく、諸賊焚了せずんば止まざるの殉皇心勃然として爆発せん。然らば自己 皇化の道如何。曰く、「聖勅実践のみ」。

高天原は神国なり、神国は 天皇國なり。 天皇國は 天照大御神と同一体に坐します 天皇を仰信し、 大御心を以て億兆一心、救世の大慈悲心国是れなり。正念を忘却せる文字葛藤片言隻語を捕へての対立抗争に余念なき凡愚乃至閑言語裏の奴となる勿れ。只管に精進して 聖天子の下に至正至純 聖意を体して、高天原成就に一切を放擲せよ。

げに高天原は 聖天子の大御心のままに、千古の 聖勅、教育勅語、軍人勅諭を実践し、聖寿を無窮に祝ぎつつ、対立なき一如生活の行はれある聖域なり。

第六・七章を参見すべし。


 明治天皇御製


   よもの海みなはらからと思ふ世に

        など波風かたちさわぐらむ


   開けゆくときにいよいよ仰がれぬ

        聖の御代のたかきをしへは


 橘曙覧先生歌


   真心といはるべしやは真ごころも

         正しき道によらで尽くさば


   潔き神国の風(ふう)けがさじと

         こゝろくだくか神国の人


   神国の神のをしへを千よろづの

         国にほどこせ神の国人


   尊かる天日嗣(あまつひつぎ)の広き道

         踏まで狭き道ゆくな物部(もののべ)


   愚(おろか)にもまどへるものか大勅(おほみこと)

         たゞ一道にいたゞきはせで


             (昭和一ニ、四、三〇)