お気楽サラリーマンとして日常を過ごす、山村裕弥、深澤洋樹、五藤裕司の三人。現在昼休みである。
「飯でも食いに行くか。忙しい男の味方、吉○家にしようか」
「そうだな。それにしてもまた何処か行きたいなあ…」
エレベーターの前に立つ。ボタンを押しても反応が無い。
「ありゃ。点検中じゃないか」
仕方なく階段を使うことにした。そばには「清掃中 滑りやすいので注意」という立て札があった。
「この階段俺にはきついんだよ。膝にくる」
五藤が嘆いた。その時、足を滑らせてしまった。縦に並んで歩いていた三人のうち、後方にいた五藤が滑ったので五藤が押し出す形で三人いっぺんに階段から落ちることになった。
「わわわっ!」
「また腰を悪くしそうだな…」
深澤が嘆いた。
「おい、ここは何処なんだ?」
コンクリート打ちっぱなしの無機質な空間が広がっている。
「分からん。とにかく、訳の分からない世界にワープしてしまったのは事実だ」
「で、これらの銃やら火炎瓶は何に使うんだ?」
「本物かな?」
山村が九九式狙撃銃を手に取り、ソテツのちょっと太い枝めがけて一発撃った。轟音とともに枝はあっさりと折れた。
「痛ってぇ!!!」
破壊力が抜群な分、反動が強い。銃を扱ったことのない山村には反動はかなり応えたようだ。
「これペリリュー島でアメリカの大佐の頭蓋骨を一発で撃ち抜いた銃だぜ。そりゃ強いわけだよ。んで、このメモは何だ」
深澤が折りたたまれたメモを開き、読み始めた。
「鉄道に飽き足らなくなった諸君。ようこそ戦闘系仮想空間『中之島』へ」
「どうやら厄介なことになりそうだ」
メモを折りたたみ、スーツの内ポケットにそれを収めながら深澤が苦笑いした。