ここは向海市古根沢。圭佑たちいつものメンバーは物理の実験中で電源装置を中心とした物々しい電気配線を取り囲むかのように立っている。
「本当にこんな配線で大丈夫なのか?」
圭佑が眼鏡の男、俊樹に尋ねる。
「大丈夫なはずだ。万が一のことがあってもブレーカーが護ってくれる」
「じゃあ、スイッチ入れるよ」
優奈がスイッチを倒した。電圧や電流を示すメーターが一気に振り切れた。
途端に沙都美が叫んだ。
「あっ、回路間違えてる!ショートするよ!」
「ええっ!」
圭佑がスイッチに手を伸ばした瞬間だった。凄まじい閃光が走った。
「うわぁぁぁぁぁ…」
「大電流が走ったみたいだけど、大丈夫かなぁ…あ、あれれ?こんな薄暗い部屋だっけ?」
「うーん、確かに変な場所にいるなあ」
圭佑、俊樹、優奈、沙都美は薄暗く無機質な部屋に居た。
「機関銃に毒吹き矢だと?一体どうしろと」
「ロケットランチャーまである」
その時、窓から見える景色に目をやると、体長3メートルはあると思われる巨大なヒグマが突進してきていた。
「わ、わ、来るな!これでも食らえ!」
俊樹が反射的にロケットランチャーを放った。凄まじい爆音と土煙が広がり、視界が晴れたときにはヒグマの姿が消えてきた。
「と、と、俊ちゃん…麻酔弾って発想は無いの…?」
沙都美が震えていた。
「ん?このメモは何だろう」
圭佑が二つに折りたたまれたメモを開く。
「戦闘系仮想空間『中之島』にようこそ。詳細は以下の通り…」
「な、何ぃ?俺たちが戦争するだと!?」