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肉吸い - 肉吸い 参

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📍 肉吸い 参
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「なんだい、退魔師の顔見知りなのかい?」



絢野は、少女にどこか楽しげの表情で問うが部屋にいる人影に目を離せない少女は見向きもしない



『…どうして…?』




「あっ…そうだ…お茶3つ用意してくれませんか?」




目の前にいる人影





固く縛れた独特の色素の薄い色を肩に流している髪








まぎれもない









風吹だ





風吹は、その特徴の髪をゆらりゆらりと揺らして少女の元へ歩み寄る



少女の声などに耳を傾けずに





「はい、かしこまりました。少々お待ち下さいね」



立ちすくむ少女を、見る限り強引で部屋へと押し入れられるが、絢野は風吹に花が咲き誇るように笑いを向けた





ぱたんっ





襖が閉まれば少女は強引に入れた絢野を睨んでいた瞳を風吹へと移す


風吹は、悠々と撒き散らしている書物を読み漁りはじめる



「まぁまぁ、そんな気にしないでよ」



書物に目を通しながら口を開く




『…気にするもなにも…なぜ風吹さんが、ここにいるのですか?』



「偶然だよ」



ずらりと細かい文字と向き合っていた風吹は、口角を上げて少女に顔を合わせる



『…偶然なら儂を客として…呼ばないでしょう…』



「まぁね、僕の大体の勘で君がここに来るんじゃないかと,想像しただけ」


『……』



子どものような無邪気に、けたけたと笑う風吹に、少女は目を軽く瞑る



そして、そのまま声を発する



『……蛍さんの姿が見えませんね…』



甲高い声が、聞こえないことに気付く


この前の宿で蛍らしい、柿色の着物を纏う姿と、喜怒哀楽が激しい表情が少女の記憶が巡った




「…あいつなら、外で団子買ってると思ーーーー」



風吹の言葉は、甲高い声と襖を開かれる音で掻き消される


少女が、まぶたを上げて甲高い声の先へと視線を送れば



「ただいまぁ…うわわわ!?」



蛍が何かに、足を取られる姿が少女の視界に、酷くゆったりした速さ



そして



おまけに、少女の方へ崩れるかのような倒れるのが


刻まれる






まずい








そう思うのも、淡い夢の中でつかの間



『あっ!』



どたんっ!!



少女が、畳に勢いよく鈍い音を起てて

後ろへ転がり込む



「うっ…」



自分が倒れたにも関わらず、全身に痛みがないことに、気づき


蛍は、ぐっと力を込めた瞼をゆっくりと薄く引き上げれば、畳を背に付けて蝶の羽根の如く広がる濃い青髪と揺らぐ瞳が、蛍を射抜いている



蛍は、やっと状況が掴めたらしい



「ごめんなさいっ!!」


少女の体の上に身を任せていた蛍は、すぐさま退き、勢い早く頭を下げた


少女はそのことに目をぱちくりさせる



『…あ…いえ…』




「あははははっ」




その様子を眺めていた風吹と、襖が開いたままの先に茶を運んで来た絢野が、同時に笑いを溢し始めた



絢野の笑いは、風吹以上に豪快



「久々に、あんたの呆然を見たよ」



ひとしきり笑いを漏らした絢野は、まだ溢れそうな笑いを歯止めしつつも、少女に言う



『…呆然などしてましたかね…?』



「あんたに分からないくても、あたしゃには、見え見えなんだよ」




微笑む絢野は、風吹と蛍、そして少女にどこか薄っすら残る茶葉の匂いを漂わせる熱いお茶を出す



少女は、ゆっくりと湯飲みに口付けた



その少女の傍らで蛍は、緑深い茶団子を持ち口に運ぼうとするが、その手をピタッと止めて



何かを思い出したのであろう



あっ…と声を発した




「…あっ…そういえば…また、あの人殺しが出たんだって…」




「またって…亡くなった方々全員が…?W肉?Wがないとか言うやつかい?」



絢野が、少しばかり厳しい顔付きで問うと、蛍が顎を引いて頷く



「で、どんな感じだった?」



風吹が蛍へと聞いた



「町奉行の人達は…頭を悩ませていたけど…仲の良い子が岡っ引きしているから、ちょっとだけ聞いたことあるんだけど…」



『…なんと…?』



「町奉行が一番頭を悩ませているのは亡くなった全員に、七色に光る?W鱗?Wが落ちていてたってことらしいの…」



『…鱗…』




少女は目を細めて、瞳だけを横に向けよく分からないが?W鱗?Wっと言う響きに心に残った






一つだけ言えるのは





それが





激しい生身の人間で





情念で成り立った





?W妖嵬?W






だと、言うこと