簡単無料小説

Diamond cut diamond -

無題

Diamond cut diamond
20/23 ページ

 一本とられたとわたしは思った。


「契約書はただの紙さ」


 アンソニーの手からそれを取ってわたしは破いた。




「振り出しにもどそう」


 わたしはアンソニーにロブのダイヤモンドの山のことを話した。




「俺がトーマス・キッドだとわかったら、ロブのやつは俺を


 追い出してしまうだろうよ、そして警察に知らせるさ」


「世界に誇るトーマスに大金なんか預けておけませんからね」


 アンソニーはそう言ったが、その時ロブがやって来たので


わたしはあわてて口を閉じさせた。




「やあ、ロブ」わたしはそこらにごろごろいる詐欺師のように言った。


「こいつ、友達なんだ。トニーって言うんだ」


 わたしは弟子を前へ突き出した。


「トニー?本名はアンソニーか?」ロブが聞いた。


 アンソニーはまごついていたが返事した。


「はい、そうです」


「ロブ、インドまで行くんだ、こいつ、いっしょにいいだろ?」


 わたしは聞いた。トニーは別にインドに行く用事なんてなかったが、


わたしは連れて行きたかった。


「かまわないがね、これからユーフラテスを渡るから用意しておきな」


 ロブは馬車の手配をするのにどこかへ行ってしまった。


 わたしはトニーに話の続きをした。




----------------------------------------------------------------


アンソニー注釈:


トーマスが私をロブに会わせた時というのは、


ほぼこのような感じであった。トーマスもロブも、


淡々としていたのを覚えている。