七時三十五分、船は港から少しはなれた海岸へ到着した。
陸に上がったわたしは辺りを見回した。
ラクダがいる!
「ここはキプロスじゃないよ」
わたしはアンソニーがわたしに銃を向けている姿を考えた。
わたしは港の看板を見た。全然知らない言葉ばかりならんでいる。
「英国の領土じゃない」
冷汗と油汗が出てこの先、前途どうしようもないわたしたちの前に
一隻の大型船が現れた。
「港に入るんだな」
ずっと目で船を追っていたが、船の先端にユニオンジャックの旗が
かかげられているのを見てわたしは港へ走っていった。
その船には多くのイギリス人が乗っていて、船腹の外側には表示板が
つけられていた。
イギリス・シリア行き
インド回路・アラビア第五号船
わたしたちはキプロスを通り過ぎて、大型船に乗り込むひまもなく
アラビアまで来てしまったのだ。
手間が省けてまあよかったと思った。が直後にアンソニーとの
契約書が目に浮かんだ。
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アンソニー注釈:
………20世紀になってから入手した様々な写真や、諸外国に
関する新聞記事をサムはレーベンに積極的に見せていた。
それが彼にこんなものを書かせたのだろうか?ここに書かれて
いるのは、彼が今まで見てきた物の、何かだろう。
しかし興味と知識は別もので、実際最近までのレーベンは
地理が弱かったのである。