「ロバート、詐欺師と戦う自信はあるかい?」
彼は今度は首を横に振った。
「詐欺師の俺をその仕事に使ってくれるかい?」
実際わたしは同職同士の戦いは経験していなかった
のだが。ロバートの話を聞くとかなりの腕らしかったので
やりがいはあると思った。
彼はすぐに答えられなかったが、「だめ」と言うつもりは
ないようだった。
空に浮かぶ厚い雲を見て彼は言った。
「やってくれると、ありがたいんだがね」
やった、とわたしは跳んで喜びそうだったがおさえていた。
わたしのはじめての大仕事だ。
わたしはポケットからキャプテンの権利書をとり出して、
それを破って紙ふぶきにして潮風へ投げた。
「こんな権利書なんか必要ないのだ。わたしはトーマス、
ダイヤモンドの山が間もなく手に入る、この男の手助けを
するふりをして、スキあらばいつでも----------」
キプロス島に着くまでにまだ多少時間はあった。
「こんな会社の相続なんか、つまらない、全くつまらないのだ、
ダイヤモンド鉱山を手に入れるほどの男が、どうしてわずかな
相続金にこだわっていられようか?」
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