土方さんは、分かっていない。
「ー以上、今回の任務にあたっての説明を終了する。これらについて質問、叉は意見のあるものは直接俺のところに来い。以上。」
まわりの隊士が、土方さんを狙っていることを。
前から分かっていた。土方さんは自覚はしていないものの女はともかく
男まで好意を寄せている者もいる。
…しかし、いくら自覚なしだからといって、これは無防備なんじゃないだろうか…。
沖田は、会議中ずっと苦悩していた。
この頃まわりの土方に対する目が変わってきたのである。
土方に手をだそうとする輩にも苛つきを感じずにはいられないが、
なによりも、土方の無防備な態度が、沖田の独占欲を刺激した。
(ここは一つ、何か分からせる方法はありやせんかねェ…)
と、こんな具合に考えを並べていた内に、会議は終了してしまったのである。
土方の会議終了の合図が下されると、会議の中の緊迫した空気が解れ、会話をしながらガラガラと隊士達が出て行く。
やがて近藤さんも会議室を後にし、そこは土方と沖田の2人きりになった。
「…総悟、どうした?今日の会議、総悟ずっと下ばっか見つめていたな。何かあったのか
?」
土方が顔を除き込む。
「…土方さん…!!」
沖田は名を叫ぶような口調で呟くと、土方の手を強引にとりそのまま床に押し倒した。
いきなりのことに驚いた土方は沖田を反射的に押し返そうとしたが、その沖田の目を見て動きが止まる。
その目は、怒りのようなものと悲しみの両方をうつしたような目で、妙な
恐怖感が土方を襲った。
その最中にも、沖田は土方の身にまとう隊服を剥ぎ取り、剥き出しになった素肌に手を廻らせた。
「んぁっ…総悟、やめっ…!!」
ぞくぞくと高鳴る身体に耐えながらも、土方は震える手で抵抗をした。
こんなに怖い沖田は、今まで一度たりとも土方の前に出さなかった。
そんな時、身体を廻る手が土方の胸の突起を掠めた。
「くっ…ぁあ!やだっ、総悟っ!!」
「こんなに感じてて、本当に嫌なんですかィ?それとも、俺に抱かれるのが、なんですかぃ?」
「なっ…!?」
それはどういう意味なのだろうか、土方はだんだんおぼついてくる思考回路をフル活用して考えた。
別に沖田と行為を交わすことを嫌っているわけではないし、それ以前に沖田を嫌うことなど無かった。
沖田は考えを必死に廻らせている土方に気づいたのか、それを遮るようにさっき掠めた部分に舌を這わせた。
「ぁあっ!!はぁっ…、やばい、総悟っ…!」
「もう限界ですかィ?…相変わらず土方さんは淫乱でさァ。」
沖田は高ぶりを感じる土方を見て黒く笑うと、タイミングを見計らってその動きを止めた。
「…!?な、なん、で…。」
急な出来事と中途半端に放り出された快楽により、土方はうっすら涙を浮かべた。
普段の生理的なものではなく、沖田に対する恐怖心による。
沖田はそんな土方を悲しげに見つめると、そっと頭を撫でた。
その優しげな沖田の手の動きに、土方は少し安心感を感じたのか潤んだ目で沖田を見上げた。そこには、今にも泣き出してしまいそうなほどの顔をした沖田がいる。
「すまねえ土方さん…。俺、土方さんのことを狙っている奴らが嫌で、いつかそいつ等に土方さんを奪われちまいそうで…。」
「総、悟…?」
意外であった。自分を狙っている奴がいたことについてもだが、それよりもそのことで沖田がこんなにも悩んでいるだなんてまったく知らなかった。
「俺、土方さんを失いたくないんでさァ。土方さんがいねえと…俺ァ…
なのに、俺ァあんなことを…。」
「…馬鹿が…。」
土方は沖田の顎を持ち顔を近づけてそのまま口づけると、またつづけた。
「俺は、お前以外誰も好きにならねぇよ…。だから、そんな顔、すんじゃねぇ。」
「土方さん…!!」
「…それじゃあ、やっと誤解が溶けたんだ。
早く続き、してくれよ…。」
もう限界だ、と付け足して土方が告げると、沖田は普段通りに分かりやしたと返し、行為にもどった。
次は、壊れ物を扱う様な優しい手つきで。
沖田はズボンに手をかけ、ゆっくりと下ろしていった。
既に先走りがしたっている土方のソレを、沖田は優しくつつみこむ。
「っ…ぁ、総悟…。」
「気持ちいいですかィ?土方さん。」
「はぁっ、や、そんなこと…きく、なっ…!!」
真っ赤になりながら返してくる土方が愛しくてさらに手の動きを早めた。
「んあっ!!やっ、総悟…そんないきなりっ…!」
「嫌じゃなくてイイでしょう?土方さん。」
沖田は相変わらず言葉を使い土方を追い込んでいく。
「んっ…!総悟…もう…!!」
「分かりやした、好きなだけイッて下せぇ、土方さん。」
総悟はラストスパートをかけるように土方の上の突起をギュッと摘んだ。
「んァァ!!も、もうっ…!!」
土方はすべての欲を吐き出した。
***
「おい…見たか?」
「ああ…。」
会議室の外には、土方に好意を寄せているという隊士たちが扉から顔を出していた。
あれだけ大きな声で喘がられてしまったため、多分屯所中に何をしているか広まっているだろう。
あれから、屯所の厠が大変混雑したという…。