簡単無料小説

サイは投げられた -

📚 目次

1 その他 (6ページ)

無題
└ プロローグ
1
無題
└ 第1話
2
無題
└ 第2話
3
無題
└ 第3話
4
無題
└ 第4話
5
📍 無題
└ エピローグ
6

無題

エピローグ
6/6 ページ

「協議の結果」


 議長役の天使が、おもむろに告げた。


「満場一致にて、人選の再選択をしたいと思います」


 一斉に拍手が起こる。


 このまま終わらせるのは、あまりにお粗末だというのはが、天使たちの出した結論だった。


「しかし、どうやって?」


 若い天使が尋ねると、議長は手にした六面体のダイスを皆に見せる。


「それは、ちょっと」


 別の天使が嫌な顔でそのダイスから目を背けた。


「完全ランダムは、やめませんか?」


「しかし、こちらで選ぶのは公正さに欠ける」


 天使たちには長い長い時間がある。


 だから一度議論を始めると、それは数年から数十年は続くのが、普通だ。


 今度の議論も白熱しているように見えるが、きっと長引くだろう。長引く筈だ。




 戦争は起こらなかった。


 『予言の書』に書かれた通り、人類は自ら滅びの道に進む程に、愚かではなかったということか。


 人類存続派の第一人者だった天使、ひとりの人間にシシュフォスという名で呼ばれた天使は、小さく嘆息した。


 戦争は起こらない。


 そして議論が続く間、天使達による粛正はない。


 ダイスによって選ばれ、人類の運命を担った人物は、計らずして人類を救った。という事か。


 そう考えて、茶髪の天使は、満足そうに微笑んだ。

―了―