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サイは投げられた -

📚 目次

1 その他 (6ページ)

無題
└ プロローグ
1
無題
└ 第1話
2
無題
└ 第2話
3
📍 無題
└ 第3話
4
無題
└ 第4話
5
無題
└ エピローグ
6
4/6 ページ

from 不条理


sub 『予言の書』


『20××年3月30日 千葉県某市に巨大竜巻発生。某テーマパークに甚大な被害』




 そのメールを受け取ったのは、私が戦う事を決めてから3日後だった。


 回避出来ない自然災害の発生は、私の想像の範疇だ。


 だから、それが起こった時の対応策も既に検討済みだった。


 しかしよりによって春休みのテーマパークを狙うなんて、あの天使―私の中では「不条理」と呼ばれている―は、やっぱり性格がかなりひねくれている。


 メールをコピーし、手近な掲示板に貼り付ける。


 記事名は「予言の書」でハンドルネームは「天使」とした。


 それを私は延々と繰り返した。それはもう手当たり次第に。


 マルチポストだとか荒しだとか言われていたらしい。記事もかなり削除された。


 それでも私はその日までそれを繰り返した。


 そして3月30日、某テーマパークに閑古鳥が啼いた日。


 本当に巨大竜巻は発生した。




 「天使」を名乗る予言者の出現は、一躍有名になった。


 私が投稿した掲示板で、「天使の正体を探れ」的なスレッドも立ったという。その私が何の反応もしなかったので、様々な予測が乱れ飛んだだけで終わったようだけど。


 みんな、勘違いしている。


 予言が当たったことが、すごいのではない。この予言は絶対に現実になる。


 その怖さを、私は身を持って思い知ったのだから。


 でも、これで地盤はある程度固まった。


 自然災害にはこれからも「天使を名乗る予言者」が、力になってくれるだろう。


 これは、私にとってはものすごく大きな前進だった。




 と、不意にメール着信音が響いた。


 また『予言の書』? 今回は随分早いな。


 などと思いながら、メールを開く。




from 不条理


sub これからはちゃんと返信もする事




 という、本文のないものだった。


 そういえば、掲示板に書き込む事に忙しくて、『予言の書』への返信を忘れていたんだっけ。


 あのいつも不機嫌不条理ちゃん、もしかしたら心配してたのかな?


 私は「生きてるから安心してね」と書いてメールを返信した。