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IS〜白き天使と赤き騎士〜 - 世界最強との決別

世界最強との決別

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牢獄


「・・・。」

「・・大丈夫。きっとお姉さんが助けにくる。」

「芽衣・・。そうだよな、きっと千冬姉は来てくれるよな?」

「うん、きっとお姉さんは決勝戦を放り出してでも助けにくるよ。」


芽衣と呼ばれた少年の言葉に安心感を持つ少年・一夏。

一夏は千冬を嫌っていた。

どこに行っても一夏自身を見てもらえず、千冬の弟としてしか見て貰えなかった。

人を信じられなくなるまでもう何歩か来たころに出会いを果たす。


「僕は芽衣。天海芽衣(あまみめい)よろしく。一夏。」

「・・お前も俺を姉さんの弟としてしか見ないのか・・!?」


その言葉に芽衣はキョトンとなる。


「(∵)・・なに言ってるの?一夏は一夏でしょう?君は君にしかなれない。・・って何で泣くのさ!?」

「いや・・やっと俺自身を見てくれる人に会えたと思うと涙が・・。」


芽衣と出会い、一夏は少しずつだが自身を見せるようになり、現在同級生の鳳鈴音と付き合っていて校内では二人が展開する恋愛結界に入り込んだら砂糖を吐く生徒が続出するくらいだ。


「一夏♪」

「鈴♪」


二人は御互いの弁当を食べさせあいっこしていた。

それを二つ離れた席にいる芽衣はコーヒーを飲むが・・。


「・・ブラックコーヒー飲んでるのに甘いね。これはもっと濃くしないといけないかな?」

「というかあの空間でご飯を食べられる天海くんは強者だね・・。私も少しなれたけどたまに砂糖を吐きたくなるもん。」

「まあ僕は二人のいちゃラブっぷりを一番近くで見ていたからね。そのおかげである程度は耐性は出来てるから。」


芽衣は仲のいい女子生徒の言葉に苦笑いをこぼしながら二人を見る。

その鈴は中国へ帰国したが今もメールのやり取りを行っていた。

芽衣も付き合っている女子がいる。

その彼女は日本にいないがメールでやり取りをしている。

それはさておき、今回の誘拐は千冬を優勝させないために仕組んだものだ。


「一応テレビを付けてみよう。もしかしたらお姉さんが出ていなくて大会は混乱してるかもしれないし。」

「ああ、そうだな。」


備え付けのテレビを付けると・・。

二人の思いとは裏腹に大会は盛り上がっていた。


『さあ出て参りました!前評判通り、順当に勝ち進み栄光の二連覇がかかった戦いに期待しましょう!去年の覇者・織斑千冬!今自身の専用機・暮桜を纏い堂々の入場です!』


一夏と芽衣はそれを見て怒りがこみ上げて来た。

家族よりも栄光を選んだ姉を侮辱の目で見る。


「あいつ・・!俺よりも自身の栄光を選んだ・・!やっぱりあいつは俺を踏み台にしか思ってなかったんだ!」

「信じられない・・!弟を見捨てて栄光を選ぶなんて!」


その時、ドアが乱暴に開かれる。

入って来たのは二十代後半の男性だ。


「大丈夫か!?束から連絡を受けてお前たちを助けに来た!」

「束さんが・・。」

「あなたは・・。」

「俺はレオン・S・ケネディ。アメリカ大統領直属のエージェントだ。早くここを出るぞ。」


二人はレオンと連れていたサポーターにより脱出に成功した。


「さて、これからどうする?俺はアメリカへ戻って報告しなければならないが・・。」

「・・レオンさん、無理を承知でお願いします。アメリカへ連れて行ってください。」

「僕もお願いします。」


そう言って一夏たちは頭を下げる。

レオンはいきなりのことで動揺するが理由を聞くことにした。


「俺は家族よりも栄光を選んだあいつの元に帰りたくない!それに今回のことで痛感したんだ。もっと強くならないと守りたいものも守れないって・・!」

「僕も同じです。思いだけでも、力だけでも守りたいものも守れないとわかったんです。だからお願いします!」


レオンは二人の覚悟を悟り、どこかへ連絡を取る。


「ハニガン、少しいいか?」

『どうしたの、レオン?』

「例の少年二人を連れて帰っても大丈夫か?」

『構わないけど・・何かあったの?』

「帰ってから話す。とにかく今は連れて帰る。」

『わかった。その様に手筈を整えておくわ。』

「助かる。」


レオンは通信を切り、二人を連れてアメリカへ向かう。


一夏たちはBSAAの戦技教導官・ジョッシュに何とか頼み込み、エージェントとしての訓練を受けた。

二人は何も言わず、大切な者を守るという想いを抱きながら訓練を受けた。

センスがあったのか僅か一年で訓練課程を全て終了。


「一夏も芽衣も大したものよね。かなりキツい訓練を僅か一年で終わらせるんだもの。」

「俺も嬉しいさ。黙々と頑張って結果を出してくれた。」


オリジナルイレブンのクリス、ジルはこんな事を話していた。

訓練を終えた二人はBSAAに所属、鈴もそこの中国支部に所属していた事に驚いたのは記憶に新しい。

BSAA内では二人の結婚は高校卒業の次の日に執り行われるとまで囁かれていた。

なのに・・。


二年後


「・・なんでこうなったんだろうな?」

「僕に聞かないでよ・・。」


回りにいるのは女子、女子、女子・・。

そう、二人はIS学園へとやって来ていた。


((あのとき俺(僕)がウイングゼロ(エピオン)を動かしたのはまだいい・・。))


そう、アメリカで二人はBSAAの各地に散らばっているガンダムタイプISの原型であり専用機でもあるウイングゼロ、エピオンを動かしてしまったのだ。


(試験会場を間違えて、ISに触れてしまったのが始まりか・・。)


BSAAはこの事を口外しないと約束していたのだが高校入試試験会場で起動してしまい、バレた。


「私の作ったISは宇宙を目指した物なのにいつのまにか兵器として見られる様になった・・。束さんはそんなの望んでない。」


ちなみに束はBSAAでISの研究を行っていて今の世界のありかたに心を痛めていた。

周囲に触れあったおかげで人見知りが改善され、力の意味を理解した。


「BSAA日本支部所属の天海芽衣です。趣味は料理、特技は・・糸を使った小物作りです。よろしく。」

「同じくBSAA日本支部所属の織斑一夏だ。趣味は料理、特技はマッサージ。よろしく。」


二人の自己紹介が終わると歓声が巻き起こる。


「このクラスに男子が二人!」

「片方は男の娘でもう片方はクール系!」

「これで一冊書けるわ!」


そこへ千冬が入ってくる。

一夏を見て驚いた顔になる。


「・・一夏なのか?」

「・・ええ、本当に久しぶりですね。あのとき・・。」

「ストップ。」


一夏が誘拐の事を話そうとしていたので芽衣はストップをかける。


「一夏、落ち着きましょう。ここで言い合う必要性は全くありませんよ。」

「・・悪い。やっぱりお前は最高の相棒だよ。」

「ふふ、一夏のストッパー役は僕よりもあの娘が相応しいでしょう?」

「あ、いや、その・・///」


芽衣のからかいに顔を赤くして動揺する一夏。

そんな一夏を見て微笑ましくなる芽衣。

それを聞いていた女子の一人は・・。


(何なのだ、一夏のあの慌てぶり。まるで恋人がいるみたいではないか!)


その女子は一夏に恋人がいることを知らない・・。


同じ頃、フランス・デュノア社


ここにいるのは中性的な少女と中年の男性。

そして少女に目の前のISを見せていた。


「ガンダム・・聞いた事あるな?」

「は、はい。BSAAの切り札で現行ISを大きく上回っていることを聞いた事はあります。」


どうやらガンダムタイプのISは現行ISを上回っているらしい。

男性は意を決して話始める。


「このサンドロックはBSAA所属のガンダムタイプの原型・・ウイングゼロを基にわが社の採算を度外視して作り上げた機体。特徴はあらゆる悪環境での機能低下を最小限に抑える機構と高い防御力を備えている。」

「・・数年前に一度だけ見たことがあります。その後に誰に聞いてもこれを知らないと答えていました。」

「誰も知らないのは当たり前だ。秘密裏にこれを作ったのだから。」


男性は娘・シャルロットの肩を掴んでこう言った。


「ガンダムは今の世の中を変える力だ。これの存在は妻も妻の娘も知らない。」

「・・何で僕にこれを見せたのですか?お父さん。」


父親は真剣な眼差しでシャルを見る。


「お前は優しく、芯が強い。お前ならこれを正しく使えると信じているからこそ、お前にサンドロックを託したい。・・頼めるか?」

「・・わかりました。サンドロックは僕が使わせてもらいます。」


シャルはサンドロックに手を触れて装着。

一次移行を済ませ、待機状態に変える。


「・・すまないな。娘のお前にこんな重荷を背負わせてしまって・・。」

「ううん、お父さんが僕を大切に思ってくれてる事がわかって嬉しかった。」


シャルはアラブで病気を患っている母親と二人で暮らしていて本妻からの通達でフランスへ来た。

父親と数えるくらいしか会っていない。

なので父親が自分を愛していたことを知り嬉しかった。


「今の妻がお前に会わせないように裏で工作していたようなのだ。・・それはまあ置いておいてBSAAの北欧支部経由で日本のIS学園に向かいなさい。手続きは既に済ませてあるし荷物も空港に送ってある。お前のコードネームは砂漠の王子様で現地で待っている人物のコードネームは黒の死神だ。」

「何から何までありがとう。・・行ってきます!」

「芽衣くんと仲良くな。・・早く孫の顔を見せてくれ。」

「・・もう///」


シャルは顔を赤くしながら悪態を付くが満更でもないようだ。