Small Magic
30XX年・・・地球に大きな隕石が落ち、それによって人々はある力を得た・・・・それを人は魔力という
その魔力の種類は光・水・風・火・緑・闇に分けられており、魔法はその6種類と普通魔法の全7種類がある
この物語は、今から未来の日常といえば日常を描いた物語である________________________
第一話 ペルネック塔の封印
神青魔法学園 初等部 五年生の教室では、2人の生徒が魔法の練習をしていた
「『fire』!!」
「火」の魔法を唱える声がした。その声の持ち主は茶髪の髪の跳ねた男の子のようだ
「何も出てないぞ、健・・・・」
もう一人は、黒髪の落ち着いた感じの男の子だ
「うぐ・・・っ!そーいう雄次はどうなんだよッ!?」
「・・・・できない」
ある春の日、この物語の主人公、芝田雄次と親友の雪村健
これから起こる不思議な出来事をこの2人はまだ知らない・・・
「そういえばさ、雄次、ペルネック塔のウワサって知ってる?」
「ウワサ?」
「そう!あそこには、封印がかかってて、それを解いた人は一流の魔法使いになれるんだって!!・・・でも中には入れないんだってさ〜」
「ふーん・・・・」
くだらない噂だな、そんな事を思いながら雄次はぼんやりと外の景色を見ていた
「ってことで、Let's go!!」
そんなことも気にせず、健は雄次の服を掴んで歩こうとしている
その様子に雄次は少しだけ困った表情で健を見た
「・・・・・。俺も?」
「もっちろん!」
二人は学園の中で一番高い塔であるペルネック塔のすぐ近くまで来た
「うひゃ〜、高いなぁ〜〜!!」
健は一人で騒ぎしながら中に入ろうと一歩近づいた、そのとき・・・
バチッ
電流が走る
「ぎゃっ!?」
健は突然流れた電流に驚き、目を白黒させながら後ろに三歩下がった
その不可解な行動を雄次はきょとんと見ている
「・・・何やってんだ?」
「何か電流が・・・」
「電流・・・?」
雄次も足を一歩中へ踏み入れる
すると雄次は健のように電流が流れることもなくスムーズに中に入ることができた
「・・・・・平気だけど?」
「えー!?・・・じゃあもう一回!」
健は雄次に負けずとまた足を踏み入れた
しかしやはり電流に敵うはずもなく、
バチバチッ!とさきほどより凄まじい電流の音が響く
「いーーーやーーー!!」
健はくるり、と一回転して倒れた
その姿を見ながら雄次は「バレリーナかよ」とツッコミをいれたがプスプスとこげている健には届かなかったようだ
「・・・・。」
しょうがないので先に中に入っていた雄次は塔の中を見渡す
すると中央に小さな台があり、きれいな石があるのを見つけた
「・・・・・『これに触れし者、天の神ルーシュの名の下に・・・』・・・・?」
雄次が首をかしげたその時、塔の全体がパァッと光に包まれた
光はその塔から放たれているようで、雄次の体全体をも包み込んでいる
凄まじい光の量に伸びていた健もバタバタと塔の入り口まで寄ってきた
「なに??何なんだ!?何したんだよ、雄次!!」
「え、いや、台に書かれていた字を読んだだけだけど・・・」
わーわーと騒ぐ二人
そんな中、より一層光が強くなったと思えば何かがふわりと宙を浮いた
それとともに、轟音
「・・・これは・・・・!」
雄次と健が息をのむ
目の前に現れたのは化け物でも、悪魔でもない
眩しいほどの光に包まれながら現われたのは、一人の少女だった
「お、おお、女の子〜〜〜!?」
「・・・・・・。」
たじろぐ健に対し、冷静に女の子を見る雄次
金色の長い髪、青い瞳・・・外国の子だろか、そんなことを考えているようだ
その女の子は、魔法陣の上にトン、と降りると、走ってきて雄次に飛びついた
「んな・・・ッ!!」
「ブロウ・・・!約束守ってくれたんたんだ・・・!」
「え・・・えっと・・・・」
急な出来事に、雄次は困惑気味だ・・・少し、照れているようだが
その様子に健は「うらやま!」と叫んだかと思うとすぐさま女の子に弁解をする
「・・・えっと〜、違う、こいつは雄次!その『ぶろう』とか言う人じゃないぞ!」
「え・・・・ブロウじゃ・・・ないの・・・?」
そう言うと女の子は雄次から離れ、しゅん、と落ち込んだ
柔らかそうな髪がふわりと揺れて寂しげな瞳が二人を見る
「・・・あなたの名前は?」
気まずそうにそう声をかけた雄次に彼女は笑顔を浮かべると元気よく答えた
「ルーシュ・・・天神ルーシュ!」
「てんしん・・・ってなに?」
健は頭をかきながら、『ルーシュ』と名乗る女の子に聞いた
漢字テスト2点の健には難しい問題だ
「天の神なの。あ、ほら・・・よく本とかに出てくる・・・」
「・・・・ホントに神なのか・・・?」
ニコニコ笑いながら話す彼女が、どう見ても雄次には神には見えなかった
それから何分時間がたったのか、キーンコーンカーンコーン・・・と休み時間の終わりを告げる鐘が鳴り響いた
「・・・・・えっと、この女の子、どうする?雄次」
「・・・・・。」
困った二人は彼女を担任の先生に紹介しに行った
「・・・ふーん、なるほどねぇ〜・・・。」
椅子に足を組んで座って、まじまじとルーシュを見つめているのは、雄次たちの担任の小田慶介先生だ
「よし、事情は分かった。人間界に修行か・・・、もういっその事、学園に入っちゃうってのはどうだ?」
天神、ルーシュは天界から人間界へ修行のために降りてきたらしい
しかし理由がありこの塔に閉じ込められていたという・・・
詳しいことはあまり聞けなかったが、適当な先生の言葉によりルーシュの学園入学が決まった
「学園・・・!おもしろそう〜」
「えーと、今何歳かな?ルーシュちゃん」
「561歳!人間界に来たのは今から311年前で〜・・・300年封印されてたの〜」
「・・・そうか・・・まぁ、身長的に健と同じぐらいだから、同じ学年でいっか!」
歳には触れないことにした先生であった!
そんな先生を気にすることもなく、健は嬉しそうにルーシュの手を握った
こういうナチュラルなコミュニケーションも大人になればセクハラといわれてしまうが、まだ彼らには関係のないことであった
「あ、同じクラス!?やった〜!俺、雪村健!!で、こいつが俺の親友の芝田雄次!よろしく〜〜!!」
「まぁ、よろしく」
そういうと雄次は頭をぽり、と掻いた
けして女の子が苦手なわけではないが何だか少し恥ずかしい、そんな思春期真っ盛りな男子生徒ある
そんな雄次とは対照的に健はルーシュにペラペラと話を進めた
「あ、俺のことは健ちゃんって呼んで!!あと、タメ口でいいから!」
「うん!!」
その言葉を聞いて雄次もルーシュに声を掛ける
「俺は、呼び捨てでいいよ。芝田でも、雄次でも。あと、俺もタメ口でいいから」
「あ、私もルーシュって呼んでね〜」
「おう・・・あ、あと先生とか俺らより年上の人は『敬語』使ったほうがいい、怒られるから」
ルーシュはこくん、と頷いた
敬語を彼女が知っているのかは分からないが、うなづいたのでまぁよしとしよう
「よーし、自己紹介も終わったし、魔力属性検査するか〜」
そう言うと、先生は机の引き出しから一冊の本を出した
「魔力属性検査?」
ルーシュは不思議そうに先生の持つ本をじっと見つめている
その様子に、先生は「うむ」とうなづくと説明を始めた
「この本を開いて、『我が属性を示せシュルクローム』と唱えると、属性が分かるんだ」
ルーシュは本を受け取り、パラパラと適当にページを開いた
「・・『我が属性を示せシュルクローム』」
そう唱えた瞬間、相談室いっぱいに光が広がった
「・・・ふむ、光の属性か・・・それにしても、さすが神・・・すごい光の量だな」
そう言うと先生は何か考え込んだように腕を組んだ
「ホントだね〜俺なんかちょっと火柱が出ただけだもん」
「俺は真っ暗になって訳分かんなかったな・・・」
「健は火の属性、雄次は闇の属性だからな〜・・・じゃあ、教室に行こうか」
『はーい』
四人は『五年生』と書かれたプレートの掛かっている教室へ移動した
「・・・・えー、という訳で転入生のルーシュちゃんでーす!」
「第二十二天神のルーシュです、よろしくお願いします」
ルーシュはペコリとおじぎをした
「わー、かわいい!お友達になろーよー!!」
一番最初に声を出したのはショートカットの活発そうな女の子だった
いかにも元気いっぱい、といった感じでわくわくしてしょうがないとでも言いそうな雰囲気だ
「あたしね、相原海っていうの!属性は風で・・・えーと、とにかくよろしく☆」
「よろしく〜」
ルーシュが場になじんだことを確認した先生は大きな口を開いた
「えーと、ルーシュちゃんの席は、あ、雄次の隣でいいな」
「はーい!」
スタスタ・・・とルーシュは雄次の隣の席へ歩いていった
「・・・・・(前から三列目の一番外側の席・・・)わぁ、いい眺め〜」
「さっきもあったけど・・・よろしくな」
隣の席の雄次が声をかける
ルーシュは同じくにこやかに「うん!よろしくね」と返した
「・・・・・。」
その様子を見つめる、一つの影があることを二人はまだ気付いてはいない・・・・
第二話に続く