第1話 『魔導戦士ウルフ』
とある森の中……そこで金髪のスクール水着のような服、黒いマントをつけている少女「フェイト・テスタロッサ」が狼の耳と尻尾を生やした女性「アルフ」と共にこの辺りを色々と探し回っていた。
「変だねぇ、この辺にある筈なんだけどなジュエルシード」
「もう少しよく探してみよう? 私達以外、ジュエルシードを探してる人なんていないと思うし」
2人は森のさらに奥の方へと歩いて行き、そこで倒れている少年……「光」を発見した。
だが、光の着ている服は血が大量に付着しており、光本人も血を流してフェイトとアルフは唖然としていた。
フェイトは光の元に駆け寄ろうとするがアルフに肩を掴まれて止められる。
「フェイトッ! なんか怪しいよあいつ? あんなに傷だらけな上にしかもまるで飛び散った血が服についたような格好だし」
彼と関わりたくは無い、それがアルフの意思。
「で、でも……怪我してるから助けなきゃいけないよアルフ?」
だがフェイトは光に対してなんの不安も見せずに彼の元に行き、彼を抱きかかえる。
「兎に角、家まで運ぼう?」
「もう、フェイトは……ジュエルシードはどうするのさ?」
「また後で探しにくれば良いよ」
アルフが光を抱きかかえ、フェイトと一緒に2人が使っているマンションまで運んだ。
マンションに運ぶとフェイトとアルフで光の手当てを完了させ、血のついた上の服はアルフが脱がせたが初めてみる異性の肌を見てフェイトはボッと顔を真っ赤に染めた。
「あぁ、そう言えばフェイトって男の子の知り合いっていなかったもんね」
「う、うんっ。 男の子って小さくても結構ガッツリした身体してるんだ……。 下は……」
光の着ているズボンも血がついている、途端にフェイト所かアルフも全体的に顔を真っ赤にして2人は互いに苦笑する。
「アハハハ!! 流石にこれはねぇ?」
「そうだね、ズボンはそんなに汚れて無いから大丈夫だと思うよ?」
その後は光をベッドに寝かせ、フェイトは光の寝顔をジッと見ている。
「寝顔、可愛いかも……」
ボソッと呟くフェイト。
すると光がゆっくりと瞼を開き、辺りを見渡すと目に飛び込むのはフェイトの顔……しかも間近である。
「わあっ!?////」
「きゃっ!?////」
フェイトは驚いてひっくり返って頭をぶつけ、光もベッドから「ズドーン!」と落ちて頭をぶつけた。
「ナイスコンビネーション」
などとアルフが言っているが先に光が立ち上がり、転んだフェイトに手を差し伸ばす。
「あの、大丈夫?」
「う、うんっ、ありがと」
恥ずかしそうにしながらもフェイトは光の手を掴み、立ち上がらせようとするがフェイトの手を握った瞬間……頭にノイズが走り光は「うわああ!!?」と叫んで思いっきりまたすっ転んでその際フェイトもいきなり光が叫んで驚き、足を滑らせてすっ転んでしまった。
「「あいたぁ!!?」」
「アンタ等結構似た者同士かもねぇ」
アルフが腕を組みながら苦笑して言い、フェイトは起き上がって光を見ると光は頭を抱えて涙目、そしてなにか怯えている様子だった。
(そうだ、僕は確か……確か!!)
*
数時間前の出来ごと、光は魔導戦士ウルフとなった時のことを思い出していた。
「成功だ、これで俺は遂に組織の幹部になれる!!!」
腕を広げて高々と喜びの声をあげる光をウルフにした少年、だが……次の瞬間ウルフの腕によって少年の胸は貫かれた。
「……えっ?」
「グルルルル!!!」
ウルフは鎖を力づくで破壊し、少年の胸を貫いていた。
「ごふっ!? バカな、爆弾100個使っても壊れないような鎖を……まさか、ここ……までとはな」
ウルフは腕を引き抜き、そこに警報が警備員らしき人物たちが集団で現れウルフに向かって行く。
「止まれぇ!!」
警棒を持ってウルフの背後に回り込み、背中を叩きつける警備員。
だがウルフは気にした様子無くその警備員に振り返って警備員を殴り飛ばす。
「ガアア!!」
「ギャアア!!?」
警備員Aと警備員Bがウルフの両腕を掴んで動きを封じ、その隙に警備員Cがウルフに真正面から突っ込んで抑えつけるが警備員はCはウルフの膝蹴りを受けて天井に叩きつけられ、力任せに警備員AとBを投げ飛ばす。
「ウガアアア!!!」
「「うわあああ!!?」」
残りの警備員達はウルフの横回転しながらのドロップキックを警備員達に喰らわせ、吹き飛ばされる。
「「ぐはあああ!!?」」
「ぎゃあああ!!!?」」
壁などに激突した警備員はその後……二度と動くことは無かった。
ウルフはそのままこの場所から脱出し、逃げている途中で元の姿に戻り気絶して今に至るのだ。
ただ、ウルフはそこを出る際気付いていなかった。
あの少年が光に飲ませた物と同じ「?」と書かれた宝石を飲み込んでいたのを。
*
「僕に近づかないで!!」
「あの……」
「自分に近づくな」という光だが、フェイトは光が心配でその頼みは聞けずに光に近寄るが光はベッドにあった枕を掴んでフェイトに投げつけ顔にクリーンヒットした。
「近づくなぁ!!!」
「わぷぅ!?」
隅っこの方で怯え、涙を流す光。
自分が殺したんだ、あの人達を……自分が、自分が殺した。
あの訳の分からない力で……。
そういった恐怖心が光の中に一気に流れ込み、光は恐怖心のあまりパニック状態になっている。
「殺してしまうから、きっと君達も殺しちゃう!!」
フェイトは両手で枕を掴んで顔に埋めたままであり、今までの光の言動を聞いていたが……フェイトは枕を光に思いっきり投げ返して光の顔にクリーンヒット。
「わぷぅ!?」
しかも顔に当たった時の悲鳴と一緒なのでアルフは「ますます似てるねぇ」と呟いていた。
「どうするんだいフェイト?」
アルフの質問にフェイトは答えず、フェイトは光に近づく。
だが光は当然フェイトから避けようとする訳だがフェイトは逃げようとする光の腕を掴む。
「いい加減にしなさーい!!!!」
まるでお母さんみたいなことを言いながら光の頭に強烈な鉄拳を喰らわせるフェイト。
「あだぁー!!!?」
「男の子がウジウジ泣かないの!!」
またお母さんみたいなことを言いだし、フェイトは光を優しく抱きしめた。
「大丈夫だよ? 多分、あなたは怖い想いをしてきたんだと思う。 だけど、ここなら絶対大丈夫だから。 だから安心して?」
すると光は落ちつきを取り戻したのか、ゆっくりと頷き、フェイトは光を抱きしめまま互いの顔を見つめ合う。
「はぅ!? よく考えたら裸の人に抱きついてる私!?」
ズザザザっと光から離れるフェイト、そのせいでまた光が暗い表情になるがフェイトが慌てて彼を慰めた。
(子供とその母親みたいだ)
アルフはそう感じながら光とフェイトを見守っており、落ちついて来たので色々と話を聞くことに。
「青い宝石を飲み込まされたぁ!?」
「はい、それで……変な異様な姿になってしまって」
光は今までのことを説明し終え、信じ難い話だったが「青い宝石」と聞いて微妙に信じられるかどうか分からなくなってきた。
そこでフェイトが光の胸部に手をかざし、目を瞑ってまるでなにかを感じ取るようにしている。
「間違い無いよアルフ、この人、ジュエルシードが身体の中にあるんだ」
「そんな!? なにか取り出す方法は無いのかい!?」
アルフがフェイトに尋ねるがフェイトは首を横に振る。
「多分、普通の方法じゃ取り出せないと思う」
フェイト達が先程探していたのは「コレ」である。
「ジュエルシード」それがフェイト達が探しているものであり、21個の内1つが光の体内に入っている。
では先程感じた気配は光の中にあるジュエルシードだろうか?
「でも、あの森の中にいた時ほど気配は強く感じない。 もしかしたらあの森の中にもう1つジュエルシードがあったのかもしれない」
真剣な表情をするフェイト、光は話がついていけずに困惑状態である。
「あっ、こっちの話だから気にしないで? 良かった家まで送るけど……」
「有り難いけど、分からないんだ」
「えっ?」
ジュエルシードを体内に入れられ、身体に強烈な激痛が走ってしまったせいか記憶が所々色々と抜け落ちているのだ。
学校はどこか、家族は誰か、家の場所はどこなのかさっぱり分からない。
「それじゃ、しばらくはここに入れば良いよ?」
「ちょっとフェイト!?」
フェイトは光に優しく微笑んで言うがアルフはどうも微妙に納得出来ていなかった。
「悪い子じゃなさそうだよアルフ?」
「けどさ……」
だがアルフはフェイトが頑固な性格を思い出してため息を吐きながらも渋々承知せざるを得なかった。
「それじゃ私達、これから出かけないといけないからここで待っててくれる?」
フェイトの問いに光は戸惑いながら頷く。
*
再びあの森の中にあるジュエルシードを探しに行ったフェイトとアルフ。
ジュエルシードの反応が近くにあることを感じたフェイトは「魔法」を使い、ジュエルシードを強制発動させて居場所を掴んだ。
「見つけた!!」
ジュエルシードを発見したフェイトはそれを取りに行こうとするが……突然茂みから黒い影が飛び出してフェイトを突き飛ばした。
「きゃっ!?」
「フェイト!?」
アルフが倒れこんだフェイトの元に駆け寄って彼女を抱きかかえ、フェイトとアルフはフェイトを突き飛ばした影の正体を見た。
「この宝石は俺が頂く!! 横取りはさせねえぞ!!」
まるで見た目は機械的なゴリラのような怪人「パワーコング」が立ちはだかり、コングは巨大な腕を振り上げてフェイト達に殴りかかって来た。
「横取りしに来たのはどっちさ!!」
アルフがコングの背中をとってコングを殴りつけるが、コングは平然としてアルフを弾き飛ばす。
「うああ!?」
「アルフ!!」
フェイトは持っていた「インテリジェンスデバイス」と呼ばれる「魔法」を使う時、彼女のサポートなどを行う時に必要なアイテム「バルディッシュ」を持って鎌型の「サイズフォーム」に変形させてコングに真正面から斬りかかる。
(後ろがダメなら前から!!)
だがコングは外見に似合わず動きは早く、その素早さでフェイトの攻撃をかわしてしまった。
それでもフェイトは不敵な笑みを浮かべ、「んっ?」となったコングが振り返ると電撃を纏った魔力弾「フォトンランサー」がコングに命中した。
「ぬお!? 電撃!?」
「どうやらアンタは雷に弱いようだね!!」
アルフもフォトンランサーに似た技を放つがコングはフォトンランサーを今度はまともにワザと喰らった。
「ワザと攻撃を受けた!?」
「誰がなにに弱いって?」
フェイトとアルフは互いの目を見て頷き合うとコングの左右へと廻り込み、2人で同時に攻撃を仕掛ける。
しかもその2人の動きはコングよりも早く、アルフの拳とバルディッシュの刃が今度は確実にコングを捕えた。
その頃、光は……。
「んっ?」
なにかを感じ取ったのか、光はその「なにか」が感じる場所まで走って行く。
場所を戻し、コングとフェイト&アルフの戦いは長く続いた。
「はぁ、はぁ」
「くっそ、こっちはもうへろへろだってのに向こうは全然平気そうな顔してやがるよ?」
アルフの言う通り、コングは全然平気そうな態度をとっており、両腕の先を鉄球のように変形させフェイトとアルフに投げつけ、2人は左右にかわそうとするがフェイトは膝をついてしまう。
「フェイト!!」
アルフがフェイトの元に駆け寄り、鉄球がアルフとフェイトに迫るが……その鉄球を突然現れた光が蹴り飛ばした。
「なんだと!? 俺の鉄球が!?」
光が右手首につけている狼を模したマークのブレスレットが一瞬輝き、光は両腕をクロスさせる。
「クロス……チェンジ!!」
その瞬間今度はブレスレットから大きな輝きが放たれて光はその輝きの中に包まれると色は血のように赤く機械的な身体、顔は狼を模した仮面、肩には獣の手を思わせるショルダー、足部はまさに獣と呼ぶに相応しい形をした大人くらいの身長になった「魔導戦士ウルフ」に変身した。
「ハッ!」
丁度その時、月の光がウルフに降り注ぎ、それと同時にウルフの目が金色に光った。
「貴様、逃げだした第1号魔導生命体!!」
コングの言っている意味は分からなかったがコングはこちらの返答を待たずに鉄球を投げつけてくるが……ウルフは高いジャンプ力で飛び上がってそのままコングの肩を踏みつけて再びジャンプし、コングの顔に二弾蹴りを叩きこむ。
「ハアアッ!!」
「うおっ!? このおおお!!!」
その巨体に似合わないスピードを出すコング、もはやどこから攻撃するか分からない。
そして背後からウルフに掴みかかってくるコングだが、ウルフは動じることなく振り返ってストレートな蹴りをコングに入れる。
「うぐおっ!?」
再びコングが掴みかかってくるがウルフはコングの懐に入り、コングの腹部を殴りつけた。
「遅い!」
そのまま殴り飛ばされたコングに一瞬で詰め寄り、高速連続パンチを次々へと打ち込んで行く。
「ぐはああ!!? 『オリジナル』だからって調子に乗んな!! お前オリジナルを倒して俺も幹部入りだぁー!!」
「訳の分からないことを……言うな!!」
鉄球を飛ばしてくるコング、ウルフはコングの鉄球をパンチで破壊し、両腕にクローを展開してクローに青い光を宿す。
「うおおおおお!!!」
コングに走り出し、コングは防ごうと両腕を交差するが両腕ごとそのクローによる斬撃「ウルフブレイク」によって破壊され、そのままコング本体が切裂かれ……ウルフはコングに背を向けゆっくりと歩く。
「うばあああ!!!?」
コングは倒れ、爆発を起こしその前を通るウルフは炎の中をまるで歩いているようであった。
ウルフの変身は解除され、光は膝を突く。
「はぁ、はぁ……僕は……また」
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怪人の募集も行おうと思います。
募集の条件としてはモチーフは動物であり、機械的な姿であること。
正し、応募したからといってその怪人が出るとは限りませんのでご愁傷ください。
また組織名もまだ決まって無いのでなにか良いアイディアがあればお願いします。