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📚 目次

1 序章 (1ページ)

📍 無題
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2 第一章 『書き出し』 (1ページ)

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神園 晴希(カミゾノ ハルキ)はときどき思い出す。幼なじみの海田 友美(カイダ ユウミ)の事を――。


友美はこの来戸(くると)地区にはいない。親の転勤などではなく、特殊な事件があって転校したからだ。

――男子中学生傷害事件。

この事件の主な原因は晴希にある。

怖がりだったから。

足がすくんでしまったから。

何にもできなかったから――。

殺人までには至らなかったものの、相手の中学生はかなりの重症だった。

つまり、筋書きはこうである。

晴希が下校中に、溜まっていた男子中学生三人にぶつかり、運悪く悪い連中たちで「謝れよ」と言い寄られ、晴希が恐怖で臆していたところを友美が謝り、許してもらえずに売られた喧嘩を友美が買ったというわけだ。

晴希と友美は当時、精神を鍛えるために柔道場へ通っていた。そして、元々運動のセンスがあった友美はすぐに上達し、冷静沈着に行動できるようになった。その影響で読書にもハマっていたらしい。

 そして、友美は喧嘩に勝利した。こちらが小学六年で、相手が素人の中学生だったこともあったのだろうか。ただ、正気を失っていた友美は度を越えてしまっていた。相手は全員道中に伸され、一人は失神していた。

そのあとは言うまでもなく、警察が駆けつけ、事情を聞かれるハメになった。小学六年生だったので、逮捕までには至らなかったが、今回の主となる友美はカウンセリングを受けることとなり、しばらく学校へ行かなかった。

そして、友美は責任感のためか、転校した。

詳しい事情は幼なじみだった晴希にすらわからない。ただ、彼女は、晴希に一言だけ残した。


「どこかで今度、小説書こうね!」


晴希には最初、意味を理解することができなかった。 確かに友美は読書家ではあったが、そんなことは何も言ってなかったからだ。

晴希は納得できなかった。

ときどき場違いなことをする友美だ。気まぐれに違いない、と。

でも、どこかで本気にしている自分もいた。

遠く離れていても、絆をなくさなければ心は繋がり続ける。

何を図ろうとしていたかは、ついにはわからなかったが、晴希は迷いなく彼女を送り出した。


「うん、小説書こう。また会おうね!」


その日の空は雲一つとなく、夕焼けがきれいに映えていた。斜陽をバックに去る、友美の乗る車を、晴希はアスファルトの道でずっと見つめていた――。

それが、晴希の人生の転機(ターニングポイント)だった。