1 Love you !
好きだと告白してから、既に5年。普通のカップルだとか恋人同士だとか、そんな段階にはいるはずのなのに、沢田綱吉とS・スクアーロは全くそんな甘さなどは感じさせていなかった。なぜなら、そういう関係であることを完全に隠してあるからである。
なぜ、そんな関係を隠しているのか。答えはひとつ、明らかだ。
殺されてしまうからである。
比喩だとかそんなものであれば本当に良かった、とスクアーロは常々思っていた。片やイタリアマフィア最強の座であるボンゴレファミリーの10代目ドンの称号を持つ少年。片やそのボンゴレの独立暗殺隊の幹部であり、2代目剣帝である男。
少年と男、そうなると恋人という関係でくっつくのは奇妙に思えるが、そんな事はお構いなしに(告白当初は大いに悩んでいたが)5年経っても熱い仲だ。
そしてスクアーロは
真剣に
沢田綱吉との結婚を考えていた。
「そのプラチナの指輪だぁ、ホラその、ダイヤが付いてる奴だぞぉ」
「っと…サイズは…?」
「……これくらいだ」
見本の指輪を少し手に取り、思案した。幾度となく触れてきた指の記憶は鮮明で、今でも鮮やかにツナの指のサイズを思い出せるほどである。
給料3ヶ月分――――になると、恐ろしく予算が余ってしまうので、ロマンは感じさせないが1ヶ月分程度で我慢してほしい。
『牽制乗り越え5年…ついに……オレは…』
アルコバレーノ、守護者、ヴァリアー、門外顧問、ミルフィオーレ、キャバッローネ、トマゾその他もろもろ……それら全てに友人以上の関係が無いよう装う日々も終わりだ。結婚してしまえば、もっと会う時間も増えるだろう!今のスクアーロは希望の火に燃えていた。
夜にはツナとの食事も予約した
ツナは護衛を外していてくれる
守る、という前提を持って気を抜かないでいけばいい
今日は隊服なんて無粋な物は着ない
「スクアーロがP−00地点に来たぞ」
ボンゴレ本邸でスパナが呟く。後ろでリボーンが微笑み、指で帽子を上げた。
「ようやく来やがったか……ここまでオレ達に気付かれなかったことは褒めてやろうじゃねぇか、なぁ」
昼にうきうきと出掛けて行ったスクアーロ。マーモンが気にしないはずがない。鼻水マップでスクアーロを追った先には―――――
「指輪渡させたら終わりだぞ、オレ達がやったとツナに勘付かれてもいけない。頼むぜ?」
『わかってるぜ、コラ…!』
愛しの太陽を―――大空を盗られてたまるか。
角を曲がればもうすぐに待ちあわせのレストランだ。ポケットの中の指輪と花束を何度も確認しながら走る。
『あと15分…余裕だぜぇ……!』
「祝砲撃ってやるぜ…ゴルァ…」
「い゛!?」
どがぁぁ…ん……
「…何の音だろ?」
すごく嫌な予感がする。スクアーロが30分程予定の時間に遅れているのがその証拠だ。
「………スクアーロ…」
好きだよ
なんて、ちょっと呟いてみる。
「聞こえたぜぇえええええ!!!!!」
LOVE YOU LOVE YOU しばしば口説いたかいがあった。バッチリハートに伝わってきたというか、とにかく力が湧いてくるこの感覚は――――
「オレも――――」
好きだぜ
なんて、ちょっと呟いてやった。
「鮫特攻!!!」
「何っ!?」
ダイナマイトやライフルの硝煙の中を掻い潜ってでも会いに行きたい。会いに行って、伝えたい言葉があるから。
こんなに人を愛したことなんてなかった。
こんなに自分が壊れた事なんてなかった。
こんなにも―――――
「ツナヨシ……」
店が閉まっていた。ツナもいなかった。
花束が散ってしまっていたし、指輪の箱も焦げている。
「…畜生……」
くしゅんっ
小さなくしゃみの声に反応してしまった。
「ツナヨシっ!?」
「おしょいよ、しゅくあーろ……」
「馬鹿野郎…!なんで…テメェ……」
こんなに寒いのに。スクアーロの問いかけに、ツナは当たり前のように首を傾げた。
「だって、スクアーロのプロポーズ、早く聞きたくって」
ブラッド・オブ・ボンゴレめ。
「……愛してるぜぇツナヨシ……」
「うん…」
「…オレと……結婚してく『そうは行くかぁあああ!!!』
こんなに『Love you !』を豪語しているのに、神様というのはどうも自分が嫌いらしい。
結婚の言葉にツナが頷いてくれたから、まだ死ぬわけにはいかない。
「……鮫特攻!!!」
「…Xバーナー!!!」
夫婦初の共同作業として、まずは愛の障害を一掃中!!
こんなあふぉなネタを書いております。スライディング土下座ぁあああ!